最近は体調不良などで活動を一時的に休止される声優さんや、そのまま廃業としてしまう方が増えたように思います。
同じく声優として活動している仲間とも話していて、
やっぱりメンタルくるよね〜〜〜
っていう話題になることはよくあって、
今回は、なんで声優がメンタルをやられやすくなってしまうのか、ということをちょっとお話ししてみたいと思います。
ま、そもそもお仕事でのプレッシャーもものすごいあるんだけど。それ以外の部分についても。
今声優を目指している方や、新人として活動し始めたけど悩んでいる、という方の参考になれば嬉しいな…!
もくじ
常に人と比べられる環境にいる
他人と比べてしまうってものすごくしんどくなりやすい原因だと思うんですよね。
心理学の本とか読んでると人と比べちゃダメ、って絶対出てくるじゃないですか笑
でも声優業界にいると他人と比べられる、というのが当たり前になります。
例えば新作アニメのオーディションを受ける。
一つの役をかけて何人何百人という声優と戦わなくてはいけない。
もちろん不合格をもらうことは多いです。
昔お世話になっていたマネージャーさんに、
オーディションなんて100回受けて1回受かったらいい方って思った方がいいよ!
って慰めてもらったことがあるくらい笑
それくらいめちゃくちゃ落ちます。
アニメに出演できる人の人数は限られているから仕方がないことですよね。
そういうオーディションラッシュみたいな時期が1クールに1回やってきます。
もちろん受かってヤッタ〜〜〜〜ってなる作品もあるけど、
それでも3ヶ月ごとに「不合格をもらいまくる」という期間がやってくる。
そして自分がオーディションに落ちた作品が放送され始める。
いつも仲良くしている人が作品に出ていたりする。
私はそんな環境の中で、しばらくアニメが見られなくなった時期がありました。
今は普通にアニメ楽しめるようになってきたけどね!
アニメが大好きで業界に入ったはずなのに、
アニメを見るのが辛い時期があった。
不合格をもらう度に、「あなたは要りません」って言われてる気になっちゃう…笑
っておっしゃってた先輩もいらっしゃいました。
実際には、実力とかよりも、
作品やキャラクターに合う合わない、という観点からオーディションは開催されているので、
オーディションに落ちてしまっても、「要らない」とか「誰かより劣っている」というわけではないんですけどね。
それでも落ち続けるとメンタル的にはキツくなってきちゃうもんです。
比べるべきは本当は他人ではなく自分自身で、
業界に入った時と比べてどうか、
1年前と比べてどうか、
昨日よりも成長できているか、
っていう考え方ができた方が楽なんですけどね〜〜
私はだいぶこういう考え方ができるようになったし、
自分が努力しているという自信だけはあるので、成長も感じられてます。
事務所を退所してフリーランスになってから、よりそういう考え方をしやすくなりました〜〜
上を見たらキリがない
「他人と比べちゃう」っていう話の延長にはなるんですが、
上を見たらキリがないのがこの業界…
だってレジェンドたちと一緒に収録…とかもあるんだもん…いや、すごいことなんだけどさ…
声優業界は還暦で引退、みたいな考え方もないし、
元気にご活躍されていらっしゃるレジェンドがいっぱいいらっしゃって、そういう方達とも収録をご一緒することが結構あります。(最近はコロナ禍で随分機会が少なくなってしまって残念だけど…)
業界に足を踏み入れて、事務所に所属するのだってすごい
1回だってアニメに出られるだけでもすごい
そう思うけど、
でも売れてる人はいっぱいいる。
もっとすごい人がいっぱいいる。
頑張ってはいるんだけど、どんなに頑張ったって自分よりすごい人がいっぱいいすぎて、
頑張っても頑張っても追いつけなくて、満足できない。隣の芝がずっと青い。青すぎる。眩しい。ウワァア
そういう枯渇感みたいなものを多くの人が抱えながら活動している気がします。
これは結構しんどい。
「安定」がない
声優業は「安定」という言葉の反対語なのではないか。
特にアニメとかだと3ヶ月ごとに職を失います笑
声優のお仕事は完全に歩合制なので、お仕事をやったらやった分だけしか稼げません。
もちろんお仕事がなければお給料は0円。
なるべく単価の高いレギュラーのお仕事を取れるようにしていくしかないんだけど、
ある程度キャリアがないとそういうお仕事は取れないです。
ほとんどの新人声優はアルバイトをしながら声優業、という感じだし、
新人のうちはバラシ(「お仕事入るかもしれないからスケジュール空けておいてね〜」って言われたものの「お仕事入らなかった!」っていうパターンのやつ)もすごく多いので、
そうなると急にバイトを入れる、とかも難しくて、働けない1日だけが残る。
急なバラシだから誰かと予定合わせて遊ぶとかもできない。
そういうパターンが続くと、働けなかった日がいっぱいで、生活が危うくなることもあります。
お金ない…どうしよ…ピィ
お金の余裕って結構精神の余裕と直結するものですよね…
仕事をするための制約が多すぎる
事務所に所属して声優業をしていると、かなり制約されることが多いです。
スケジュール
まず、先ほどお話ししたスケジュールについて。
スケジュールは全て事務所に預ける形になるので、「この日は空けられない」という日はなるべく作りません。
どうしてもNGな場合は、その日程をスタッフさんにお伝えすることになりますが、
正直新人声優のうちにそんなことなかなかできないです。
NGなんか出してたら、お仕事もらえなくなっちゃうかも…
ってやっぱり思う。
普通に考えて、自分が事務所側の人間だったら、スケジュール空けられない人よりも「いつでもスケジュール空けて待ってます!お仕事ください!」って言ってくれる人の方がいいもん笑
スケジュールをいつでも空けられるように準備しておくのは結構大変で、
すぐに帰って来られる範囲じゃないと旅行には行けないし…
約束をしていた友達にドタキャン連絡をしなきゃいけない時はいつも本当に申し訳ない気持ち。
絶対に体調を崩せない
絶対に風邪引けません!笑
体調管理も仕事のうち。
一度ものすごい風邪を引いて声が変わってしまって、アフレコ飛ばしてしまった時は本当に家に帰ってから号泣した…
コロナ禍とか本当に神経質になっちゃいますよね…
普段からケアにはものすごく気を遣っています。
ちょっとでも体調悪いかも?と感じたらヒヤヒヤです。
常に見られているという感覚
SNSは遡って前の発言が炎上することもあるからものすごく考えて投稿するし、
お仕事の時は粗相があってはいけない。(次回のお仕事に繋がるよう頑張りたい)
新人でもある程度露出が多くなってくると、日常生活でも誰がどこで見ているかわからない。
そう考えると常に見られているような感覚があり、気を抜けない日々が続きます。
一時期人間不信みたいになっちゃって、人の顔が見られなくなった時期もありました…
最近は声優も報道が行きすぎてる感じがするし、
そういう報道を見ると、やっぱり同じ業界で活動している身としては怖くなってしまいます。
相談できる人がいない
事務所に所属していればマネージャーに相談すれば?と思うかもしれないんですけど、
前向きな話は相談できても、ネガティブな相談ってなかなかできないです。
これは私だけかもしれないけどね笑
だってマネージャーさんには安心してお仕事を私に振って欲しい。
悩んでる、とか不安になってる…なんて姿はなるべく見られたくないと思っていました。
いや、これはまじで私だけかもしれないんだけど
ネガティブな悩みに関しては、自分自身で解決するべきことだと思ってたんですよね。
本当はそういう弱いところもさらけ出せた方がよかったのかもなぁなんて、今更になって思います。
同業の方にも、もし悩みを相談したとして、それが悪い感じで別の人に伝わってしまったら?なんてこと考えちゃったりして、やっぱり深く相談をする、ということがなかなかできませんでした。
今自分が運営しているオンラインサロン夢波サロンは、そういう方のサポートができたらな、という思いでも運営しています。
ある程度お仕事をし始めてる人は、悩んでることが本当に多いです
利害関係のない人として相談に乗ってあげたい。
個人的には、あまり関わる人を同業ばかりにせず、色々な業界の人と接点を持つようにしてみたりすると、視野が広がっていいなぁと思いますね〜〜
声優にとってメンタルケアって本当に大事なことだと思うので、意識して、自分のことを大事にするようにしてあげてください。
私も人間関係とか自分の気にしすぎちゃう癖とかで悩まされることが結構あるんだけど、
最近読んだ本でちょっと気持ちが軽くなったやつがあったからついでにご紹介!
実はこれサロンメンバーさんからおすすめしてもらった本!笑
ブッダの考え方ってすごく冷静な思考整理、って感じで面白かった〜〜
個人的には「人の悩みって全部妄想で、今の自分の視覚や聴覚、触覚などの感覚に集中すれば妄想の広がりを抑えられる」っていう話がすごい発見だった。
時々嫌なことブワァって考えちゃうんだけど、そういう時に目を瞑って今自分が感じてる感覚に集中する、っていう方法、
やってみたけど結構妄想広げる隙間がなくなる感覚があって合ってた気がしたんだよね!
なかなか「その域には辿り着けないかも…」っていう考え方もあったけど笑
理解できるところだけ吸収しよう、っていうくらいの心持ちで読んでみてもいいかも!気になったらぜひ〜
→声優になるまで、と声優になってから、どっちが大変?という質問に答えます
読んでくれてありがとうございました!
ではっ
やっほい!声優ブロガーの幸田夢波です!