先日質問箱でこんな質問をいただきました!

この類の質問ものすごく多いです!
確かに最近のアニメを見ていると「ザ・アニメ声」という感じの可愛い声、イケボが多く聞こえてきますが
最初からアニメ声を出そうとするのはおすすめしないです…!
養成所でアニメ声のレッスンをしない理由
声優の養成所や専門学校ではアニメ声を出すレッスンをやりません。
少なくとも私が知っているところでは、アニメ声の出し方をレクチャーするような授業はありません。
でも授業を受ける側としてはきっと「アニメ声をもっと出せるようになりたい」というのがあるのだと思います。
ではなぜアニメ声のレッスンがないのかというと、
アニメ声はものすごく喉の負担になるからです。

声帯の形というのは人それぞれ違って、それぞれが出しやすい音、声音があります。
みんな違う楽器を持っている、という感じです。
でもそれを加工して出すのがアニメ声なので、負担がかかるのは当たり前のことなんですよね。
喉に負担をかけない正しい発声や呼吸法が身についていないままにアニメ声を出そうとすると喉を痛めます。
喉は見えないところで、実は炎症が起きていても痛くならないことも結構あります。
そんな状態が続くと喉にコブのようなもの(結節)ができて、声がかすれたり出にくくなり、
最悪の場合、手術をしてそのコブを取らなくてはいけないという事態になりかねません。

つまりアニメ声の出し方を練習する前に、発声方法や呼吸法、筋トレなどの体作りをまず先にやらなきゃいけないんです。
アニメ声出したいっていう気持ちはすごくわかるけど、
運動部でも走りこみや筋トレなどの地味な運動やったりするのと一緒で、最初からテクニカルな難しいことをやってもだめ、ということ。
普段運動してない人が突然マラソンやりはじめたらどっか痛めちゃいますよね。
ちなみに言うと、アニメ声を出すのも喉に負担かかりますがアニメ声でキャラソン歌のもめっちゃ喉に負担かかります。
ちゃんと発声方法を身につけて、喉のトレーニングをしっかりした上で挑戦してね!笑
しっかりとした発声方法が身についていれば、アニメ声で喉を痛めることもあまりありません。
まずは自分の声を知ることが大事
アニメ声が求められる現場ももちろんあるけど、まずは自分が一番楽に出せて、個性としての武器にもなる、自分の地声を磨くことが大事だと私は思っています。
声帯の形はみんな違う、というお話を先ほどしましたが、つまりそれは「みんな生れながらにして声に個性を持っている」ということです。
「変な声ではないし、自分の声にはあまり個性がない」と思っている人もいるかもしれません。
実は私もそんな風に悩んだことがあります笑
でも声に個性がないのなら、その「個性がない」ということがもう個性なんです。
アニメはもちろん、吹き替えやナレーションなど声優の活躍の場はたくさんあって
個性がない声が求められるシーンもあります。
変わった声だらけ、アニメ声と言われる萌えボイス、イケボだらけの作品ばかりではありません。
通りすがりの人の役だってあるし、主人公だって声の癖が強くない方が逆に聴きやすい場合もあります。
アニメばかり見ていると高くて可愛い声の女性声優に憧れるかもしれませんが、公共ラジオなんかでは低くて落ち着いた女性がパーソナリティをつとめることも多いです。
自分の声はどの声なのか?
その声が活かせるのはどんなシーンなのか?
まずはそれを研究していくと、自分がどう勝負していけるかが見えてくるんじゃないかなと思います。
自分の声がよくわからない、という人はあくびをした時に声を出してみてください。
あくびしている時は一番喉に力が入っていないので、もっとも地声に近い声が出ると言われています〜
自分でよくわからない場合は録音しておくのもおすすめ^^
アニメ声にも色々ある
でもやっぱりアニメ声出せるようになりたいですよね!笑
ということでアニメ声を練習するなら、まずは「こういうアニメ声を出したい!」という目標となるアニメ声を探し、それを真似するところから始めると良いです。
英単語のように、聞いてすぐリピートが一番よくて
アニメ見ながら「このアニメ声素敵!」と思ったらそれをすかさず自分で声にしてみる、というのをやってみるのがおすすめ。
聞いたものをすぐに真似する場合は声帯の開き具合なども真似しやすいです。
もちろん声真似をするのが声優ではないので、声真似で勝負していくことができるわけではないけど
モノマネから入るのはとても良い練習になると思います!
アニメ声の練習をした後はきちんと喉を休ませてあげてくださいね!
読んでくれてありがとうございました!
ではっ