声優業界のあり方、声優の働き方は今、過渡期を迎えているのではないかな、と私は思っています。
世界単位で見ても加速度的にデジタル化が進み、
声優業界の働き方は今までも大きな進化をしてきましたが、これからはもっと大きな変化の波がやってくると思っています。
その波を少しずつ今感じているところです。
これから声優業界の未来はどうなっていくのか。
今回はそんな話をしてみたいと思います。
自宅で完結する声優の仕事
声優の仕事はクライアントから仕事がきて、
収録当日までに台本や資料VTRを見て練習をし、
スタジオに直接出向いて、スタジオで収録をし、仕事が完了する。
それが往来の流れでした。
しかし、最近では自宅で完結することができる仕事が増えています。
主にナレーションの仕事です。
宅録環境(自宅で音声収録をすることができる環境)があれば、
ナレーションの仕事は自宅で完結することができるように最近はどんどんなってきています。
もちろんスタジオで収録をするよりは音質が劣る場合もありますし、
ミキサーさんがいない分、自分で録音してそれを編集しなくてはいけない、という手間はありますが
フリーランスの声優さんは特に、多くの方がこの宅録機材を持っています。
私もこの宅録機材は揃えました。
台本や資料VTRも、今までは事務所のスタッフさんが制作会社まで受け取りに行ってくださっていましたが
それもデータで飛んでくるようになりました。
まだまだ尺の長い仕事だと、端末を台本代わりに持つ、というのは無理がありますが
ゲームやナレーションなどの一人収録の現場だと端末に台本をダウンロードしておくというのでも結構いけるようになってきたと思います。
私もゲームの現場でタブレットを持って入ったことがあります。
紙の台本になれている分緊張しましたが笑
ただ、ネット上で完結する仕事については
事務所に所属していない声優さんが趣味でネット上で声優の仕事を受けたりするネット声優というものが最近流行っているそうなので
単価はプロとして正規の値段を吟味して提示する必要はありそうです。
そもそも声優のギャラの相場があまり認知されていないのも問題なのかなと思いますが、
安すぎる仕事を受けるのはのちのち自分の首を締めることになるので
お仕事を受ける時は条件はきちんと考えた方がいいです。
海外でもできる声優の仕事
実は海外でも日本の声優の仕事ができるようになっているそうです。
先ほど話したようなナレーションの仕事であれば、
一人で収録する仕事なので、機材があり、インターネット環境があれば世界中どこにいても仕事をすることができます。
さらに、大勢で一緒に収録をする吹き替えの仕事でも
海外にいながら、ネット上のビデオ通話などを駆使して、海外のスタジオと日本のスタジオをつなぎ収録をする、ということが実際あったそうです。
もちろん「海外にいてもその声優さんがいい」というほどその声優さんが人気だからこそ、という理由もあるのですが笑
そして現状の技術だと、やはり通信に多少のタイムラグがあったり、
セリフを同録したい場合などはどうしても無理があります。
編集もちょっと大変になってしまいます。
とはいえ、現状の技術でも可能なんだなぁと驚きました。
私が声優事務所を退所しフリーランスになった理由の一つとして
海外に行きたかった、というものが実はあります。
海外にいながらでも日本の仕事ができる、というのは素敵ですよね。
AR/VRで変わる?声優業界の未来
拡張現実、仮想現実という言葉もよく耳にするようになりましたが、
これがもっと進んでいくと、声優の仕事の仕方もガラッと変わってくる未来がくるのではないかなと私は思っています。
今はスタジオに声優が集結して収録をしますが、
みんながアバターを通して仮想空間に集まり収録をする、ということも近い将来可能になってくるのではないかな、なんてことを考えています。
もちろんそれぞれの録音機材なんかもしっかり揃える必要がありますし
まだまだ課題はたくさんあるのですが、
今でもすでに仮想空間に集まってチャットをする、ということが可能になってきているわけであって
その技術は加速度的に進んで行っているわけですから、働き方が変わる未来も近いのではないかと思うんです。
そうすれば地方に住んでいても声優になれるチャンスが増えるかもしれません。
場所や時間に縛られない仕事の仕方がどんどんできるようになっていくと思います。
声優の仕事だけでなく、いろいろな仕事がこれからどんどんやり方が変わっていく時だと思います。
それを楽しみながら、新しいことに挑戦していけるといいですね。
未来が楽しみです。
読んでくれてありがとうございました。
では。