声優になりたいという人はもちろん、
声優に仕事を依頼するクライアントさん側も声優のギャラの相場を知りたい、という人はたくさんいるでしょう。
実際のところ、声優の仕事のギャラというのは毎回交渉で成り立っているものでもあり、確実なギャラの相場があるわけではありません。
この仕事のギャラはいくら、というのが明確に決まっているわけではないんです。
ここがやっかいなところなんですが、
今回はあくまで参考として、新人声優のギャラの相場を基準にお話してみたいと思います。
コンテンツによって異なるギャラ相場
声優のギャラは出来上がるもの、つまりコンテンツによってかなり異なります。
また、コンテンツ以外に声優のランクによってもギャラの相場は異なります。
ランク、というのは声優としてどれくらいキャリアがあるのか、どれくらい売れてるのか、という一種の指標になるものです。
今回は新人声優の場合のギャラを基準にご説明します。
アニメ・吹き替え

アニメや洋画の吹き替えに関しては新人声優のギャラは1本15,000円、というのがギャラの相場です。
これはセリフ数や拘束時間には左右されません。
何ワードセリフがあっても15,000円です。
なので、めちゃくちゃセリフがある主人公でも、小さい息一つしかセリフがなくてもギャラは15,000円なんです。
面白いですよね。
だからセリフが少ない人はアフレコ現場で「お前今日GD(ギャラドロボウ)だな!」なんて言われたりします笑
アニメの場合は1話に対して拘束時間が3〜5時間くらいです。
吹き替えの仕事の場合は1時間もののドラマだと1日に2本や3本録りをしたりする場合が多く、1日拘束されることが多いです。
映画の場合は1本で1日拘束、みたいな感じですね。
時間でいうと休憩を含めて7〜10時間くらいでしょうか。
時間が押す時はもっと長くかかる時ももちろんあります。
ゲーム

ゲームはワード数に左右されます。
基本的にはアニメ・吹き替えの仕事よりは少し高めで、
ワード数が15ワードくらいでも20,000〜30,000円くらいがギャラの相場になります。
300ワードくらいあると50,000円くらいがギャラの相場ですね。
アプリゲームでも同じです。

こういう質問もいただきましたが、基本的にはワード数での判断になるので、
レアリティーが違うキャラクターでもギャラは変わりません。
どれくらいレアなキャラなのか、という情報は頂ける場合が多いですが、演じる上ではあまりそこは関係ないように思います。
ラジオ

ラジオの仕事はアニメ・吹き替えの仕事より少しギャラが安いことが多く、
相場でいうと1本あたり5,000円〜10,000円くらいのことが多いです。
アニメのタイアップなどのネットラジオだとアニメと単価が同じで15,000円のこともあります。
基本的にラジオは広告収入で儲けているので、ネットラジオなんかはコンテンツとのタイアップみたいなことが多いです。
公共のラジオの場合は番組にスポンサーなどがついていてそこからギャラが出るような形です。
→ラジオをやりたい!と思ったら誰でもできる時代。その方法とは?
パチンコ

パチンコのギャラは結構良いことが多いです。
15ワードくらいでも50,000円くらいいったりします。
ただ仕事の内容としては他の仕事より尺がぴったり合っていないといけないので
かなり技術的な要求が高くなる仕事だと思います。
CMナレーション

CMのナレーションもかなり単価が高いです。
基本的に新人声優でもギャラは100,000円〜300,000円が相場のようです。
ただ、CMに関しては放送地域や流れるテレビ局によっても内容がかなり異なるので、
ものによっては1本50,000円くらいのギャラだったりすることもあります。
それにしてもCMは基本的に15秒なので数時間もあれば録り終わってしまいます。
むしろ1時間以内に終わることもあります。
割の良い仕事ですね。
かなり有名な声優さんにお願いするとギャラが1,000,000円、なんてこともあります。
夢のあるお仕事です。笑
大御所声優さんのギャラは事務所はご本人との直接交渉で値段が決まります。
そもそも大御所の方はランク外、という括りで、
仕事がくるたびにギャラ交渉している、という方も多いです。
ギャラは声優のランクによってもまちまち
今回は新人声優を基準にギャラの相場を紹介してみましたが、
ランクがついている声優(デビューしてから3年が目安)はこのギャラの2〜3倍くらいが相場です。
またそれ以上の方だと直接交渉になります。
先ほどお話したランク外、というやつです。
声優のランクによってギャラはまちまちなんです。
私も今はフリーなのでお仕事の内容も様々ですし
都度都度ご相談させていただく、という形をとっています。
本当はお仕事をいただける場があるだけでも嬉しいことなのですが、自分の仕事のスタイルを守っていくためにも、
また後輩声優の仕事を守っていくためにも、自分の技術に見合うギャラを頂戴するのは大切な事だと思っています。
お金の交渉するのって結構難しいんですけどね。
でも大切なことです。
ギャラ無料には注意
声優として仕事をしている人がたくさんいる中で、声の仕事を「無料」で引き受けている方も実はたくさんいます。
声優としての仕事が欲しいあまり、出演できるなら無料でもなんでもいい、仕事がしたい、という人が増えてきてしまっているのが現状なんですね。
声優は仕事をする上で最低コストがかかる仕事ではありません。
技術職なので、声とテクニックで商売をしているわけです。
つまり「無料でやります」と言ったら無料でできてしまうのが声優の仕事なんです。
しかしこれには起用する側も起用される側にも問題点はありますね。
ギャラなしで声優起用
クライアント側はできる限りコストを抑えてコンテンツを作りたい、というのが根底にあることは承知しています。
しかしギャラを声優に支払わない、ということは「ボランティアをしてくれ」ということです。
それを引き受ける声優がいたとしても、クオリティは明らかに下がるでしょうし、
ギャラを払わない、ということは「相手に何も期待しない」というスタンスでいて欲しいと私は思っています。
「技術に対してお金が払われない」ということはその声優さんにとって利益がない、ということと同じです。タダ働きです。
中には「良い経験ができるからいいだろう」とおっしゃる方もいるかと思いますが、それはただの押し付けです。
そこにお金以外のメリット、
例えば目玉となる経歴になる、とかだったらいいんですけどね。
幸田夢波のお仕事のお問い合わせは下記フォームよりお願いいたします。
読んでくれてありがとうございました!
ではっ