声優さんがよく「事務所の移籍」をしますよね。
お世話になった〇〇事務所を退所し、○日付けで〇〇事務所にお世話になることになりました!ってやつ!
最近は特に昔に比べて声優の事務所移籍、って多くなったような気がします。
でもどうして移籍するのか、声優事務所と声優の関係ってどんななのか?
そういうことってなかなか表に出ることのない情報ですよね。
声優はなんで声優事務所を移籍するのか、ということを踏まえつつ話してみたいと思います!
もくじ
声優事務所と声優の関係
声優は
- 声優事務所に所属して仕事
- フリーランスとして個人で仕事
このどちらかのパターンで仕事をしています。
フリーで声優をやるのと事務所に所属して声優やるのでは全然仕事内容が変わってきます。
ちなみに私は以前は事務所所属していたけど、今はフリーです!
それぞれに良さと悪さがあるんじゃないかと思いますが、事務所もフリーも経験して思うのは、どちらがいいというのではなく、
どちらがその人の性格に合ってるか、なんじゃないかなぁ。
声優事務所に所属していたとしても扱いは個人事業主、つまりその人個人が社長、になるので
事務所との関係は事務所が雇用主で声優が雇用されている、という図ではありません。
声優事務所は声優と契約して共闘関係にいるわけです。
ビジネスパートナーってことですね。
声優事務所はそれぞれに契約内容が違って、声優さんは所属する声優事務所によって、仕事をする上での環境が変わってきます。
でもそういう事務所ごとの決まりごと(ギャラの歩合とかやっちゃいけないことととか諸々)ってどうしても入ってみないとよくわかならいところがあって
事務所を移籍する時は他の事務所に所属している声優さんや他の事務所のスタッフさんと話して
内事情を聞いて「そっちの声優事務所の方がいいな!」と思ったら移籍する、みたいなことが多いです。
事務所を移籍すると何が変わるか
じゃぁ声優事務所に移籍したら何が変わるの?ってことを話してみますね〜
今回お話しするのは声優事務所から違う声優事務所に移籍した場合の話です。
事務所スタッフが変わる
当たり前ですが事務所を移籍すると仕事の管理をしてくれる事務所スタッフが変わります。
- 仕事の現場でお世話になる事務所マネージャーさん
- スケジュールなどの連絡をくれる事務所デスクさん
こんな人たちが主に仕事をする上で連絡をとりあったり、仕事のいろいろを支えてくれる方達ですが、その方達が変わるわけですね。
もちろんですが、事務所スタッフさんと合わなくて事務所を移籍する声優さんもいます。
台本の受け取りやスケジュール連絡などは頻繁に事務所とやりとりするわけですから
そこで人間関係が上手くいかないと精神的にやっぱり辛いですからね。
楽しい仕事をするためには、一緒に仕事をする人が好きであること!
これは必須条件だと私は思っています。
ギャラのマージンが変わる
事務所が変わればギャラのマージンも変わります。
声優のギャラのマージンは事務所によって違うんですよね。
あと、事務所の中でも、所属や準所属、預かり所属などのいわゆる声優の階級みたいなものがあります。
所属の仕方によってもマージンは変わります。
正所属目指して頑張るしかない…
事務所によって結構変わる部分でもあります。
ギャラの歩合に納得できないから別の事務所に移籍、ということもあるでしょう。
経験が浅い新人声優さんとかは事務所のとうまく話し合いができなくて、不満はあれど、移籍できるような声優じゃないから、マージンは結構な割合でとられてても従うしかない、みたいなことも結構あります。
そういうのもどうかと思うんだけど、マージンたくさんとられちゃって仕事をもらえるならいい、
みたいな考えになっちゃうくらい今は声優が需要に対して供給過多すぎるんですよね。
中には事務所関連の仕事をタダ同然で請け負っている声優さんだっています。
こういう話を聞くとびっくりしちゃうけど、結構あるあるな話なんですよね…新人のうちはプロモーションでしょ、みたいな感じ。
いやでも結局プロモーションして、まずは知ってもらわないと次の仕事に繋がっていかないから大事なんだけどね!
そのために事務所もすごい営業してくれてるから、先行投資っちゃ先行投資です。
ただその塩梅がすごい難しくて、ずっと安い料金や無料で起用され続けても自分が仕事を続けられなくなっちゃうし、でも新人のうちってなかなか意見するのも難しいし…
嫌われちゃったら仕事こないかも、って誰でも思っちゃうから。
なるべく自分の考えていることを言える事務所で、
事務所側もプロモーションの方向性について話しててくれるようなところだといいですよね。
コミュニケーション大事。
仕事が少し変わる場合がある
事務所によって取りやすい仕事というものがあります。
パイプというか、その事務所と仲の良いクライアントさんがいる、みたいな感じ!
その人個人ではなく、事務所に回ってきた仕事をその人が事務所にもらっている場合は、移籍することによってその仕事がなくなる可能性があります。
もちろん移籍した先でも同じようにその事務所が持ってる仕事があるので、その部分は仕事が変わります。
大体その事務所の実績を調べれば外からみてもわかると思うんですが、事務所によってアニメが強い、だとか吹き替えが強い、だとかいろいろ特色があるんですよね。
どうして移籍するの?
仕事をする上でより良い環境で仕事をしたいから移籍する人がほとんどだと思います。
- より良いマージン
- より自分がやりたい仕事が多い事務所
- より自分に合うスタッフがいる事務所
- より自分の考え方に近い方向性の事務所
こんな感じです。
気持ちで言えば一般的な会社員の人が転職するのとあまり変わらないかな〜と思います。
今の仕事よりもっと条件や環境がいい仕事をやりたいと思って場所を変える、みたいなこと。
もちろん業界は狭いので、会社員さんの転職よりは気を遣うかもしれません笑
事務所の移籍をしても、現場で前の事務所のマネージャーさんと会う、ってこともありますからね。
良い事務所、悪い事務所、というよりも
そもそも自分で作った会社じゃない限り、どの事務所でも何かしらは思うところがあるものだと思っています。
昔先輩に
「どこの事務所に入ったって何かしら欠点はあるけど、どの欠点が自分に合うかってとこじゃないかな」
と言われて妙に納得したことがありました。
これは養成所でも同じことが言えて、よくネットで「養成所 評判」みたいなことを調べる人がいますが、
評判なんて実は当てにならなくて、入ったら何かしらの不満はやっぱり出てくると思います。
事務所に関する相談は本当に多いんですけど、合わないところが出てくるのは仕方ないと思った方がいいかな〜なんて思っています。
それを許容できるかどうか、って感じかなぁ、と。
移籍する大変さ
とはいっても事務所を移籍するのは結構大変です。
所属する時の契約で「事務所を辞めたあと一定期間他の事務所に所属してはいけない」みたいな内容を交わしていることもあります。
これ結構意地悪だな〜と思っちゃうんですが、事務所と事務所は競合他社なわけですからまぁしょうがないっちゃしょうがないんですかね…
あと移籍したいと思っても受け入れ先が必ずあるとは限らないし、それを自分で探していかなくてはいけません。
しかもあまり経歴がない場合は移籍なんてさせてもらえない…
事務所側の立場になって考えてみたらわかると思うんですが、
その人の移籍を受け入れて得になることがあるか、というポイントで事務所は考えているわけです。
有名な声優さんが移籍してくるなら、事務所としても仕事が増えるだろうからいいんですが、あんまり経歴がないような声優さんの移籍を受け入れても所属声優が無駄に増えてしまうだけなんです。
だからすごい出演履歴がある、だとか、レギュラーの仕事を抱えてる、だとかそういうお土産的なものがないとなかなか移籍ってできないんですよね…
もちろんこれは仕事面だけの話であって、スタッフさんと意気投合して移籍する、とかもありますけどね!
増えている気がする事務所移籍
移籍についていろいろ語ってみましたがいかがだったでしょうか…!
近年はやっぱり事務所移籍が増えているような気がします。
より個人プレーヤーも増えてきた印象。
これは声優だけでなく、社会的風潮なのかもしれませんね!
転職やフリーランス、なんて言葉が一般的にも増えた気がするし。
所属とフリーどっちがいいかは本当にその人次第ですが、
仕事を常に自分にとって一層やりやすいものにしたい、と強く考えて仕事をしているのが声優です。
声優以外の仕事をしてさらに自分のフィールドを広げている方もたくさんいらっしゃいます。
読んでくれてありがとうございました!
ではっ
やっほい!声優ブロガーの幸田夢波です!