声優になりたいと思っている人が多く、また声優として活動している人もたくさん増えてきている中、
実際声優ってどんな流れで給料をもらっていて、その内容はどういう感じなのか、ということが気になる人も多いと思います。
今回は声優の給料の内容や仕組みについてお話してみたいと思います。
完全歩合制
声優は声優事務所に所属している場合でも給料は完全に歩合制です。
どれくらい仕事をしたのか、ということで給料の高さが決まってきます。
会社勤めのように毎月決まったお給料をもらうことはできません。
会社に勤める場合は勤務時間が決まっていて決まった内容の仕事をしますが
声優は仕事がある時ない時の差が激しいのでこれは当たり前といえば当たり前のことです。
新人声優の場合は月に1本も仕事がない、なんてこともよくあることで、
その場合は給料は0円です。
多くの人が副業をやったりアルバイトをして生計を立てています。
声優の仕事だけで食べていくことができる人は声優として活動している人の中でもほんの一握りです。
給料の内訳
新人声優の場合は仕事1本のギャラ相場は15,000円です。
そこから源泉徴収と事務所のマージンが引かれます。
事務所との取り分は8:2もしくは7:3のところが多いですが、中には6:4や5:5にしているところもあります。
なので15,000円の仕事をしても声優本人の手取りは8,000円〜10,000円程。
アニメの収録は3時間〜5時間程度で終わるものがほとんどですが、
収録に5時間かかっていて手取りが8,000円の仕事なら単純計算時給1,600円の仕事になります。
正直時給の高いバイトをしていればそちらの方が儲かります。
しかもこれは実働時間が5時間なだけであって、声優は収録本番までに台本とVTRを貰って家で散々練習してから本番に臨みます。
台本が真っ黒になるほど書き込みをしてきている声優さんもたくさんいらっしゃいます。
家でチェックするのに最低でも1時間程度はかかるでしょう。
中には何時間もやりこむ人もいます。
そう思うと本当に「好きじゃないとできない仕事」だと思います。
給料の振込み時期について
声優業界の仕事の流れは
- クライアントから依頼
- 金額交渉、成立
- 収録
- 請求書の送付
- クライアントから振込
という流れになっています。
最初に金額の交渉はしますが、実は仕事自体はお金が支払われる前に行われます。
さらにこちらから請求書を送付しないとギャラが振り込まれません。
これは声優事務所に所属している場合は事務所のデスクさんやスタッフさんが代行してくださいます。
フリーランスの場合はこちらから請求書を送付する必要があります。
たまに請求し忘れで仕事をしたのに振り込まれていなかったり、クライアントがお金を払ってくれないままばっくれてしまう、ということもあるます。
なのでクライアントとはしっかり信頼関係を築かなくてはいけませんし、
明細もきちんと毎月照らしあわせる必要があります。
しかし請求してからお金がすぐ振り込まれるわけではありません。
そこにはタイムラグがあります。
事務所に所属していれば、事務所が立て替えてくれて
仕事をしてからだいたい2ヶ月後に声優本人に振り込まれる、という仕組みになっているところが多いです。
クライアントからお金がまだ振り込まれていなくても事務所が払ってくれる、ということ。
これがマージンを渡して給料の保証してもらってることでもあると思います。
ただ仕事によっては金額があらかじめ決まっていない仕事もあります。
映像や音楽の仕事など、どれくらいその作品が売れるかでギャラが変動する仕事もあるのです。
そういうギャラは1年越しで支払われたりするものもあります。
仕事してすぐにお給料をもらえるわけではない。
これがまた声優の仕事の辛いところでもあります。
仕事の忙しい月はバイトをすることができないのに、その忙しかった分のギャラが振り込まれるのは2ヶ月後だから
その次の月の生活が厳しくなる、とか。
よくあることです。
フリーランスの場合は、クライアントからギャラが支払われないと
ずっとギャラをもらうことができず、その場合は自分でクライアントに催促しなくてはいけないし
ギャラ未払いで逃げられちゃう、ということもあります。
事務所に所属してるとそういうところを守ってもらえる、というメリットがあります。
→フリーランスでギャラの未払い、ってよくある事。回避する為には?
扱いは個人事業主
声優の扱いは声優事務所に所属していても個人事業主になります。
なので確定申告は自分でやります。
青色申告になるので節税対策はいろいろできます。
- 交通費
- 衣装代
- 資料代(原作を購入するお金)
- 食事代
みたいなものが経費として認められるんですね。
でもたまに勘違いしている人いますが、これは経費だから安くなる、というわけではなく
ちょっとだけ税金が還ってくるよ、というだけのお話です。
そもそも声優は交通費や衣装代が自腹なので出費も多いんです。
しかも青色申告するには帳簿もつけなくてはいけないですし、事務作業もとても多いです。
私はフリーランスになってからはクラウド会計ソフトのfreee(フリー) を使っています。クレカや口座などを登録できるのでとても楽。
多くの声優がバイトしてる
ほとんどの声優さんがバイトしながら声優業をやっています。
声優の仕事だけで食べていく、というのはとても難しいことなんです。
事務所に所属していたらマージンもとられてしまうのでどうにも手取りはなかなか上がらないですしね。
今回は声優の給料事情についてお話しました。
競争率が厳しいだけでなく、それに伴ってギャラ事情も厳しくなっているのが今の声優業界です。
読んでくれてありがとうございました!
ではっ