声優の仕事にもいろいろな種類があります。
今大きく取り上げられやすいのはアニメの仕事だと思いますが、その他にも
- 吹き替え
- ゲーム
- パチンコ
- ナレーション
- ボイスオーバー
などなど、いろいろな仕事があるんですね。
その中でも今回はゲームの仕事について、その特殊性と面白さを少し紹介してみたいと思います。
ゲームにも色々ある
一口にゲームの仕事といってもそれも色々あります。
ゲームの種類によっても少し仕事の仕方が変わるのでそれぞれお話してみます。
アプリゲーム
アプリゲームの場合はたくさんキャラクターが登場するうちの一人、みたいなことが多いので
ワード数もあまり多くない作品が最近は多くなってきていると感じます。
ガチャでキャラクターがいっぱい出てくるようなアプリゲームの場合は兼ね役をたくさんやることもあります。
2〜3役くらいやるいことが多いですね。
特にレア度でギャラが変わったりすることはなく、
ギャラはワード数換算のことが多いです。
キャラクターの作り方としてはアニメと似ているところが多いですが
アニメほどキャラクターのストーリーや詳細がないことが多いので、自分でキャラクターを構築しなくてはいけない部分が大きいです。
必然的に練習量も多くなります。
海外ゲーム
海外ゲームの吹き替えの仕事もあります。
これはすでに海外の声優さんの声が収録されているデータがあるので
それを聞きながら、ニュアンスと尺(セリフの時間的長さ)を合わせていく作業になります。
抑揚や言い回しを極力オリジナルに近づけて欲しい、というディレクションが入ることも多いので
演じる、ということとプラスしてモノマネの要素があるように私は感じています。
音声データは前もって貰えることもありますが稀で、
基本的にはスタジオに行ってその場で聞いて聞いた直後に演じる、という形が多いです。
聞いたものをすぐに自分の作ってきたキャラと合わせてコピーして表現する、という流れになるので
かなり集中力が必要です。
役作りとしては吹き替えと似たものがあるかもしれませんが、
ゲームの場合は世界観がかなり強いものもあるので、その世界観に合わせた役作りになります。
こちらもモブキャラの場合は相当キャラクター情報が少ないので役作りが難しいです。
オンラインゲーム
オンラインゲームの収録も結構変わっていて、
オンラインの場合はセリフよりも動作のための声を収録することが多いです。
声優業界ではアドリブ、と呼ばれるものですね。
- ジャンプする息
- 攻撃する声
- 泳ぐ声
- 物を運ぶ声
などなど。
セリフにはなっていなくて、完全に声として表現するものです。
もちろんセリフがあるものもありますが、
こういった声しか収録しない、という作品もあります。
なかなか難しいですが、想像力が掻き立てられて結構面白いです。
一人収録
ゲームの場合は一人で収録することがほとんどです。
収録スタジオも小さめのところが多く、
アニメや吹き替えの現場ではマイクが3、4本立てられていて、セリフがある人が入れ替わり立ち替りマイクを使うのですが、
ゲームの場合はマイクは一つしかなく、座ったまま収録することが多いです。
この一人収録が続くとちょっと寂しく感じる時もあります笑
ゲームではキャラクター同士が掛け合ったり、セリフをかぶらせる必要がないので一人一人で収録することができるんですね。
なのでアニメや吹き替えの収録に比べると収録自体も早く終わることが多いです。
もちろんワード数にはよりますが。
ナレーションの仕事なんかも一人収録です。
尺が厳しい
ゲームの仕事はとても尺が厳しいです。
コンマ何秒を直すためにリテイクになったりすることもよくあることで、
やはりアクションと一緒に音声が再生されるので、少しでもズレると変に見えてしまうんですね。
なのでかなり尺が厳しいです。
吹き替えのゲームなんかは収録するブースの中にディスプレイが設置してあって、
オリジナル音源の音声波形を見ながら、それにかぶせるような形で収録することが多く、
自分の音声波形も見ることができるので、こちらも尺を合わせやすくなっています。
ただ、アクションに音声がつくものでないもの、
例えばガチャ登場の時につく音声だとか、ストーリーとして必要な音声なんかは、
静止画に音を当てるのと同じなので尺を気にしなくて良い物もあります。
どちらにせよ尺感覚がないといつかは困ると思うので
自分セリフを少し短く、あるいは少し長く喋る、という感覚的なことができるようになっておいたほうがゲームの収録では困らないと思います。
休む暇がない
ゲームは一人収録なので、休む暇があまりありません。
疲れた時はこちらから休憩させてください、と言うことはもちろんできますし
収録を進める中で「休憩とりますか?」と気を遣ってくださるスタッフの方は多いですが、
まとまった時間一人でセリフを喋り続けなくてはいけないので喉は強くないと辛いです。
特にアクションシーンのセリフが多いゲームなんかは叫んだり、攻撃を受けた時の悲鳴などのセリフが多いので
普通のセリフよりも喉を酷使するんですね。
普段から喉は鍛えておかないと厳しいです。
職人色が強いゲームの収録
声優のゲームの仕事についてお話してみました。
ゲームの仕事は結構技術的なものが必要になってくる仕事だと私は思っています。
また、オンラインゲームやPCゲーム、アプリゲームなど種類がたくさんあり
その種類によって世界観や雰囲気も違うので、普段からゲームをやる人じゃないと想像しにくい部分もあるのかなぁと思います。
ゲームの仕事をやりたいと思っている人はいろんな媒体のゲームをプレイして、それぞれの特徴について学んでおくといいかもしれません。
結構職人色が出る仕事だと思うので私はゲームの仕事大好きです。
読んでくれてありがとうございました。
では。