声優がキャラクターや役に声を当てることをアフレコ、と言います。
そのアフレコの練習方法なんですが、実は結構人それぞれで、声優さんによって結構違ったりします。
アフレコの練習ってどうやるのか?
私のやり方ですが、アフレコ練習のやり方を紹介してみたいと思います。
アフレコ練習で使うもの
まず、アフレコの練習で使うのは
- 台本
- V
です。
Vというのは動画素材のことで大体はDVDで貰えます。
吹き替えの場合は映画素材がもうできているのでそれにタイムコード(今何時間何分何秒目です、というのがわかるやつ)が表記されているものをもらえます。
吹き替えのVは原音(映画そのものについている音)付きです。
アニメの場合は画が出来上がってないことがほとんどなので線画中心のカクカクした映像で、
口の動きも付いてないことが多いです。
アニメのVは基本的には無音です。
いつキャラクターが喋っているのかはボールドというもので判断します。
ボールドは「今このキャラクターが喋ってますよー」というのをお知らせしてくれる表記です
これらがV、と呼ばれるものですね。
お仕事が決まると、収録までに台本とVをもらうことができます。
声優事務所に所属している場合は事務所スタッフの方がこれらを制作会社にピックアップしに行ってくれますが
フリーで声優をやっている場合は制作会社にこれらを自分でピックアップしに行く必要があります。
基本的に台本とVを貰ってからアフレコまではあまり時間がありません。
アニメのアフレコだったりすると特に制作にかなり時間がない中で制作が進行しているので
台本とVを貰えるのがアフレコの前日、なんてこともまぁまぁあります。
そして、もらうVも普通にパソコンで焼き増ししたものなので
自宅のパソコンで見られない!だとか、DVDの一部が飛んじゃってる!といった恐ろしい事態もあります。
なので台本とVをもらったら早急にチェックをする必要があるんですね。
お仕事が1本ならそれに集中することができても、
複数本抱えるようになると本当に慌ただしい毎日です。
台本の練習
台本には
- キャラクターのセリフ
- ト書き(画の説明)
が書かれています。
とりあえず台本の練習の段階では、台本を一通り全部読んで
自分の役が喋ってるところ、またト書きで自分のキャラクターが出てくるところにはチェックを入れておきます。
特に自分が喋るセリフは、
- どこでブレスをするか
- 読めない漢字はないか
- イントネーションのわからない漢字はないか
みたいなことをチェックしておきます。
Vの練習
台本のチェックが終わったら次はVを見ながら練習します。
ただこれは私のやり方であって、台本とVを同時進行でやる人もいますし、
V見つつ台本の書き込みはあと、という方もいらっしゃいます。
Vにはタイムコードがついているので自分のキャラクターが喋り出すタイミングを数字で把握することができます。
なのでVで自分のキャラクターが喋り出すタイミングのタイムを調べておいて、台本に書き込んでおく、という作業をします。
またVを見ると、台本のセリフやト書きでは書かれていなかった自分のキャラクターの動きがわかることがあるのでそれも台本に書き込んでおきます。
セリフにはならないけど音をつけた方がいいんじゃないかな、というところもあるので。
自分のセリフをさらえたら、実際にVを流しながらセリフやアドリブを喋ってみる練習をします。
これによって、セリフの尺とセリフを言う速さを微調整します。
ちょっとゆっくりめに言った方がいいセリフなのか、巻きで言った方がいいセリフなのか、みたいなことです。
アフレコ練習で困ること
アフレコ練習で困ることはやはりなんと言っても「声」ですね。
声を出す練習をしておかないとやっぱり現場で初めてセリフを喋る、というのは怖いです。
でも例えば逃げたり叫んだり襲ったり、みたいなシーンの練習を本意気でやってしまうと
なかなかの防音施設じゃない限り声がだだ漏れになってしまうんですね。
泥棒の役を家でアフレコ練習していたら実際にお家に警察がきてしまった、なんて話も声優業界では結構あるあるです。笑
近所の方が通報しちゃったんでしょうね。
それでもやっぱり声は出しておきたいので私はタオルを口元に当てたりなんかして工夫していますが、
もらえる素材は守秘義務があるものなので外では出せないですし、家でもなかなか練習するのも近所に気を遣ったりして難しいのです。
生活リズム的に言うとやっぱり声優さんは深夜帯の方がゆっくり時間が取れることが多いんですが、
練習を深夜にやるわけにもいかなかったり…
声優みんながみんな儲かっているわけではないので、結構安いアパートとかに住んでたらそれこそ声がまる聞こえになってしまいますしね。
中にはもう家では一切声を出さない、という玄人もいます。笑
それで本番うまくいくならそれでもいいんですけどね。
そういう理由もあって家選びは結構大変です。
防音環境を自分で作っている人もいます。
仕事も大変だけど練習も大変
ということで今回は声優のアフレコ練習についてご紹介してみました。
仕事自体ももちろん技術のいる仕事なので大変なのですが、実はアフレコの練習をするのもいろいろ気を遣って大変なのです。
実働時間で考えればまぁまぁ時給のいいバイトくらいの値段はもらえますが、こういった練習の時間も含めると実はかなり薄給なのです。
読んでくれてありがとうございました。
では。