少しいやらしいタイトルになってしまいましたが、
仕事を時給換算で考える、というのは大切な感覚だなと私は思っています。
時間というのは唯一誰にでも平等に訪れ、誰もが同じように消費するものだと思っていて
自分の1時間の価値がどれくらいなのか、ということを考えるのに時給換算が役立ちます。
例えばどこかの会社に就職して、毎月決まったお給料をもらうことができるのであれば
こういった時給換算で自分の1時間あたりの価値を考える、なんてことはしなくてもいいと思うんですが
フリーランスだったり、成果報酬制の仕事をするのであれば、この考え方は絶対に持っていなければいけない考えだと思います。
もちろん声優も成果報酬制の仕事で、
仕事をしたらした分だけのギャラが支払われる、という仕組みになっています。
仕事をとれなければその月のお給料はありません。
さらに声優業界の流行は目まぐるしく変わるので、
コンスタントに仕事を取り続けるのが難しい業界でもあります。
だからこそ、自分の時給とかも意識せざるを得なくなるものなんですね。
ただ声優は仕事によってギャラの相場感が違うので、
お仕事の種類別に時給換算を少し考えていきたいと思います。
アニメ
アニメはセリフの数にかかわらず、1本いくら、という考え方でギャラが計算されます。
新人の場合は1本15,000円、というふうに決まっていて
そこから事務所にマージンを引かれて手元に残るお金が1万円前後、という感じですね。
収録時間は3時間〜5時間が普通で、
大御所でもない限り、自分の出番が終わっても収録時間は全部拘束されることになります。
むしろ新人の場合は突然端役を振ってもらえたり、
ガヤと呼ばれる大勢で収録する環境音のようなものも参加できるので
出番が終わっても収録に参加できるのはチャンスです。
しかし肝心なのはこの収録時間以外にも必要になる時間がある、ということ。
アニメの収録では
先に台本とVTRをもらうのが一般的で、
声優は収録前にこれをチェックして、練習をしてから収録に臨みます。
基本一通りは全部見るのでそこで30分。
さらに細かいことをチェックしたり、セリフが多い人はさらに時間がかかるので
30分尺のものでも大体1〜2時間くらいチェックに時間がかかります。
つまり全体で4時間〜7時間ほどは時間がかかる、という計算になります。
新人の場合は時給換算してみると
1300円〜2500円ほど、ということになります。
たぶんちょっと高いアルバイトの時給くらいですよね。
思っているよりももらってないな、という印象を受ける人がおおいのではないでしょうか?
吹き替え
吹き替えの場合はアニメに比べると尺が長くなるので
多少単価が高くなることもありますが、それでも新人の場合は2万円前後で
さらに、最近は月額課金制の動画配信サービスが増えたせいで、コンテンツ数がものすごく多くなっており
番組の予算がかなり少なくなっています。
それがギャラに響いてきていたりもして
拘束時間がアニメの倍以上あるのにギャラがアニメを変わらない、もしくはそれ以下、ということもあります。
2時間ものだと基本的に拘束時間は終日になり、
現場によっては朝10時から入って、お昼休憩を挟みつつも終電、もしくはそれ以上かかることもあります。
もちろん夕方くらいに終わる現場もあるので作品によってまちまちですが
こういった場合は、手元に残るお金で時給換算すると時給1000円を下ることもあります。
吹き替えの場合もアニメと同じで
収録時間以外にチェックの時間がかかりますからね。
ゲーム
ゲームの場合は一人で収録することが多く、
セリフ数によってギャラが変動したりします。
これはもう本当にゲームによるのでなんとも言えませんが、
一人で収録する分待ち時間がすくなく、
時給で換算するとかなり割が良いことが多いです。
時給で換算すると1時間で数十万円、ということが新人でもあります。
一生懸命練習してきたのに収録時間が10分程度で終わってしまう、ということもよくあることです。
楽しいからできる仕事
ということで今回は
- アニメ
- 吹き替え
- ゲーム
という3つの声優のお仕事に絞ってお話をしてみました。
時給換算するとなかなか厳しい面も見えてくると思います。
ただ、これくらいの時給でも、やっぱり仕事内容が自分にとってとても楽しいものなので
そういう意味で言えば割の良い仕事、と言えるのかもしれません笑
声優業界を目指す人には業界に入る前に知っておいて欲しいなと思うことです。
読んでくれてありがとうございました。
では。