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声優はどうして舞台役者をやるのか

声優さんの中には舞台役者として活躍されている方がたくさんいらっしゃいます。

 

私も声優業の傍ら舞台役者として舞台に出演させていただいたことが何度かあるのですが

やっぱり声優業でするお芝居と舞台役者としてするお芝居というのは全く違ってそれぞれに面白く、

一度舞台を始めると病み付きになってしまってやめられない、という人も多いんですね。

 

私も舞台でのお芝居も大好きです。

 

ではなぜ声優が舞台役者をやるのか。

今回はその理由について少し話してみたいと思います。

 

声優と舞台芝居の違い

 

そもそも声優と舞台芝居の違いはなんなのかというお話をまずしてみたいと思います。

 

同じお芝居に感じるかもしれませんが、これがかなり違うところがいっぱいあるんです。

 

芝居で使うところが違う

 

一番わかりやすい違いは

  • 声優は声だけの芝居
  • 舞台芝居は全身を使った芝居

というところだと思います。

 

声優の仕事にはマイクワークというものがあって、スタジオに3〜4本マイクが立っていて

自分の役が喋る時だけそのマイクに入って喋る形になります。

 

マイクは指向性の高いマイクを使っているので、体がズレていたり、セリフを言いながら口の位置が動いてしまうと

マイクがオフってしまい(声が乗らず)、うまく声を録音することができません。

 

ミキサーさんいもマイクワーク下手な声優だな、と思われてしまいます笑

 

お芝居というのはそもそも他の人の人生を生きることですから、声のみでそれを表現するのはとても大変なことです。

 

逆に舞台芝居では動かないで棒立ちの方が変なんですよね。

 

そういうところでお芝居の質が全く逆なんだろうな、と思います。

 

舞台芝居なんかは特に劇場の規模や演出の仕方にもよりますが、普通に生きているよりは喋りも動きも大きくなります。

そこに「観客に見せる」という意識がありますからね。

 

だからこそ、声優の方は芝居という共通点はありつつも自分の普段の仕事からは全くかけ離れている舞台役者の芝居が楽しいと感じるのだと思うんです。

【カラオケでも使える】マイクに乗りやすい声とは

 

リアルタイムと収録の違い

 

舞台はリアルタイムでお届けするエンターテイメントです。ナマモノ。

 

そのため、その場でしか感じられないものがたくさんあります。

一番はお客様の反応ですね。

 

コメディシーンとかはどのシーンでどれくらい笑ってもらえるのか、とか演者はものすごく気にしています。笑

 

実は舞台役者はお客さんの空気感をつかみながら、ちょっとずつ間を変えたり、何かしらチャレンジしながら芝居をしています。

もちろん終わったあとにお客様とお話することも楽しみです。

 

対して声優の仕事は芝居をしている時にそこに視聴者がいるわけではありませんから、あくまでクリエイターだけで作品を作っていくような形になります。

 

私は人生初めての収録も、なかなかデビューしたという実感がわきませんでした。

多分そこにオーディエンスがいないからだと思います。

 

それもそれで悪いわけではなく、その良さがあるんですけどね。

声優デビューした時の体験をリアルに語ってみる!

 

見た目の違い

 

もう一つ大きく違うのが見た目の違いです。

 

声優の仕事ってぶっちゃけどんな格好しててもどんな顔でも(すっぴんでも)できちゃう仕事なので

アフレコの時に結構ラフな格好でスタジオ入りされる方も多いんですね。

すっぴんマスクで来る方も結構よく見かけます。

 

しかし舞台は自分の体そのものが役になりますからそうはいきません。

 

そして衣装が着られる!笑

 

いろいろ着ました。

制服が多かった気がするけど巫女服とか網タイツとか…

 

一番衣装に凝ったのは琉球秘伝という琉球が舞台の芝居をやった時かなぁ。

 

琉球秘伝-幸田夢波

 

姫の役だったのでとても良い衣装を着て楽しかったです。

これは舞台役者ならではですね。

 

髪を染めたり、パッキパキにメイクをしたり、舞台役者はその舞台に合わせて体や見た目から役作りをしていきます。

 

舞台を作るのにものすごく時間がかかるのに対して、声優の仕事がかなりスピーディーに終わる、という違いもあるでしょう。

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声優のレッスンでやる立ち芝居

 

意外に感じるかもしれませんが、声優のレッスンでは立ち芝居(動き付きのお芝居)をよくやります。

 

声優は声優の技術だけを学んでも仕方ない、とよく音響監督さんにお話していただきました。

「アニメばっかりみてちゃダメだよ」と。

 

でもそれは本当にその通りだと思っていて、

やっぱり私たち声優は声優である前に芝居をする役者なのだと思います。

 

表現をする人、なのです。

 

いろんな表現ができるからこそ、役者ができて、その中で声優の仕事もできるんじゃないかな、というのが

私の個人的な意見です。

 

みんながみんなそう思っているわけでも、これが正しいわけでもないですが。

 

だから立ち芝居こそ演技の基本、と言う方も多く、

エチュードと言って設定だけ決めてアドリブでお芝居をする、なんて稽古は声優養成所でもよくやっていることなんです。

声優の仕事はアニメだけじゃないよ!

 

演技はいろいろ種類がある

 

ちなみに私は大学が映像系の学科だったので映像芝居も何回かやったことがあります。

 

みなさんにお見せできるのは最新だとNHKのミニミニ映像大賞でグランプリをいただいたやつかな。

性格悪いアイドルの役ですが台本だからね!笑

 

※怖がりな人は動画再生してはいけません。

 

 

これはかなり短尺ですが、もう少し長いものも演じたことがあります。

やっぱり声優のお芝居とは全然違うものでした。

 

芝居という共通点はあっても媒体や見せ方が変わるだけで芝居の内容はガラリと変わるものです。

 

声優をやっている人は本質的に芝居をすること、表現をすることが好きだから舞台役者をやるのもすごく楽しいんだと思います。

 

普段の声優のお仕事とはまた違った、様々な形で芝居に関わっていくことで

自分の演技の引き出しがもっと増えて、よりよい表現を追求して行くことができるんじゃないかと思います。

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読んでくれてありがとうございました!

ではっ

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