マイク乗りの良い声、悪い声、というものが存在します。
私たち声優は声を録音してもらって、それが作品となって視聴者の方に届く仕事をしていますから
自分の声のことだけでなく、マイクと自分の声の使い方についても勉強しなくてはいけません。
では「マイク乗りの良い声」と「マイク乗りの悪い声」は具体的に何が違うのでしょうか。
実はちょっとした意識で簡単にマイク乗りをよくすることができる場合もあります。
これはカラオケで歌を歌う時も使うことができるテクニックです。
マイクとの距離
その人の声質によって、マイクとの適正な距離が個々にあります。
声優の現場では基本的にはマイクの位置や角度は自分で調整することができません。
それはミキサーさんがやってくれるので。
基本的には喋ることが仕事です。
ですが、立っているマイクに対して
- 約30センチ
- 台本の背表紙くらいの距離
- 拳3個分
というような基準があり、マイクからの距離はこれくらいとっておくと良いです。
あとはミキサーさんがなんとかしてくれます笑
ちなみに
こういったポップガードからの距離ではなく、マイク本体自体からの距離のことです。
でも叫ぶシーンなどはマイクの音量が振り切れてしまったりマイクが吹いてしまうことがあるので
少しマイクから角度をずらして外したり、後ろに引いたりして調節します。
これを無意識でできるようになっているのがプロの声優ですね。
マイクの角度
これも基本的には声優の現場ではミキサーさんが調節してくれることなのですが、
マイクはマイクに対してまっすぐ入ってくる音を拾います。(こういう特徴を持っているマイクを単一指向性マイクといいます)
なのでマイクのどこらへんが真ん中なのか、どこがマイクの一番声が入力されやすいところなのか、ということを意識しながら
そこに向かって音を当てるようなイメージで声を出すとマイク乗りが良い声に近くことができます。
マイクの構造とかを知るためにマイクについてのウィキペディアを読むだけでも結構勉強になると思います。
マイクの指向性の種類とかも書いてあるので。
カラオケでマイク乗りをよくするためには
声が発せられる方向に沿うようにマイクを持つと良いです。
横から見た時、口と声とマイクが一直線に並ぶようなイメージですね。
結構カラオケでマイク乗りが悪い人は、マイクのおしりの部分が下がりすぎていたり、
上がりすぎていたりしている人が多いです。
一人でカラオケに行く機会がある人は、その機会にマイクをどのように持ったら一番自分の声がよくマイクに乗るのか、ということを研究してみると良いかもしれません。
「同じマイクなのにあの人が歌うとすごい声が聞こえる感じがするのに、自分が歌うと声が全然マイクに乗らない」
というような経験がある人は多分これが原因だと思います。
マイクと口の位置
指向性のマイクの場合は
その方向から少し口が横にずれていたりするだけでマイク乗りが悪くなります。
逆にマイクが吹きそうな時はマイクからちょっと横に口をずらしたりもするんですが。
マイクと口が一直線上にあるか、ということを確かめて声を出すようにしてみてください。
ちょっとマイクが斜めになってしまっていたりするだけで途端にマイクに乗らない、ということになってしまいます。
音圧
マイク乗りには音圧も関係してきます。
音圧、というと「=声量」というふうに勘違いする人が多いのですが
音圧は声量、というわけはありません。
小さい声なのに聞こえやすい声、響いている声というのが存在して
そういう声の事を音圧のある声、と言ったりします。
肺活量などもありますが、倍音が多い、だとか響いている箇所が多いだとか
そういうことが関係していると言われています。
倍音というのは元の音に対して周波数が整数倍の音が同時に鳴っている状態を指すのですが
これはもう目で見てわかったりするものではないので難しいですよね。
あとは響いている箇所が多い、というのは自分でも練習することができて
特に鼻腔共鳴といって鼻の奥の方にある鼻腔という空間に音を共鳴させることができると
力まずに大きな声が出るようになります。
こういったテクニックもまたマイク乗りに必要になってくるものです。
最近はマイク性能も良い
今回はマイク乗りがよくなるために必要なテクニックをお話してみました。
声優の現場では今機器も進化していて
小さな声でもものすごく綺麗に録音できる技術がすでに揃っています。
どちらかというと生音とか、カラオケで使えるテクニックかなぁという感じですかね。
ご参考までに!
→お酒を飲んでカラオケに行くと声がかすれる、その原因と対策!
読んでくれてありがとうございました!
ではっ