最近の世の中では声優になりたいという人が増えていると思うので、
参考例として、私が声優としてデビューした時の体験を今日は話してみたいと思います。
もくじ
声優デビューするまで
声優デビューをするまでは実は歌手になりたくて歌の練習ばかりしていました。
演技らしい演技の経験は実はあまりありませんでした。
ボイトレに通ってた
もともと歌手を目指していたので小学生の頃からボイトレに通い、
毎日歌うのが楽しくて、発声練習や歌の練習をとにかくずっとしていました。
ただ、歌、というのはとても難しくて、
教科書に書いてある公式を覚えれば問題が解けるような簡単なものではありません。
体の中の見えないところを使って声を出し、「表現」という曖昧なものを学びます。
そしてそこには正解はないし、一人一人体の作りも少しずつ違うので、ボイトレの先生が言うことがすべて正しいということでもないのです。
あくまでボイトレの先生がおっしゃってくださることはヒント、という感じ。
だから小学生の頃からずっとボイトレに通っていたとはいえ、
ボイトレの教室は結構変えていて、ボイトレの先生もかなりたくさんの方にお世話になりました。
その中でとてもフィーリングの合う先生に出会い、今でもお世話になっています。
そういった理由から、正解のないこの分野において、いろんな先生に習ってみる、というのはおすすめしたいです。
あとは体の中はもうイメージをするしかないので、とにかく図鑑だとか医療系の本(写真や図の多いもの)を読んだりしていました。
筋肉の構造や体の作りを具体的に知っていた方が、声を出すのにイメージしやすいと思ったからです。
生物専攻だったので趣味も多分に入っていますが笑
特に股関節や骨盤周りは
- 姿勢
- 声を出す土台
など、結構気をつかう部位なので、筋肉や骨の構造を眺めているのが好きです。
体のことはやっぱり知っている方がイメージしやすい、というのはあると思うので興味があったらやってみてください。
アニメがひたすら好きだった
歌手になりたいと思っていた頃は声優さんをあまり意識することなく、アニメをたくさん見ていました。
単純に好きだったからです。
オタクの性といいますか、そのクールのアニメは一通り1話だけでもチェックしたい派で、いろんなジャンルのアニメを見ていました。
でも声優としてデビューしたあとに監督さんと話していて、
選り好みをせずにアニメを見ることはいいことだ、と教わったので結果としていいことだったようです。
自分の中の引き出しを増やす、という意味でも「面白そう」という観点でアニメを見てみるより
「好きなジャンルを増やしたい」というスタンスの方がいいかもしれません。
特にこれから声優としてデビューしたい、と思っている人はむしろアニメだけに限らず
いろんなコンテンツを見るのが勉強になると思います。
つまらないコンテンツでも、「なぜこれはつまらないのか」と考えることも実は重要です。
それが「趣味」ではなく「仕事」にする、ということなのかもしれません。
→Amazon Primeで見放題のおすすめアニメを紹介してみる![随時更新]
一般のオーディションをとにかく受ける
もし事務所に所属していなくて、フリーとして活動しているなら、一般向けでいいのでオーディションをとにかくたくさん受けることをおすすめします。
事務所に所属することによってオーディションを受けることはある程度制限されるようになります。
それは事務所が自分の売り方を戦術的に考えてくれている結果ですから、良いとも悪いとも言えません。
でも市場がよくわからなくて、オーディションを受けることができるフリーの立場にいるなら、オーディションは毎日のように受けるべきです。
私は小学生の頃からデビューするまで、たくさんオーディションを受けてきました。
声優ではなく、テレビやモデルのお仕事をしてたこともあります。趣味程度ですが。笑
でもその経験によって、ある程度自分の見せ方を冷静に考えられるようになったような気がします。
声優業界はまた違った自分の見せ方があると思います。
でも緊張して何もかも頭に入ってこない、という状態になるよりは、
ある程度緊張することに慣れて、自分の見せ方を分析できる余裕があった方が良いと思うんです。
声優としてでデビューしてからもオーディションを受ける機会は本当にたくさんありますしね。
声優デビュー直前
事務所に所属してからいただいたオーディションで2クールのアニメのメインキャラクターの一人としてデビューが決まりました。
そこからは事務所もものすごく支えてくれて、
初めてのアフレコまでに準備でてんやわんや!
実は声優の現場ってなかなか明るみにならないので現場独特のしきたりというものが結構存在します。
- 出演者の方全員に挨拶をしに行くこと
- 新人は扉の近くに座って休憩ごとのドアの開閉をすること
- 小さい人は厚底の靴を履いていくこと
- でも音のなるような靴は履いてはいけない
- 飲み会では全員の飲み物の注文をまとめること
などなど、本当にいろいろあります。
まぁもちろんそれもやり過ぎると逆に雰囲気を壊すので、現場に合わせてさりげなく…みたいな難しい塩梅があるのです。笑
そういうのを大先輩からたくさん聞きました。
とにかく声優の現場に入ってみないとわからないことってたくさんあるので、
声優としてデビューが決まったら先輩にいろいろ聞いておくことをおすすめします。
同じ現場にいる先輩に率先して聞きに行くのがいいかなと思いますね。
声優デビューしてから
声優としてデビューしてから変わったことはやっぱり絶対に風邪をひかないようにする、
という意識がものすごく強くなったということです。
私は声優としてデビューしたのが高校生の時でしたが、
ちょうど夏終わりくらいだったので、そこから仕事が2クールレギュラーで決まっていて、秋、冬と風邪が流行り始める期間でめちゃくちゃ気を遣いました。
デビューした作品で「風邪をひきました休みます」なんてことには絶対なりたくなかったですからね。笑
体育の時間バスケをやるにもマスクをしていました。
体育の先生から「肺のトレーニングでもしてるのか?」って言われました。
息苦しかった上に効果があったのかは謎です。笑
声優は体調管理も仕事のうちです。
風邪をひいて声が変わってしまったら、「この声優さんは体調管理がちゃんとできない人なんだな」と思われてしまっても仕方ない、ような業界なのです。
なので人一倍気を遣います。
声優デビューは楽しかった
最後に、
声優になって大変なことはたくさんありました。
右も左も分からないことも多々あって、怒られたこともたくさんあったけれど、
やっぱり就職の道を歩んでいたら絶対に経験できなかっただろうことをたくさん経験できて
声優としてデビューできてとてもよかったと思っています。
毎日が学びの連続。
成長できることは本当に幸せなことですね。
声優デビューを目指している人にはぜひ読んでほしい一冊をご紹介。
実際に現場に出ている声優でも知らないようなことも書いてあり、とても読み応えのある本でした。
現場では声優は声優同士の付き合いがどうしても多くなってしまいがちですが、
実際にどんな方達がどのようにアニメを作られているのか、ということについても書かれています。
読んでくれてありがとうございました!
ではっ