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声優業界のちょっと変わったルール

声優業界には独特のルールみたいなものがたくさん存在します。

マイク前のお芝居とかは最近テレビでもよく見かけるようになったけど、

アフレコ現場そのものが再現されたり、取材されることはなかなかないので、実際に声優として活動してみないとわからないことがたくさんあると思います。

今回は声優業界の多分一般的にみたらちょっと変わってるルールについてお話してみたいと思います。

共演者にご挨拶

声優の仕事はかなり特殊で、当たり前といえば当たり前なのですが、現場によって一緒に仕事をする仲間ががらりと変わります。

売れっ子声優さんの場合は1日に3現場4現場と仕事があることも珍しくないのでその度に違うスタジオに行って、違うメンバーと仕事をします。

そのため、一つの現場にかけられる仕事時間自体は普通の仕事よりも全然短いのです。

例えば1クール(3ヶ月)のアニメのレギュラーの仕事だったら、週に1回3〜5時間の現場が約12回。

全部で長くても60時間くらいなわけです。(最近はコロナのせいで分散して録ることが多いので事情が少し違ってますが…!)

それを並行して何本もやるんですね。

つまり一人一人の人となかなか人間関係を構築することができないうちに仕事が始まってしまっていつの間にかその現場が終わってしまう、ということが多々あります。

ただ、共演者には一人一人、最低でも必ず一回喋るタイミングがあります。

それが「はじめまして」のご挨拶の時です。

アフレコブースに入ったら必ず初めましての方には一人一人ご挨拶をする、というのが声優業界でのルールです。

今まで会ったことがある声優さんでも「お久しぶりです、またよろしくお願いします」くらいの挨拶はするようにしています。

内容としては「どこどこ所属のなになにです、よろしくお願いします」くらいの簡単なものです。

これが実は結構タイミングが難しくて、ベテランの声優さんだと仲良しの声優さんが他にいたりしてずっとしゃべってたりするんですね。

だからご挨拶の正しいタイミングがつかめず右往左往してしまうことって結構あるんです。笑

ゆめもん

今挨拶していいか…?いやでもなんか隣の声優さんと喋ってるし…今はご飯食べてるし…ぅぉおおおん収録始まっちゃうよぉおおお

もちろんレギュラーの仕事じゃなくて単発で番組に呼んでいただいた場合も同じように共演者の方には一人一人ご挨拶をします。

この場合はもっと難しくて、他の共演者の方はレギュラーでもう仲が良くなっているのでたくさんおしゃべりしてるんですがその隙間を縫ってご挨拶をしなくてはいけません。

もうタイミングを見計らうのに必死です。笑

もちろん声優の本分は声のお仕事の方なんですが、

やっぱり中には厳しい先輩もいて、「あいつは挨拶に来なかったな」というのをしっかり覚えている声優さんだっていらっしゃるのでご挨拶も気を抜けません。

あらかじめ台本と一緒に香盤表(こうばんひょう)といって「誰がどの声優事務所の所属でどの役をやるのか」ということが一覧で書いてあるものが全員に配られています。

なので誰と挨拶して誰と挨拶していないか、というのはその香盤表をみれば一発でバレてしまうんですね。笑

なかなかタイミングをつかめないまま仕事が終わってしまって帰り際にご挨拶、なんてことも私はちょくちょくあります。

後輩声優さんたちがたくさん挨拶に来てくれて、かしこまって挨拶をしてくれると、なんだか申し訳ない気持ちにもなってめんどくさいルールだなぁと思う時もありますが、

自分が挨拶する側だと一番最初に話すきっかけにもなるのでありがたく感じることもあるルールでもあります。

このルールはいい面も悪い面もありますね。

声優が収録現場に行ってまずすること

芸歴で先輩後輩が決まる

一般的な職業や人間関係だと、先輩後輩は年齢で決まるようなところも多いかと思いますが

声優業界は基本的に芸歴で先輩後輩が決まるのがルールです。

ものすごく年下の人が大先輩に当たったり、ものすごく年上の人が後輩になったりすることもあります。

でもこれは声優業界が実力主義的な色が強い業界なので変わったルールだとはあまり思っていません。

ただ会社勤めとかだと年功序列みたいなところはありますよね。

声優業界の場合はまず生き残っていくのが難しい業界です。

だからこそ、何年も業界でお仕事を続けていらっしゃる、ただそれだけで敬うべき先輩なんです。

ただ先輩後輩の厳しさはちょっと体育会系なだけでそこまで厳しいものだとは思っていませんが笑

声優の先輩後輩は厳しいのか

新人声優は出入り口付近に座る

複数人で仕事をする時は新人声優はスタジオの出入り口付近の席に座るのがルールです。

長いソファ席みたいなのが壁沿いにあるのが一般的なスタジオで、

一番モニターに対して正面真ん中になる席にメインの役をやられてる声優さんやベテラン声優さんが座ることが多いです。

それに対して新人声優はなるべく端の席に座るのがルール。

そして出入り口付近の席が空いていたらその付近に座って、

  • アフレコスタート時
  • 休憩時
  • アフレコ終了時

などに扉を開閉するのが仕事になります。

収録スタジオの扉は防音扉で二重扉になっているところも多く、ものすごく重いんです。

それをみんなが通れるように開けてストッパーをしておいたり、始まる前に閉めたりするのが新人声優さんの役目です。

そして声優として先輩になって、自分より後輩の子が一緒に共演するようになったらそのルールを教えてあげたり、そのお仕事を譲ってあげるのもまた大切なことなんです。

ちょっと面白いルールですよね。笑

ただ、出入り口付近の席が好きな先輩とかもいるので様子を見ることも大切だったり…

結構空気読めないといけないのが声優業界だったりするのかもしれません。

まぁ正直こういうのってちょっと前時代的というか、古臭い慣習なような気もします笑

ただ知らないままにど真ん中にドーンと座っちゃったりすると年配の先輩声優さんには「マナーがなってないな」と思われちゃうと思うので、知っておいた方がいいことですよね。

声優の収録に関する専門用語

変なルールがいっぱい

声優業界の変なルールについて話してみました。

多分今思いついただけのものなので、改めて考えたらいっぱい変なルールがあると思うんですが

それも習慣になってしまうとなかなかそれが変なルールだとも思わなくなってきて難しいですね。笑

でも声優業界は特殊なルールがたくさんありますし、普通だったらヒヤッとしないようなことでもすごくヒヤッとする場面がたくさんあります。

収録中にお腹が鳴ったりとかね。あとは収録に行く時の服装なんかも気をつけた方がいいと思います。

アフレコ現場でヒヤッとする瞬間

読んでくれてありがとうございました!

ではっ

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