声優は方言を直さなきゃいけない

karakinobanner

声優は方言を直さなきゃいけない
Pocket

声優を目指している人が「方言がなかなか直らなくて」と言っていることがありますが、
声優は方言を直さなくてはいけません。

 

もちろんその方言がチャームポイントになる時はありますし、
その方言のおかげでくる仕事もあったりもします。

 

ただ、声優さんはイントネーションというものをとても大切にしているのです。

 

方言が直らないとダメな理由

 

演じる、という観点

 

今の時代だと、声優は華やかに見えて、女性も男性も歌って踊れる声優が求められるようなところがありますが、基本的には「演じる」ということに特化した役者の仕事の中の一つです。

 

声優という仕事が今のようなきらびやかな印象になる前は、実は俳優さん、女優さんが声優の仕事をしていたそうです。

 

そして「演じる」ということは「自分ではない誰かの人生を送る」ということです。

 

つまりその演じる「誰か」に方言は不必要ですよね。

 

声優というお仕事は芸能人と同じような扱いになるので、お仕事をとるのも大変だし、自分がどれだけ自分らしくいられるか、
もしくは自分という色をどれだけ主張し、他人の印象に残っていかなくてはいけないのか、ということを話してきました。

自分の印象を分析する

声優が仕事をとる難しさ

 

でも「演じる」というその瞬間に関しては実は「自分」というものを排除していかなくてはいけないのが役者だと思っています。

 

演じるキャラクターによって自分を変容させていく必要性があるし、
そこに自分が出すぎてしまったら逆にそのキャラクターの大切な物語での役目を壊してしまうことになりかねないんですね。

 

だから方言なんて論外レベル。

直せて当たり前。

言葉を扱うプロなのですから、みんながそういう意識で臨んでいる業界です。

 

伝える、という観点

 

声優には「演じる」お仕事以外にもナレーションやコマーシャルなどの仕事もあります。

 

  • テレビCMのナレーション
  • ラジオのCM、番組
  • お店や地域で流れるもののナレーション

といったようなものですね。

 

ここでは「誰が聞いてもわかりやすい読み方」が求められます。

 

そのコンテンツが地域密着型だったり、意図した演出がない限りは求められるのは標準語です。

 

なので「標準語」のイントネーションがどういうものなのか、ということをちゃんと自分の中で理解できるようになる必要があります。

 

直そう直そうと普段から意識することも大切ですが
「直して」という注意を受けた時に即座に直せるようになるためにはやはり「音の違い」を理解しておくことがたいせつでしょう。

 

言葉は一音一音、音の高低をもっているんです。

どの音を高く、どの音を低くして喋っているのか、自分で考えてみるとわかるようになってくるかもしれません。

 

標準語の基準

 

声優さんが標準語の基準としてみんな参考にしているのがアクセント辞典というものです。

 

これが2016年に新版が発売されまして、いろいろいままでとアクセントが変わっているので混乱している人も多かったです。

 

オーディションを受けたり、台本をもらったりして、「このアクセントってなんだっけ?」と疑問に思ったらアクセント辞典で確認する、という作業を声優の方はみなさんやられています。

(他にもこんなこともやってます→声優が普段やっている練習方法

 

もちろんもらった台本はしっかりチェックして当たり前ですから、台本上の読めない漢字などもチェックしていきます。

それが当たり前の世界です。

 

養成所とかだと台本をもらって、翌週にその台本を読んだ時に漢字が読めない人がいることもありますが、講師の先生からすると「一週間何やってたの?」という感じでお叱りを受けることもあります。

 

アクセント辞典通りじゃない声優の仕事

 

ただ、NHK日本語発音アクセント新辞典はNHKが基準、つまり一番お堅いところが基準になっているので、作品によってはそのアクセント通りにしなくていいという現場もあります。

 

例えば吹き替えの現場で学園ものだったりすると今風の喋り方の方がリアルさがでてそれっぽいからあえてアクセント辞典とは違うアクセントでいこう、という現場もあるわけです。

 

そこで議論になりやすいのが若者言葉と言われる言葉のアクセントの現代化、です。

わかりやすく言うと、アクセント的には頭高といって

  • か(↑)れ(↓)し(↓)

が正しいのだけれど、これが平板化、いわゆる若者言葉になると(ギャルっぽく)

  • か(↓)れ(↑)し(↑)

というアクセントに変化します。

 

喋り言葉をピアノで弾いてみるとすぐわかると思います。

 

よりリアルに作品を作ろうとすると、アクセント辞典通りでなくていい声優の仕事現場、というものが増えてくるわけです。

ナレーションの仕事ではあまりありませんが、「演じる」現場だとよくあることです。

 

なので方言も「直す」という感覚よりは「使い分ける」という方向に頑張っていった方がいいと思います。

 

方言が武器になる仕事もある

 

方言を使い分けられるよになった方がいい理由の一つに方言が武器になる仕事もある、というものが挙げられます。

 

そうなんです、方言が武器になることもあります。

 

なぜなら「その方言を喋るキャラクター」がいたときのキャスティングはやっぱり
ナチュラルにその方言を喋ることができるキャスティングをしたいものなんです。

 

例えば、泣いた映画、おすすめDVDでおすすめした『この世界の片隅に』の舞台は広島県の呉ですが、広島県出身の声優さんが起用されています。

もちろんそれだけがキャスティングの要因ではありませんが、一つの要因になることはあり得ることなんです。

 

また方言だけでなく、こういった言語に関しては強みになる要素があります。

英語が喋れるか、中国語が喋れるか、なんてことを聞かれたこともありました。

 

最後に

 

渡しも東京都出身なのですが、親が九州出身で全然方言を直そうとしてくれないので、自然となまって育ってしまったところがあり、
アクセントには苦労したことがあります。

 

ただ、根本的には音の高低なので、それがわかれば大丈夫だと思います。

 

そしてそれが理解できていれば方言を直す、のではなく方言を使い分けられるようになるでしょう。

 

 

読んでくれてありがとうございます。

では。

Pocket

よく読まれている記事

 

幸田夢波 twitter: