質問箱でこんな質問をいただきました!
実は私は初めて声優のアフレコスタジオに見学に行かせて頂いた時に
スタジオに入れていただいて「ガヤ」というお芝居に参加させていただきました。
声優という仕事に触れた一番最初の現場で、まさかの「アドリブ」が求められた…!
ガヤというのはスタジオ内で出演者複数人、もしくは全員で収録するもので
状況に合わせたアドリブ演技をしながら収録をすることを言います。
ガヤ収録については別の記事で書いてるのでぜひ読んでねー!
たとえば「お昼休みの学校」とか!
台本にセリフは書いてなくて、みんなそれぞれお弁当を食べたり談笑したり、というのをアドリブでやっていきます。
このガヤは意外とセリフよりも難しくて
新人の頃先輩に「ガヤができるようになるまでは3年かかるよ」と言われたこともあったくらいでした。
ってことで、このアドリブの演技をどのように練習してきたか、書いていきたいと思います!
日常の会話が教科書
アドリブの演技を勉強するには日常の会話を聞くのが一番いいです。
まずは一人でカフェとかに行ってみてください。
一人でカフェに行くといろいろな人の会話が聞こえてきます。
カフェで話されている話って意外と聞いてみると面白いんですよね。
参考となるサンプルをたくさん探すような気持ち
おばちゃん同士の会話、高校生同士の会話。
中には一人で勉強しながらぶつぶつ言っている人もいます。
与えられた状況の中でどんな会話がなされているのか、ということを観察してみます。
カフェ以外にも街中とか、ショッピングモールの中とか
学生なら学校の中はものすごく参考になりますね。
そういういろいろなシーンで、周りの人たちがどんな話をしているのかということを研究して
それっぽい会話をしている人を記憶しておくといいと思います。
同じような状況を演技で求められた時に、それが引き出しになります。
もうとにかく日常から人間観察。
「こういう人はどういう喋り方をするのか、何を喋っているのか。」
と、いつも観察し続けることが大切!
エチュード
どこかに演技のレッスンに行っている人は一回はやったことがあるかな〜?
エチュードというお芝居。
与えられた設定だけ守れば何をしても、どんなセリフを言ってもいい、というワークです。
これはアドリブの演技の練習をするのにとても勉強になります。
同じように演技を勉強したい人と一緒に組んで、自分たちで設定を決めて練習してみるとすごく良い練習になると思います。
相手が言ったことに対して、反応してセリフを返さなくてはいけないので
よりリアルな演技を追求していくことができると思います。
例えば!
二人の女性でエチュードの練習をする時は
- 大学生のおとなしいお姉ちゃん
- 高校二年生の快活な妹
- 妹が後で食べようと思って冷蔵庫に置いておいたプリンをお姉ちゃんが食べちゃった
みたいな感じで設定を与えてエチュードを開始します。
コールセンターのバイトも役立った
実は声優業をやりながらコールセンターで長くバイトをしていました。
詳しくはまた別記事で!
このコールセンターの仕事も演技の練習にすごく役立ったんですよね〜
コールセンターの発信業務をやっていて、いわゆる営業というか、セールスをやっていたのですが
コールセンターにはスクリプトと呼ばれる原稿のようなものがあって、大筋はそれを読み進めていくような形で仕事をします。
でも相手にしているお客様は当たり前ですが人間なので、どんな返答が返ってくるか、予想がつきません。
時に世間話になったり、家族の話を延々とお話してくるお客さんとかもいるんですよね笑
うちの孫がこの前ね!遊びに来た時にさぁ〜
あらぁ、良いお孫さんですね〜
そういう相手の話に合わせて、何を返すか、という力が試されるのがコールセンターで
結局はどんな返しがきてもうまく商品をセールスしていかなくてはいけないので、
会話をしながら頭で冷静に「この話の流れからどうやって商品を魅力的に思ってもらえるような話をしていこうかな」ということを考えなくちゃいけないんです。
そういう会話をしながらも冷静に話の流れを見られる力、みたいなのは実はアドリブの演技も大事で
最終的に演技をどこに持って行こうかな、ということを考えながら演技するんですよね。
なので私にとってはコールセンターの仕事は結構役に経ちました。
実際コールセンターでは声優さんや声優志望の方、役者さんがよく働いています。
シフトも融通が利くところが多いから、声優やりながらやるバイトとしてはおすすめだよ!
台本にとにかく書き込む
アドリブ演技がまだまだできるか不安、という人は
台本にアドリブで喋るセリフをいくつか書いておくといいと思います。
実は新人声優はほとんどこれをやっています!
びっしりアドリブを台本に書き込んでいる人もいるんですよね。
私もアドリブがある時は、「こういう話をしようかな」というのをVチェックの時点である程度決めて台本に書いています。
アドリブをこなせるようになるのは時間がかかると思うけど、
慣れてくるとこのアドリブこそ楽しいと感じられるようになると思います。
ヒントは日常に隠れているものなので、ぜひ自分の日常をいっぱい研究してみてください〜〜
→【新人声優向け】初めてのアフレコ!全体の流れと知っておきたい業界ルール
読んでくれてありがとうございました!
ではっ
やっほい!声優ブロガーの幸田夢波です!