声優の仕事をやっていると挫けそうになることって結構たくさんあります。
私だけじゃなく、多くの声優さんがそうです。
みんな毎日葛藤しながら、不安な気持ちを抱えながら声優をやっています。
特にレギュラーを何本も抱えられるくらいにならないと声優業だけで生きていくは難しく、
基本的には多くの声優さんがバイトして生計を立てています。
そんな不安定な生活の中で精神的に辛いことってやっぱりあります。
先日こんな質問をいただきました。
実は声優は「スランプで辛い」なんて日常茶飯事です笑
今日は声優がどんな理由でスランプになるのか、
声優の不安定すぎる精神状態についてお話しします。
オーディションに落ちまくる
基本的に事務所に所属していると3ヶ月に一回のペースでオーディションラッシュがやってきます。
これはテレビの改編期が3ヶ月ごとにあり、次クールのキャスティングを決めるためのオーディション、ということです。
基本的には合格する人数より不合格する人数の方が多いオーディション。
オーディションに落ちてばっかり、なんてことはよくあることです。
そんなきついことは言われないし、オーディションに落ちた連絡すら来ない、なんてこともあるけれど
そこに生活もかかっていれば夢もかかっているわけで、やっぱりオーディション落ちるたびに辛い気持ちにはなります。
いちいち引きずっていてもしょうがないので何がダメだったのか、私ではないどんなものが求められれていたのか、という研究に入るわけですが
これが何本も何本も続くとやっぱり辛い。
「あなたは必要ありません」とずっと言われ続けているようなものですからね。
だから強靭なメンタルが必要です。
作品に出演できるかどうか、というのは本当にご縁だし、その時に波もありますから
- 出演作品が多いクール
- 出演作品が少ないクール
この差が激しい、ということもよくあることです。
先月は4本レギュラーがあったのに今月はレギュラーがなくなった、ってこともある。
それをスランプのように感じる人もいて、万年スランプって感じです笑
結構中堅どころで作品にもたくさん出演されている声優でも、オーディションあるんですよ〜
正解がない
声優業界には正解がありません。
何が売れるか、なんて作っている側もよくわかってないようなところがあります。
みんな疑心暗鬼になりながら、手探りでものを作っている。
「これが一番!」って思って作っていても、結局のところ「なんであれが流行ったんだ?」と思うようなものが流行ったりすることもある。
声優のキャスティングも同じで、「どうして自分じゃなかったのか」ということがわからない時もある。
それは勉強不足な時もあるし、それとは全く違う次元の大人の事情が絡んでいる時もある笑
だから「これをやったら正しい」というものがない中でずっと彷徨わなくてはいけないし
そんな中で努力し続けなくてはいけないんです。
一生懸命努力しても報われないことがたくさんある。
そうすると、スランプのように感じて辛いと思うことはたくさんあります。
こんなに頑張っているのに報われないのは頑張る方向性が違うのだろうか?
それすらもわからない。
演技の上手い下手だって感覚的なもので点数をつけられるものではないし、特に今の声優さんは演技以外のものもたくさん求められますから
ますます何が正解なのかわからないわけです。
悪いことが重なる
悪いことは重なるもので、なかなかうまくいかないなぁと思っているところに急激に体調を崩して仕事ができなくなる、なんてこともあります。
私は声優業を休業した時に同時に原因不明で声が出なくなったことがあり、もうその時は不幸のどん底でした笑
体が資本である声優の仕事は喉を壊したり、体調を崩したりすると仕事が思うようにできません。
そして「復帰」もとても難しいです。
時代は常に流れていて、
- 新しい作品
- 新しい声優さん
- 新しい人
が常に求められる業界。
そんな中で一定期間休業して、何もお仕事ができなくなる、ということは
時代や人から忘れられてしまう、ということです。
復帰して本当にまた作品に出演することができるのか、自分を待ってくれている人は本当にいるのか。
そんな恐怖と戦わなくてはいけません。
こういうスランプ的な辛い経験をされている方は声優業界に結構いらっしゃいます。
声帯の手術をされた方や、同じように声が出ない、という病気を経験されている方など。
ただそういう辛い経験を乗り越えてもなお声優として仕事を続けられている方はやっぱり素敵なお芝居をされるなぁと感じます。
クリエイターにスランプはつきもの
声優もクリエイターの一種だと思っていてものを創造する仕事だと思っています。
絵を描く人や音楽を作る人にスランプがあるのと同じように声優にだってスランプはあります。
そして辛い、と思っていることもたくさんあります。
でもそれはファンの方に見せたい顔ではないし、
そんな顔よりもっと元気な顔を見せて一緒に笑い合いたい、と根本的に思っているのが声優だと思います。
辛いこともあるけれど、やっぱりお仕事が大好きだからこそ、声優をやっているんじゃないかな。
声優になりたい、と思っている人にはぜひ知っておいてほしいことですね笑
→声優になりたいけど不安で仕方ない、という時に考えて欲しい事
読んでくれてありがとうございました!
ではっ