新人声優は収録1本のギャラの相場が15,000円です。
どれだけセリフがあっても、メインキャラクターだったとしても、
映像作品の場合は収録1本が15,000円というのが一般的なんですね。
もちろんそこから事務所に所属していればマージンを引かれますから、だいたい手元に残るお金は10,000円くらいです。
これがだいたい約3年間続きます。
レギュラーの仕事が3本あったとしても月に12本。
3本もレギュラーの仕事があっても約12万円しか稼ぐことができない。
それが新人声優の現状です。
多くの声優がバイトをして生活費をどうにかやりくりしています。
では売れている新人声優さんが声優のギャラだけで食べて行く場合はどこで稼いでいるのか。
それがイベントのお仕事なんです。
アニメの主要キャストになるとイベント企画というものが大体付随して発生するので
イベントオファーも多くなってきます。
今回はこの声優イベントのお仕事についてお話してみたいと思います。
イベントのギャラ
イベントのギャラはそのイベントにもよるのですが、収録のギャラに比べると格段に高いことが多いです。
これはランク制度に縛られないから、というのもあります。
さらに、アニメ作品というのはテレビで流れるものですから、放送自体で稼ぐことはできません。
むしろ放送するには多額の費用がかかっており、赤字の状態からスタートすることになります。
そこにDVD販売や関連グッズ商品、イベントなどの付属物を展開することによって利益を生み出しているんですね。
そしてイベントの場合はチケット代や物販などから直接的に利益を出すことができるので
声優のギャラにもそれなりに予算をかけられる、という側面があるのです。
新人声優の場合でも四捨五入して約10万〜20万円というギャラが一般的です。
本当にどんなイベントなのか、ということに左右はされてしまうので、これより安いことも結構ありますが。
有名な声優さんになればもっとギャラが高いこともあります。
イベントの台本
イベントの内容にもよりますが、大体のイベントには進行台本というものがあります。
普通はお客さんに入ってもらう前にイベント会場に入って、
立ち位置や大まかな流れについてリハーサルをするのが一般的です。
単体の企画であればイベント開始の2〜3時間前に会場入りして、メイクをしてもらったりしつつリハーサルをするのが普通ですが、
いろんなアニメのイベントが集まるような大型イベントの場合は、イベントが始まるのは夕方でも、お客さんが入る前にリハーサルをしなくてはいけないので
リハーサルだけ早朝で、そのあと出番まで何時間待ち、みたいなこともあります。
こういう場合は緊張して待っている時間が長いのでセルフコントロールもかなり重要になってきます。
私は待ちが長い時は大体お腹が壊れます。笑
イベントの楽しさ
イベントの仕事が楽しいなぁと思うのはなんといっても、収録と違ってお客さんが目の前にいる、というリアリティですね。
その場でリアクションが返ってくる感じが収録では全くないので、とても楽しいなと感じます。
作品の収録ってなんとなくお客さんが楽しんでくれている様子を直で見ることができないので
不安な気持ちがいつまでも残るものなんです。
楽しんでもらえるかな?
応援してもらえるかな?
そんなことを思いながら日々ものづくりをしています。
だから、目の前でお客さんが笑ってくれたり、声を上げてくれるイベントのお仕事はやっぱり楽しいです。
舞台とも少し似たような楽しさですね。
イベントの仕事の準備
イベントの仕事の場合は収録の仕事と違って結構準備が必要になります。
声優の収録の仕事はどんな格好をしててもどんなメイクでもできてしまいますから
結構収録の時すっぴんでくる人も多いし、ラフな格好で来られる方も多いんですね。
でもイベントはそうもいきません!
そして基本的に声優は衣装も全部自前なので。
衣装を買いに行ったり、もちろんイベント前日に痩身エステにいったりしてボディケアもしなくちゃだし
ネイルしたりアクセサリーを選んだり
顔もむくんでたら嫌だから塩分控えめの食事にしたり。
本当にやることがいっぱいあります。
特に若い女性声優の場合は見た目大事ですよね笑
ただそれも全部自分でやることになるので、ギャラの少ないなか新人声優がセルフマネージメントするというのはかなり金銭的にもきついことなのですが。
イベントは特殊な仕事
収録とは違って、進行台本はあるけれど、いちいちセリフが決まっているわけではありませんし、
やっぱりお客さんに生を楽しんでもらうのがイベントなので
普段の声優の仕事とは全然違うのがイベントのお仕事です。
私は舞台もよく出演しているのでやっぱりイベントのお仕事も大好きです。
痩せなきゃ〜〜とかいろいろ大変ですけどね笑
読んでくれてありがとうございました。
では。