以前は声優事務所に所属して声優のお仕事をしていたのですが、フリーランスになって、最近は宅録(たくろく)のお仕事がメインになりました。
コロナの影響もあって宅録という言葉もかなり浸透したように思うのですが、
この前お会いしたクライアントさんに、
実は宅録っていう言葉も最初知らなくて、ネットで検索して幸田さんのブログにたどり着いて、
「今はそういう依頼の仕方ができるんだ!」って知ったんですよ〜
と言っていただいたんですよね〜!
ウレピッピ!
そもそも宅録ってなんなのか、
どういう人たちがやってるのか、
みたいなことを改めて解説してみようと思います!
もくじ
宅録とは
宅録とは完全オンラインで音声収録納品を依頼する方法で、「自宅で録音をする」という意味からこの言葉になったみたいです。
声優・ナレーター業で言う宅録は、意味合い的には音声収録に加えて音声編集(ノイズカットなど)も含まれることが多いです。
ちなみに声優だけに限らず、「自宅で録音する」というのが宅録の意味なので、
広く言えば、楽器の録音や歌の録音を自宅で行うのも宅録ということになります。
「うっせぇわ」で大ヒットしたAdoさんも、自宅のクローゼットで宅録をされているというのは有名な話です。
Ado:自分の部屋のクローゼットの中でマイクや機材をセットして、その中で歌っています。なんか防音にいいんじゃないかなって思ったんでしょうね。ずっとクローゼットですね。スタジオで録るときもあれば、変わらずクローゼットで撮る場合もあります。「うっせぇわ」はスタジオだったのですが、家と同じで自分一人で録音しています。パソコンを置いてマイクをセットして最初から最後まで一人ですね。
Mステインタビューより引用
私も宅録でお仕事をさせて頂いており、
自宅で簡易的に作れる防音環境の紹介もしています〜!
宅録のメリット・デメリット
では通常の音声収録に比べると宅録にはどんなメリットデメリットがあるのかと言うと…
メリット
メリットは他のお仕事において、企業さまが個人にお仕事を依頼する時と同じような感じだと思います。
速くて安い
通常は音声収録は防音設備がしっかりしていて、機材設備も整っているレコーディングスタジオで行われるものなのですが、
スタジオで収録を行う場合は
- クライアント
- 声優
- ミキサー(音のバランスを整えたり、編集をしてくださるプロフェッショナル)
でスケジュールを合わせて、スタジオに集まって収録を行わなくてはいけません。
もちろんスタジオをレンタルするにも1時間いくら、というような形でお金がかかります…!
そのため、スタジオ代がかからず、声優に音声収録と編集を全てお願いできるので、
スケジュールを合わせる必要もなく、速く安く納品を行うことができます。
速さに関しては個人の采配ではありますが、
私も特急料金を頂戴して、翌日納品など行うこともよくあります。
声優に音周りを一任できる
音声まわりのことが全く分からない企業様でも、
声優に全てを一任することができるので、
知識は全然ないけど、ナレーションだけとにかく欲しい!
という場合に最適です。
ざっくりとした原稿を頂いて、こちらで原稿を手直しさせていただく
(原稿が確定している場合は、そのままそちらをいただく)
音声を収録、編集して送付
修正希望があれば修正して編集
納品
といった流れを全て一任していただけるんですね。
実際、普段は全く音声業界には関わりがない、という企業さまに、
制作会社を通さず、直接ご依頼いただいているケースもあります。
こういう場合は、音声周りに関してはこちらから色々とご提案させていただくこともあります!
デメリット
どうしても宅録にもデメリットがあります。
リアルタイムではない分、修正には時間がかかる
スタジオに集まってその場で収録、というのとは違って、
宅録の場合は収録したものをメールでお送りして、それを聞いて頂いて、修正があればその修正をお伝え頂き、また再収録…という流れになります。
スタジオだと、
ここもう少しこういう感じでお願いします
みたいなのを直接言って頂いて、その場でもう1テイク録ればいいだけなんですよね。
なので修正に関しては宅録だとクライアントさまも声優側もちょっと手間にはなってしまいます。
複数人の収録には向いていない
宅録はどうしても環境音が乗ってしまったり、
自宅の空間の作り方や置いてある物の量によって音の響き方が違ってきてしまうので、
複数人が登場するようなコンテンツ(掛け合い芝居があるもの)をそれぞれの声優が宅録して、あとで編集で合わせる、みたいなことはできません。
(やれるけど、音のバランスが悪くなって不自然な感じになります)
YouTubeの漫画動画なんかはこういう録り方をしているものが結構ありますが、
普段音に携わっている者からすると音のバランスが悪く、
う、う、ウァアアアアア
ってなることも多いです笑
アプリゲームのように、一人一人が独立して喋る、みたいなものだと、まだ出演声優全員宅録、とかでも違和感あまりないと思うのですが、
アニメや吹き替えなどは絶対無理で、これがアフレコに出演者が一同に集まって収録をする理由なんですね。
私もアプリゲームのお仕事は宅録でご依頼いただくことがちらほらあります!
→【新人声優向け】初めてのアフレコ!全体の流れと知っておきたい業界ルール
依頼料が安すぎる場合、品質が悪いこともある
宅録というのは機材を揃えれば誰でも始められるので、
実績があまりない方が格安、あるいは無料でお仕事を受けていることがとても多いです。
あまりにも格安で依頼できるものに関しては、納品された収録物の品質が悪い、ということもよくあります。
中には、安いからといって依頼したものの、あまりにもノイズがひどかったので、音声編集スタジオにノイズカットなどの編集を改めて依頼する、というケースも割とあるみたいです。
スタジオのスタッフさんが、
品質の悪いものを編集するよりも、最初からそれなりに予算割いてもらったほうが、結局安いし、出来上がるものも良いものになるんだけどなぁ…
と嘆いていらっしゃいました笑
宅録をやっているのはどんな人たち?
では、宅録でお仕事を受け付けている人たちはどんな人たちなのか、ちょっと紹介してみたいと思います〜!
声優事務所に所属している声優・ナレーター
一時期コロナの影響が酷くて、スタジオで集まって収録をする、ということがなかなかできませんでした。
そういった背景もあって、事務所に所属されている声優さん・ナレーターさんたちが、自宅でもお仕事を受けられるように、と機材を揃えられて宅録を始める、という流れがとても多かったように思います。
あとは、事務所にもともと所属していた方がフリーとして独立する際に、お仕事の幅を広げるために、宅録設備を導入する、というケースも多いです。
私もこのパターンです!
やっぱりコロナの影響がかなりひどい時にご依頼がグッと増えました。
フリーで声優やナレーターを始めた人たち
事務所に所属した経験はないので実績もないけど、フリーで声優やナレーターを始める、と言う方もいらっしゃいます。
一昔前は「事務所所属経験がない人は声優じゃない」みたいな風潮があった時がありました。
「ネット声優」なんて呼ばれ方をしていましたが、単価も安く、質は保証されない、というイメージでしょうか。
でも最近はフリーで始められている方も上手な方が多いです。
業界にいると、声優やナレーターのなり方も、少しずつ変わってきているなぁと感じます。
地方や海外に住んでいらっしゃる方
アニメ・吹き替えの収録なんかは特に、ほとんどが都内での収録になります。
なので東京に住んでいないと声優の仕事はできない、っていうのが今までのセオリーでした。
ですが、宅録ができるようになって、地方や海外に住んでいる方も音声の納品ができるようになったわけです。
声優やナレーターとしてお仕事をしたいけど、やむを得ない事情で東京には住めない…という方が、宅録で頑張っていらっしゃるケースもよく見かけます。
私の場合は去年ワーキングホリデーで1年間オーストリアに住んでいたのですが、
その間も宅録でたくさんお仕事を納品させて頂いておりました!
本当にありがたいし、良い時代です…!
主婦の方も多い
SNSで同じように宅録を頑張っている方からフォローしていただく機会が多いのですが、
なんとなく肌感覚で、主婦の方が多いなぁ〜と思っています。
しかもママさん!
子育てをされながら、声優の仕事も…なんてすごすぎる…
昔は声優養成所に通って声優事務所に所属して、
スケジュールも全部合わせられないと声優できない!
みたいな感じだったけど、宅録市場が大きくなってきてからは「副業で声優をやる」という選択肢も出てきたのかなぁと思います。
そもそもが安定しない仕事なので、本業にするのはかなり難しいですしね〜!
ちなみに声優をやりながら他の副業をやっている、という方も多いです。
→声優・ナレーターはどんな副業をしてる?収入を分散させた働き方について語ってみた
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やっほい!声優ブロガーの幸田夢波です!