最近は声優の引退発表もよく目にするようになりましたが、
声優ファンの方にとっては「どうして引退するのか、細々とでも声優の仕事を続けることはできないのか」と思う人も多いと思います。
今回は声優の引退についてちょっと話してみたいと思います。
推しは推せる時に推せ
仕事の調整をお願いすることはできるけど…
事務所に所属している声優の場合は、事務所が仕事の管理をしてくれることになるので、
事務所と相談して、仕事量をセーブする、ということは確かにできます。
実際にそうやって仕事を続けている方もいます。
もともと体が強くなかったり、
女性の場合は妊娠や育児などの人生のステージに合わせて、仕事を少しセーブしてもらって
声優の仕事を続けていっている方もいるんですね。
あとは
一時休業、という形をとる方もいます。
ただこれは、あくまで「苦渋の選択」です。
というのも、今声優業界の需要と供給のバランスは大きく崩れています。
声優として活躍したい人がたくさんいすぎて、多くの声優が声優の仕事一本では生計を立てられていないような状況。
少しでも仕事をセーブしたら、そこから仕事が減っていってしまったり、
もしくは仕事がなくなってしまうんじゃないか、という恐怖とも戦わなきゃいけません。
私も学業に専念するために休業をしたことがあるんだけど、
本当に生きた心地がしませんでした…休業中は不安で不安で仕方なかった;;
声優の仕事があるのにも関わらず、仕事をセーブする、というだけでもかなり怖いことなんです。
そもそもある程度仕事をしている人じゃないと、
あまり仕事してないのにセーブしたいってどういうこと?
だったら別の人に仕事振った方がいいし…
と事務所にも思われなかねません。
仕事があるということだけでめちゃくちゃありがたい業界なので、仕事をセーブ、みたいなこともなかなかしづらいです。
→声優は病気だとなれないですか?という質問がすごく多いです。
スケジュール調整が難しくて仕事が続けられないことも
でも仕事量を調整できるのであれば、「引退して今後一切声優の仕事をしない」、というのではなく
少ない仕事量でも続けて欲しいと思うのがファンの心理だと思います。
でもそれができないケースも結構あります。
というのも、声優の仕事はかなり特殊で、特に一番大変なのはスケジュール管理の部分。
声優の仕事は前日に台本が上がって、次の日に急に収録が入る、ということが普通にある仕事です。
逆に、毎週スケジュールキープが入っていて、その日程を全部あけているのに、全部バラシ(お休み)になってしまって、結果的に全然仕事が入ってこない、ということもあります。
どんなに仕事量を調整したとしても、こればかりは制作の方の都合なので、声優事務所ではどうしようもできないことだったりするんですね。
なにせ現場そのもののスケジュールが押している、ということなので。
そうなってくると、物理的に声優の仕事を受けることができないから引退する、という人がいるのも理解できると思います。
例えば子育てをしていて、
「明日急に収録になりました!」と言われても、子供を預けられる親族や施設が近くにない暮らしをしていたら。
体調がいい日もあれば悪い日もある、自分の体と向き合わないと仕事をしていくことが困難な生活をしていたら。
そう思うと、やっぱり引退する、という選択肢しか選べない声優さんも多いんだと思います。
仕事を続けていくために、多少無理していても我慢してしまう人も多いです。
このせいで休業や引退が増えているようにも思いますね;;
自分を大切にしてあげてほしい…!
仕事をするためには東京に居なきゃいけない
現状では声優の仕事はそのほとんどが東京でしかできない、というのが声優の仕事を続けるためにネックになってくる場合もあると思います。
収録スタジオは都内に密集しているので、
大人数で集まって仕事をするようなアニメや吹き替えの仕事なんかは
やはり東京に住んでいないと参加するのは難しいです。
ナレーターさんとかだと基本が一人収録なので、地方でもご活躍されている方はたくさんいらっしゃるんだけどね!
ナレーションやゲームなどの一人で収録ができるものであれば、宅録機材を揃えれば東京にいなくても仕事ができるようになってきています。
私も最近は宅録納品が多いよ!
今はVR/AR技術も進んできているので
将来的には場所にとらわれない働き方が声優でもできたらいいな、なんて思っています。
大人数で収録するものは、どうしても環境音が違ったりして一つの作品に複数人のそれぞれの収録をのっけるのが難しく、
まだしばらく難しいかなぁという印象です。
国民的アニメ声優が引退を決断した理由は?
質問箱にて以下のような質問もいただいておりました。
大山のぶ代さんが引退された理由は、ご本人の口から語られない限り憶測になってしまいますので私からの回答はできませんが、
第一線でご活躍されていた方がご自分で決断されて引退されるということはよくあることです。
キャラクターの声を担当するのは声優個人だけど、キャラクターそのものは個人のものではありません。
たくさんの人がそのキャラクターを生かすために日々努力をし、想像できないほどのお金と時間と労力がかけられています。
そう考えるとめーーーーちゃくちゃプレッシャーじゃない??!!?!?!
そのプレッシャーを感じ続けるのも大変。
国民的キャラクターが歳を取ることはないけど、声優はどんなに頑張っても歳をとります。
今まで出来ていたことができなくなって行ったり、体調管理もどんどん難しくなっていくでしょう。
さらに毎週放送の番組の場合はアフレコは毎週行われますし、大きなタイトルは作品に付随してくる収録物もかなりものがあります。(コラボ商品とかおもちゃとかゲームとか)
毎週時間が空けば良いというわけでもなく、同じキャラクターの声を出し続けられなきゃいけない。
そのプレッシャーを背負い続けなくてはいけない。
自分的に納得できない状態が続いたりするとキツイと思います。
自分が声を担当している大切なキャラクターが、変わらず多くの人に愛されるためのご決断なのではないかな。
声優になるまでも大変だけど、続けていくのもかなり大変な仕事なんですよね〜!
読んでくれてありがとうございました!
ではっ
やっほい!声優ブロガーの幸田夢波です!