先日、
「声優の勉強をするには体の表現の勉強もしなくてはいけないのでしょうか?」
という内容の質問がありました。
よく声優になりたい人が間違ってしまいがちなのですが、
声優の勉強を最初にしてしまって、身体表現をおろそかにしてしまうことが多いです。
しかし専門学校や養成所などでは身体表現のレッスンも組み込まれているはず。
声の演技を勉強する前に体の演技の勉強をすることはとても大切なことだと私は思っています。
順番としてはやはり、
身体表現としての芝居を勉強してから声の演技に移っていた方が自然だと思う。
とはいえ私もきちんと演技の勉強をちゃんと長くしない間に声優としてデビューしてしまって
後から舞台芝居に目覚めた人間なので、動きがついた途端に「芝居って難しいなぁ」と思っちゃう、順番が逆だった人間なのですが笑
声優はもともと俳優さんの仕事
そもそも声優の仕事というのは昔は俳優さんの仕事だったそうです。
俳優さんが顔出しの仕事がない時にバイト感覚でやっていたのが声優の仕事なんだ、と言う話を聞かせてもらったことがあります。
今は声優になりたい人がたくさんいますし考えられない話ですよね。
でも昔の声優さんは俳優さんとして活躍されていた方々で、
身体表現のお芝居をメインでやられてた方ばかりだったというわけです。
芝居は「他人を生きる」こと
芝居というものはそもそも他人の人生を生きるということだと思っています。
キャラクターは確かにフィクションであって、作られたものであるかもしれないけど
そのキャラクターはそこで生きているように見えないと作品として成り立ちません。
じゃ生きているように見えるためにはどうしたらいいか、と言うと
より生きている人間に近い息遣いや台詞回しが必要だと思うんですね。
生きている人間というのは体を動かして生活をしてるから、やっぱり芝居をするには体を動かして表現をするというのが出発点になると思います。
体の芝居から動きをマイナスする
体のお芝居ができるようになって、こういう動きをした時にこういう声が出るんだなという研究をたくさんしてから
徐々に体の動きを引いていきます。
体が動かずしても体が動いてるような声が出るようになると、声優の演技ができるようになるんじゃないかなと思います。
それっぽい演技じゃなくて、本当にリアルに演技。
いわゆるアニメ的な表現みたいなものが最近では声優の演技だと思われています。
もちろんそれを求められる現場もあるとは思うけど、そうじゃない現場もあります。
やっぱり俳優さんが声優に挑戦すると、声優さんの声優の演技とまた少し違うなと感じる事ってありますよね。
アニメのゲストキャラとか映画の吹き替えキャストなんかでも、タレントさんが声優をやっていることがありますが
声優専業の人には出せない味を持っているタレントさんもいて、納得のいくキャスティングの時ってやっぱりあります。
是非そういう違いも聞き分けられるように、
さらにどこが良くてどこが違うのか、ということも研究してみてください。
よりリアルな芝居のことも「生っぽい」という表現をする時がありますが
そういう生っぽい演技を求められる現場もあると思います。
身体表現を伴う演技というのは、声優志望の人からすると難しく感じるかもしれません。
私も実際、声優として仕事をしながら初めて舞台に挑戦した時は、体の動かし方がわからなくて本当に苦戦しました。
でも舞台経験を積んでいくうちに、体で表現する方が本当は自然なんだと気づけた。
そこからマイク前の演技がもっと楽しくなりました。
声優を目指しているんだからマイク前の演技ができればいい、というのではなく
演技はいろいろな種類があって、求められるものは現場によって違うので、ぜひいろいろな演技を研究して吸収してみてください。
→声優の芝居にも色々な種類がある?作風や現場によって変わる演技
読んでくれてありがとうございました。
では。