声優になりたいという人が今はとても増えていますが
一口に声優と言っても色々な作品がありますし
それに伴って色々な声優の働き方があり、さらに色々なお芝居があります。
先日「シリアスな作品、ギャグ作品など作品の中身によってお芝居は変わるのですか?」という質問をTwitterのリプでいただいていたので
今回は声優の芝居の種類について少しお話ししてみたいと思います。
完成物が何なのかで変わる芝居
そもそもどういう完成物を目指して作品を作るのかということでもかなり声優の芝居というものは変わってきます。
例えばアニメ作品と吹き替え作品。
この二つをとっても大きくお芝居の仕方が変わってくるんですね。
まずアニメ作品というのは、声を当てる画となるアニメ映像が、まだ線画の状態で出来上がっていないことが多いです。
なので台本を読み込んで自分の想像などで補いながらお芝居をしていき
その後に画ができあがってくるような形です。
しかし吹き替え作品の場合はすでにオリジナルの映画があって、
ヘッドフォンもしくはイヤホンで原音(例えば洋画だったら英語)を聴きながらそれにかぶせるような形でお芝居をします。
映像も完成しているし、オリジナルの俳優さんがどのように演じているのかということを見ることができるのでその上にお芝居を重ねていくような形。
芝居のやり方自体がそもそも違うんですね。
他にもナレーションの仕事だったら芝居じゃなくて情報を伝えるということがメインになってきますし
幼児向けのものであれば、ゆっくりしゃべって子供にわかりやすく、さらに優しく伝わるような話し方になる。
その作品はどのような人が楽しんでくれるのかというところから逆算してお仕事をすることもあります。
なので作品が
- どのような完成物になるのか
- どのような媒体で発信されるものなのか
- どのような人がターゲットなのか
ということも芝居をする上で重要な情報となってきます。
ジャンルによって変わる芝居
ご質問いただいたように、作品のジャンルによっても芝居の種類は変わってきます。
例えばシリアス作品とギャグ作品でもお芝居の仕方が変わってきて、
特にギャグ作品だと
- スピード感がとても早い
- 緩急の付け方を大きめにした方が落としどころで落としやすい
みたいな特徴があることもあります。
もちろんこれは現場でディレクターに指示されることもあるだろうし
ギャグ作品といっても作品ごとに色が違うので何が正解というのではないのですが。
もし好きな声優さんがいるのであれば、その声優さんがジャンルの違うアニメに出ることもあると思うので
どんなジャンルでどのような芝居をしているのかということを注目しながらアニメを見てみたりするのも面白いかもしれません。
芝居には種類がある
お芝居そのものにも、色々な種類があります。
- 声優としてやる芝居
- 映像作品でやる芝居
- 舞台でやる芝居
これだけでも大きく違います。
声優の芝居の場合は、声だけで伝えなくてはいけない部分が大きいので声に乗せる情報というのがとても多いのですが
映像芝居ではそれをやるとやりすぎと言うか、大げさに聞こえてしまって芝居が浮いてしまったりすることもありますし
舞台の芝居の場合は観客席が奥行きがあるので一番奥に座っているお客様にも見えるように、かなり大きな動作をしながら芝居をすることもあります。
それぞれの作品によって、演出があると思うので正解はないのですが
それでも色々な媒体で表現をするという仕事をしていると、芝居にも色々な種類があるのだなと感じさせられることがよくあります。
声優でも、声優以外でも
表現する仕事を自分の仕事にしていきたいと思うのであれば
色々な媒体での表現の仕方というものを学ぶことが大切なのではないかなと思うので
是非自分の好きな媒体だけではなく、普段あまり触れないような媒体でも芝居を見てみるということをしてみてください。
必ず自分の勉強になると思います。
読んでくれてありがとうございました。
では。