声優になりたい、と思っている人がとりあえず目指すところは「声優事務所に所属する」というところだと思います。
今声優を目指している人の多くはやっぱりアニメ作品やゲーム作品に出演したいと思っている人が多いでしょうし、そういった作品に出演するにはやはり声優事務所に所属している、ということが条件になってくると思います。
フリーランスでアニメやゲームに出演されている方も少なからずいらっしゃいますが、そういった方達はどこかの事務所に所属していた経験があったり、それなりにキャリアを積まれてきている方が多いですね。
どこの声優事務所にも所属しないままフリーランスで売れていく、というのはなかなか難しい事だと思います。
なので声優事務所に所属する、ということを目標にすることは
声優を目指す上で間違ってはいないと思うんですが、
今回はそのためにも、リアルに、声優事務所に所属するメリット、デメリットについてお話ししてみたいと思います。
声優事務所に所属して仕事をした約8年とフリーランスでの活動があるからこそ見えてきたことです。
もくじ
事務所に所属するメリット
事務所から仕事を貰える
まず一番はやはり、声優事務所から仕事をもらうことができる、ということが大きな所属のメリットになると思います。
声優は資格職ではないので「声優です」と名乗ってしまえば始めることができるお仕事ですが
知名度がないままにお仕事をもらう、ということはなかなかできません。
そこに事務所が入って、
事務所のパイプを使って、「この新人売り出し中です!」というセールスをしてくれるわけですから、やはり新人声優にとってはこれが一番のメリットとなるでしょう。
事務作業を全部お願いできる
これはフリーランスになってものすごく感じることですが
一人で声優の仕事をやっていかなきゃいけないのと、事務所所属の声優になるのとでは、事務作業の仕事に大きな違いが出てきます。
事務所に所属していれば窓口が事務所になるので、クライアントからの連絡は全て事務所が対応してくれます。
フリーランスの場合は自分でこれをやらなくてはいけないので
何をしている時も携帯を気にしなくちゃいけない。
請求書も自分で書いて送らなきゃいけないし単価交渉もしなくてはいけない。
そもそも依頼がきた仕事を受けるかどうかの判断からやっていかなくてはいけません。
これがフリーランスの一番難しいところでもあると思うので、
やはり事務所の所属声優になるメリットと言えると思います。
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何かあった時に守ってもらえる
なかなかないですがクライアントと何かしら揉めてしまった時や
クライアント側からギャラが支払われなかった場合なども
事務所が守ってくれることがあります。
これがクライアント対個人になってしまうとやっぱり難しいけれど、事務所に所属していればクライアント対事務所、つまり会社が戦ってくれるので
こういった意味で所属声優はセーフティだと思います。
→フリーランスでギャラの未払い、ってよくある事。回避する為には?
箔がつく
箔がつく、という言い方が正しいかはわかりませんが笑
事務所の大小もあるけど、それなりの声優事務所に所属することができれば、「どこどこの事務所に所属している誰々」という認識になるので、それがクライアントや周りの人の評価にもつながるでしょう。
事務所って所属するだけでもものすごく難しいものですからね。
所属することができる、というだけで周りからある程度の実力を認めて貰えると思います。
中にはずっと預かり所属、という人もいますから。
事務所に所属するデメリット
では次に声優事務所に所属するデメリットについてお話ししてみたいと思います。
これが声優を目指している人にはなかなか見えない部分でもあると思うので
少し具体的に話してみます。
スケジュールがわからない
声優事務所の所属声優になると
自分のスケジュールを全て事務所に預ける、という形になる事が多いです。
もちろん事務所や個人の契約内容にもよりますが。
なので基本的には、お仕事が入っていないスケジュールのところもいつでも「仕事が入るかもしれない」という状態で待機しておかなくてはいけません。
旅行とかも行きにくいですし、泊りがけの宿泊の場合は事務所にスケジュールNG(仕事がきたら断ってください、という意味)を出さなくてはいけないんですね。
新人のうちはなかなかこれ、出しにくいです。
来るかもわからないお仕事のためになるべくスケジュールを空けておかなきゃいけないので、夜勤や早朝のアルバイトをしている人が多いですね。
受けたいオーディションを受けられない
実はフリーランスの場合は受けたいと思ったオーディションを好きなだけ受けることができますが事務所に所属している場合は「事務所所属者NG」のオーディションがあったり、
事務所から「他社のオーディションは受けてはいけない」というルールが課せられていたりして結構複雑なんです。
なので受けたいと思ったオーディションを受けることができるのはフリーランス。
自分で頑張ればいくらでもチャンスを作り出せるのも実はフリーランス。
もちろん事務所に所属していないと受けられないオーディションもたくさんありますけどね。
確認しなきゃいけない事だらけになる
事務所に所属していると、自分が行うエンターテイメントは全て権利が事務所帰属となるのが一般的です。
Twitterも自分で更新できないような事務所もありますし、写真に写るのも許されないこともあります。
どこまでが自由で、どこまでが事務所管理なのか、ということは事務所によって違いますがそれらを全て確認しなくてはいけません。
それを知らないうちに破ってしまったら契約違反になることもあります。
マージン高い
これは当たり前の話ですが、マネージメントをしてもらうわけですから、ギャラが入ってきたらそこにマージンが発生するものです。
事務所によって(もしくは個人によっても)割合は違いますが、
新人声優のギャラは単価が15,000円、というのが普通で、手取りは1万円近く、もしくはそれを下ることもあります。
サラリーマンが月に20万円稼いでるとして、その金額を声優が稼ごうと思ったら40万円近く稼がないと手取りが20万円以上になってこない、ということ。
これ結構悲しいことです。
とはいえ、マネージャーさんだって現場によってはずっとついててくれるわけだし、一人でたくさんの声優のことを見てくれるし…と考えると、そもそものギャラが少ないから、マージンのパーセンテージは高く見えても、マネージャーさんのお仕事量に対して相応のマージンをお支払いできるほど稼げていなかったな…と思います。
マネージャーさんやデスクさんも、大変なお仕事ですよね。
声優を目指している人はやみくもに声優事務所に所属することを目指してしまいがちですがこんな感じで事務所所属声優になる、ということにはデメリットもあります。
一度きちんと事務所に所属する、ということについてメリットデメリットを考え、整理しておくと良いと思います。
読んでくれてありがとうございました!
ではっ