ほとんどの声優が声優事務所に所属してデビューすることがほとんどです。
声優として活動している人の中には私のようにフリーランスで活動している人もたくさんいますが、
多く人が事務所に所属していた経験を持っている人で、
フリーランスでデビューする、というのはあまり声優業界ではありません。
というのも、お仕事は基本的には制作会社が声優事務所に振り分けるものだからです。
しかしこの声優事務所に「所属する」ということがいまいち理解できていない人も多いようです。
今回は事務所に所属する、ということがどういうことなのか、ということについてお話してみたいと思います。
所属はすぐなれるものじゃない
実は所属にもいろいろありまして、
正所属というのが一番しっかりとした所属の形になります。
これは声優事務所によっても違うのですが、
正所属の下に準所属があったり、さらにその下に預かり所属というものがあったりします。
所属にも階級がいろいろあるんですね。
事務所によってはその所属の階級の違いでマージンの割合が変わるところもあります。
預かり所属の下には事務所の養成所がついていることもあります。
ということはどういうことか、というと、
正所属になるまでってかなり長い道のりだ、ということです。
例えば預かり所属の段階でデビューが決まってメインどころの役をもらえたりなんかすると突然正所属になる、ということもできるわけですが、
預かり所属、準所属のうちはほとんどがモブです。
モブで力をつけていってから段階を踏んでメインの役を取りに行く、というのが王道パターンですね。
預かり所属になれても、お仕事がバンバンくる、というわけでもありません。
所属と契約について
所属のどんな階級であれ、事務所に所属するということはその事務所、つまり会社と契約を交わす、ということになります。
基本的には会社対個人、という形での契約になります。
事務所と契約する、ということは「声に関するお仕事は全て事務所に権利を渡す」ということなので
自分でお仕事を管理したり、お仕事を自分の一存で受けたり断ったりすることはできません。
所属するということはマネージメント対象な訳ですから、自分の仕事に関することは全て事務所が管理する、ということになります。
また声優も顔出しの仕事が増えてきています。
自分は事務所が管理する商品であり、「髪を切る」「日焼けする」といったことも本当は事務所に逐一確認するべき事項なのです。
もちろんこれも事務所によってそれぞれ違いますが。
最近は小さな事務所もたくさんできていて、多少ルールがゆるい事務所もありますが
基本的にはこういった心構えでいることをおすすめします。
契約違反になった場合は裁判沙汰になったり損害賠償を請求されることもありますので、
契約する時はしっかりと契約内容を確認しましょう。
自分で確認するのにいまいち自身がない人は先輩やそういったことに詳しい人にも相談してみてください。
声優プロとアマの違い
声優のプロとアマの違いはいろいろありますが、
現状ネットで声優まがいの仕事をできるところを見ると一番明確に違うと言えるのは「金額」だと思います。
事務所に所属している場合はこの「金額」の部分で事務所が不当な仕事を断ってくれることもあるので
所属しているとそういった面では有利だと思います。
ただ逆に、事務所が噛んでいる仕事なんかを適正金額より安い値段でやらなくてはいけなくなることもあるので
なんでも事務所任せにして言いなりになるのではなく、自分の仕事の適正金額をきちんと把握するようにしましょう。
自分が自分を安売りしてしまうと「安くで仕事を受けてくれる声優」から抜け出すことができなくなってしまいます。
プロになる前から意識を持つべき
声優としてデビューする前の人は「まだプロじゃないから」という理由で自分を低く見積もりがちですが
これからプロになっていくなら、プロになる前からプロ意識を持っていた方がいいと思います。
まだプロじゃなくても、自分の価値を守るために安い仕事は受けない。
まだプロじゃなくても、仕事は断ってもいいんです。
自分の価値は自分で守りましょう。
適正金額をきちんと勉強しておくことも大切です。
事務所に所属する、というのは法的な力を持つ契約なので、安易に同意せず、しっかり自分のためになる契約かどうか考えましょう。
声優事務所を謳っているから全てが正しい、というわけでもありません。
事務所が間違っている、あるいは詐欺まがいのことをしていることだってあります。
声優は事務所に所属していても個人事業主ですから、そこをきっちり見分ける目を養いましょう。
→フリーランスでギャラの未払い、ってよくある事。回避する為には?
読んでくれてありがとうございました。
では。