実は声が思うように出ない状態が1年以上続いた経験があります。
すでに声優としてデビューして活動していたし、歌うことが大好きだったので、「これから何を楽しみに生きていけばいいんだ…?」くらい落ち込みました…
いくつも病院に行ったけど、結局原因はわからず、ストレス性だろう、という診断になりました。
今思い返すと、心理的なものが大きかったんじゃないかなと思います。
声優にとって声が出ないというのはかなり危機的状況で、恐ろしくていろいろ調べたので
声が出ない時に考えられる原因と、その時に行くべき病院について経験を踏まえてお話します!
もくじ
どんな症状だったのか
私の場合は全く声が出ない、というわけではなく、
声を張ろうとすると喉が締め付けられるような、違和感みたいなものが襲ってきて、綺麗にまっすぐな声を出せなくなる、という症状でした。
特に歌う時に、地声で歌おうとすると全部声が震えちゃうみたいな感じ。
あとはうるさい場所で声を張って喋らなきゃいけない時に、やっぱり声が張れなくて、基本はファルセット(裏声)になってしまう。
ファルセットを強めに出せば声自体は出るので、周りに「声が出ない」と言っても、
声出てるよ大丈夫!
と言われるだけで、なかなか理解してもらえませんでした。
これも辛かったのかも笑
声を出そうとするとそれに対する恐怖心がまた出てきてしまって、その恐怖心のせいで喉に変な力が入っていたのかもしれないです。
デッドスパイラルな感じはありました…
アニソンでパンチのある歌が好きだったので、そういうのが全く歌えなくなってつらみだった。
声が出ない時に考えられる原因
声が出ない原因、私も病院に行く前に色々検索しました笑
声の出しすぎ
声を使いすぎると声帯が疲れてむくみます。
声帯はVの字になっていて
声を出す時はそのVの字が閉じて、その振動で声が出るようになっているんですが、
声帯がむくんでしまうと声帯がうまく閉じられなくなり、声が出ないという状態になるんですね。
ちなみにこの場合、必ずしも痛みがあるわけではありません。
痛みが必ずあれば、逆にわかりやすくていいんだけどね、、
声帯周りが赤くなって炎症を起こしていることはあるけど、特に痛みはないことも多い。
痛みにはないのに声が出ない。
見える場所にないから余計難しいですよね〜
とりあえず喉を使いすぎたなと思ったら規則的な生活を心がけてたくさん寝ること。それでも解消しない場合は病院行った方がいいです。
ちなみにお酒を飲んでカラオケによく行ったりする方は要注意!
お酒飲んでカラオケに行くのは喉にものすごく負担がかかります。
→お酒を飲んでカラオケに行くと声がかすれる、その原因と対策!
声帯ポリープ、声帯結節
声の使いすぎによって声帯のVの字のところにポリープやコブができてしまうと
やはり声帯のVの字がうまく閉じなくなってしまい、声が出なくなったりかすれたりします。
仕事などで声を使う機会が多い人がなりやすい病気です。
歌手の方でもたまにポリープ手術されている方いらっしゃるよね…
普段からケアをしていても、慢性的に喉を使いすぎているとなりやすいと言われています。
可能であれば、声を使う仕事をされている方は、きちんと休息をとるように普段から心がけましょう。
ちなみに声帯は光の刺激や音を聞くだけでも動いてしまうので、「声を出さない」だけでは充分には休めません。
寝るのが一番!
ストレス
極度のストレスなどが重なると声が出ない、ということが起こることがあります。
私の場合は多分これでした。
特に喉のダメージや症状が見られるわけではないのですが、声が出にくかったり、声を出すこと自体に不安を感じたりするようになります。
不規則な生活をするのもよくないです。
仕事自体が不規則な人や、大きなストレスを感じながら生活している人は要注意。
私が声が出なくなった時期は受験と浪人時期で、お仕事を休養しなきゃいけない時だったんですよね。
嫌いな勉強もしなきゃいけない上に、せっかく声優としてデビューしたのに、休養しなきゃいけないなんて…復帰してもお仕事もらえないんじゃないか、みたいな不安の闇に落ちていました…
とにかくお医者さんに診てもらおう
耳鼻咽喉科へ
まずは耳鼻咽喉科に行ってください!
行ったことありますか耳鼻咽喉科!?
だいたいの場合、経鼻内視鏡といってチューブ状のカメラになっている機械があるのですが
それを鼻から挿入して喉の奥を直接見てくれます。
ちょっと気持ち悪くなってえずくこともあるかもしれませんが
ヴォェエエエエ!!!!
自分で見ることはできない場所なのできちんと見てもらいましょう。
そもそも空洞になっているところにカメラを挿入するだけなので、楽な姿勢をとっていれば痛いことはありません。(いまだに私えずくけど)
カメラがモニターにつながっていて、自分で自分の喉をみることもできますし、印刷して渡してくれる病院もあります!
初めて自分の声帯見た時は感動した〜〜〜
軽い炎症程度なら吸入して終わり、という感じです。
耳鼻咽喉科で吸入した時に「喉潤った〜〜!」ってめちゃめちゃ感じたので、
自宅でも水道水で吸入ができる吸入器そ即ポチりました笑
耳鼻咽喉科に行った時の話は別記事で詳しく書いているのでそちらもどうぞ!
音声外来も行ってみた
耳鼻咽喉科では声帯には問題ない、綺麗な声帯だ!と言われたのですが納得できず…
声帯綺麗だったのは良かったけど、声が出ない問題は全く解決できてないんだもん
私は耳鼻咽喉科で紹介状を書いてもらって音声外来というところに行きました。
大きな大学病院の音声外来だったんだけど、
音声外来の場合は耳鼻咽喉科と違って、話し方の研究を一緒にしてくれたんですよね。
周りはおじいちゃんおばあちゃんばっかりで、
その中にポツンと19歳くらいの私が座ってたのでめちゃくちゃ浮きました笑
他に音声外来に来ていた方は、加齢とともに声が出にくくなってきた、という方が多かったんだと思う笑
原稿を読んでそれを録音してくれて聞かせてくれたり、(これも音声波形が見えるような特殊な機械でしっかり調べてくれた)
声が出る原理を学んだり、少しボストレーニングに近いような診察内容でした。
いわゆる診察、って感じじゃなくて、一緒に声の基礎から学んでいこうねって感じ。
先生もじっくり時間を割いて喉の様子を一緒に研究してくれますし、
保険がきくのでボイトレに行くより正直安いです笑
あと女性の先生で優しかったァ(だいじ)
原因がわからない場合は音声外来に行くのがいいと思います。
声がどのように出るか、という話が多かったので、普段からボイストレーニングに通っているとさらに解決策も見つかりやすくなるかもしれません。
今まで声って当たり前に出ていたものだったから、その原理とかを勉強したことがありませんでした。
でもこの声が出なくなって音声外来を受診したことをきっかけに、
- 声って何で出来ているんだろう
- どんな筋肉をつかって出ているんだろう
- 身体の中ではどんなことが起こってる?
みたいな、解剖学的な観点での疑問が出てくるようになりました。
今もそういう観点から勉強をして、講師として教えるお仕事もさせていただいています。
基礎から学ぶことで、今まで理解できていなかった声の構造を知ることができて、
少しずつ声が出るようになっていったんですよね。
勉強していったら
- あ、ここに余計な力が入ってるな
- 口から息は出てるけど、鼻に息が通ってないな
- 意外と鼻通り悪いのか私?(後から検査したら鼻曲がっててめっちゃ鼻腔狭かった)
- 出したい声のボリューム感と息のボリューム感が合ってないわ
みたいな、論理的な欠点を見つけることができるようになりました。
人にもよるとは思うんだけど、私は直感タイプではなく論理タイプなので、
説明ができるものじゃないと修正していけないんですよね。
そういう考え方ができるようになってよかったな、ってすごく思います。
ちなみに解剖学的観点から勉強をするのにおすすめの本がこちら!
最近出た本で、これに出会った時は感動しました〜〜〜
発声に関わる人体の構造や動きがイラストで解説されています。(かなり難しい本ではあるのだけど面白い)
19歳の時の自分にこれ読ませてあげたかった笑
当時はこういう情報、なかなかなかったんですよね〜
普段から喉のケアを大切に、病院もメンテナンス感覚で行こう
私の声が出ない症状は結局極度のストレスが原因だったんだと思います。
今は声の構造を理解して声を出すことが出来ているので、多少不調があっても一つ一つ確認していけば大体原因が見つかって修正ができるようになりました。
声って本当に目に見えないから扱うの難しいよね〜
ただ、ストレスではなく炎症が起きている場合もあるし、
大きな病気じゃないと病院に行っちゃいけないというわけじゃないので、
声をよく使う人、声の仕事をしている人はメンテナンス感覚で耳鼻咽喉科行って大丈夫です!
ちゃんと専門の先生に診てもらいましょう!
そして普段から喉のケアをしながら生活することも大切。
特に一番大事なのはやっぱり規則正しい生活を送ることです。
本当に「なんだそれだけか」って思われるかもしれないけど、たったそれだけのことがめちゃくちゃ声のステータスに影響します。
普段は見えない部分ですから、しっかりいたわってあげてください。
読んでくれてありがとうございました!
ではっ
やっほい!声優ブロガーの幸田夢波です!