モブという言葉を聞いたことがあるでしょうか?
業界用語だと思うんですが、
今回はこのモブ、という言葉の意味とモブと声優の関係についてお話ししてみたいと思います。
モブって何?
モブキャラクターと言われたりすることもありますが、
このモブというのはメインキャラクター以外のその他大勢、群衆のキャラクターのことを指します。
アニメを見ていてエンドクレジットに注目してみると
- 女子生徒A
- 女子大学生B
- 村人1
みたいな表記があると思うんですね。
これがいわゆるモブと言われるやつです。
エンドクレジットに役名がなくて、声優さんの名前がいっぱい書いてある時もあるますが、あれもモブです。
モブはどんな声優が起用される?
モブの声優はだいたい新人、特にデビューしたばかりの新人声優さんが起用されることが多いです。
これはまだ知名度が高くなくて、事務所がとってきてくれる仕事の枠みたいなもの。
このモブをたくさんこなすことによって、いろんな現場に顔を出し、スタッフさんやクライアントさんに覚えてもらうことができたら
今度は指名でお仕事をもらえたり、スタジオオーディションに呼んでもらえたりするような声優さんになることができる、という流れなんです。
なので、声優になりたい、と思ったらいきなりフリーランスとかはやっぱり難しくて
声優事務所に所属するところからみんな始めるわけです。
モブ声優のギャラは?
モブの場合は作品の中でも一言二言しかセリフがないことが多いですが、
アフレコ前にもらう台本やリハVには間違いも多く、現場で修正が入ることも多々あります。
そしてただでさえ少ないモブのセリフが削られちゃったりすることもあります笑
そういう場合はセリフがなくなっちゃうこともあって、ガヤしか参加できないこともあったり…。
新人声優の場合は収録に参加することができるだけでも経験や勉強になるからとてもありがたいところなんですが、そんな切ないこともあります。
気になるギャラですが、
声優のギャラはランクで決まり、1本いくら、という換算なので、
セリフが一言しかないモブの場合でもメインどころを演っている新人声優さんとギャラは変わりません。
アニメの場合はは15,000円が相場なので
モブとしての参加でたとえセリフが一言だとしてもギャラは15,000円です。
モブの面白いキャスティング
モブは基本的にデビューしたて、もしくは「この収録がデビューなんです」という声優さんが多いですが、
たまにものすごいベテランの声優さんがモブにキャスティングされることもあります。
それは
「大物声優さんなのにモブ?!」という面白さを狙っているようなところがあるんです笑
多分それはアニメが好きな人ならエンドクレジットを見ていればすぐにわかることでしょう。
アニメを作っている人たちは常に笑ってもらえるような仕掛けをしようとしているんです。
でもベテラン声優さんの場合は当然ですがランクがついている声優さんなので
新人を起用するよりずっとギャラが高いんですね。
だから余計に面白いようなところがあるんです笑
大物声優さんなのにモブとして一言しか喋らないのにギャラが高いというパラドキシカルな感じ。
みんなそういうの大好きですからね。
モブ声優のメリット
モブ声優ってやっぱりメインどころの役ではないからあんまり注目されないし、メインの役や名前のある役をもらえるようになりたい、と思うものですが
実はモブのメリットもあります。
役名があるキャラクターに起用されると、そのキャラクターの出番がある時のみしか収録に行くことができません。
主人公だったら毎回出番はあるかもしれないけれど
ラスボス役だったり途中で死んじゃうキャラクターとかだとワンクール(だいたい12話)のうちの数話しか現場にいけないこともあるんですね。
でもモブの場合は、毎回違う役になるかもしれないけれど、ちょくちょく現場に呼んでもらえる可能性が高いんです。
お仕事のキープもレギュラーとしてもらえたりします。
コンスタントに現場に行って学ぶことができるし、毎回ギャラも出るわけで、
モブとして使ってもらえるって実は良い事がいっぱいあるんですね。
でもやっぱりメインキャラクターやりたいって気持ちはみんなありますけどね笑
最初の3年が勝負
声優にはランク制度というものがあり、声優としてデビューしてから3年のうちに
どれくらい仕事をしてどれくらいスタッフさんに覚えてもらえるか、
そして知名度をあげることができるか、というのが
これから息の長い声優として活動することができるかどうかがかかっている一番大切なところです。
モブも含めて、たくさん仕事をするのが最初の3年の目標でしょう。
読んでくれてありがとうございました。
では。