最近の声優さんは起用される際にプロフィールを重視されることがとても多くなってきました。
声優オーディションではまず、プロフィールとボイスサンプルを最初に送ります。
基本的にそれが一次オーディションですね。
声優の仕事のメインは声の芝居のはずなのに、なぜプロフィールが重視されるようになってきたのでしょうか?
今回は声優がプロフィールを重視されるようになってきた理由についてお話してみたいと思います。
声優業界が供給過多
最近は声優が求められる作品も多くなったけれど、
それ以上に声優という仕事をしている人も、声優になりたいと思っている人も増えてきました。
人数が増えるということはつまり、それだけ差別化が求められる、ということです。
例えば自分が選ぶ側の立場だったらよくわかると思うんですが
10人の中から3人を選ぶより、100人の中から3人を選ぶ方が大変ですよね。
100人の中から3人を選ばなくてはいけないようなことになったら
10人の中から3人を選ぶよりももっといろんなところを詳細に見て、吟味して、3人を選ぶと思うんです。
つまり、声の演技だけでなくプロフィールや他の部分もキャスティングするための判断材料として見られるようになった、というのが
声優がプロフィールまでも重視されるようになった理由の一つだと思います。
供給過多である現状が、本当に声優業界では問題になっています。
声優のドル売りの増加
最近は声優のアイドル化が激しくなってきていますよね。
これもまたプロフィールが重要視されるようになっている原因だと思います。
声優のオーディションのはずなのに応募資格に身長何センチ以下、というのがあったりすることもあります。
作品がその後の展開を視野に入れて声優のキャスティングをしているんですね。
声優のアイドル化に関しては否定的な意見もありますが、業界の今の状況を考えると仕方がないようなところもあります。
ただ、やっぱり顔出しの仕事が増えるなら、その分役者を守るシステムも整って欲しいな、と思うのですが。
作品数の多さ
1クールの中で放送される作品の数も本当に多くなってきていて、昔は放送しているアニメの3話くらいまでは全部見てたもんでしたが
いよいよ追いきれなくなってきました。
これだけ作品数があると、やっぱり作品同士の差別化もまた作品を売るために必要になってきます。
そうすると声優も他の作品とは一味違ったキャスティングをしたいんです。
先述したように声優がアイドル化してきたせいでイベントやラジオも作品と合わせてすることが多くなったので、
プロフィール的に見ても面白い人、魅力的な人、ウケそうな人を積極的にキャスティングしたい、というのが制作側の意見でもあると思います。
声優の仕事が多岐に渡ってきた
声優の仕事は元はといえば声の仕事がメインですが、
最近ではアニメに出演してメインキャラクターとして起用された場合は、必ずと言っていいほどイベント出演やラジオ出演のオファーがくるようになりました。
声優の台本があって芝居をする、という仕事ではなく、フリートークが求められるような仕事が増えたんですね。
つまりプロフィール的に面白い声優さんだと、ラジオやイベントという展開を考えた時に
面白い話ができるかもしれない可能性も高まる、ということなんです。
声優が面白くて愛される、ということは作品が愛されることとニアイコールだと思うんです。
今や出演する声優さんの名前を見てその作品を見るかどうかユーザーが判断する時代。
そう思うと声優の責任ってとても大きいです。
→声優の芝居にも色々な種類がある?作風や現場によって変わる演技
選ばれるためにプロフィールはとても大事
何よりもプロフィールはその人がどんな人なのか、ということを伝えるためのものです。
まだ会ったことがない人に、「この人は一体どういう人なのか」ということを伝えるためのものです。
そしてその人は「一緒にいい仕事ができる人」を探している人であって
声優として起用してもらうためにはまだ会ったことがない人に、
プロフィールを見て「この人と一緒に仕事をしてみたい」と思ってもらわなくてはいけないんですね。
だからこそ、顔出しの仕事がメインじゃない声優にとってもプロフィールというものはとても大切なものなのです。
どんな雰囲気で写真を撮影するのか、どんな色のどんな形の服を着ている写真にするのか。
そんなことまできっときちんと考えなくてはいけないのが今の声優業界だと思います。
声優になりたいという人はよく声優になるための、技術的な練習をしている人が多いと思いますが、
もしアニメ系の自分自身の露出の多い仕事をしていきたいと考えているなら、
自分の見た目や印象から考えてプロフィールを作っていくことも大切だ、ということをぜひ意識してみてください。
読んでくれてありがとうございました。
では。