声優を目指している人は、声優事務所に所属することが目標になってしまっている人が結構います。
あるいは声優としてデビューすることが目的になってしまっている人。
もちろん最初の目標はそれでいいかもしれません。
でも最終的な目標が、デビューや声優事務所への所属になってしまっていたら、それは間違いなんです。
実は声優事務所に所属をして、声優デビューしている人はたくさんいます。
声優としてデビューするのももちろん難しいですが、デビューして声優という仕事を経験したことがある人はたくさんいるんです。
声優事務所に所属してからも悩みは絶えません。
声優事務所に所属してからその先の悩みについてお話してみたいと思います。
仕事がこない
声優事務所に所属しているからといって声優の仕事がくるか、というとそういうわけではありません。
声優事務所に所属していても、事務所から仕事をもらうことができなければ声優の仕事はできないんです。
声優事務所に所属しているのに1年間全く仕事がなかった、1、2本しか仕事がなかった、というのはよく聞く話です。
確かに声優事務所に所属すれば、その事務所が持っている仕事を振ってもらえる可能性はあります。
ただ、事務所の規模によっては、その声優事務所に所属している人がかなりいるわけです。
でも事務所にくる仕事は限られている。
つまり事務所に回ってきた仕事さえ、所属者同士で取り合いになるということですね。
オーディションを受けてたくさんの人の中から選ばれて声優事務所に所属できても
さらにそこからまた戦いがある、ということなんです。
オーディションが受けられない
上記のことは仕事だけではなくオーディションでも同じことが言えます。
声優事務所自体に依頼がくるオーディションというものがあるんですが、
それも「こういうキャラクターに合いそうな声優さんのボイスサンプルを御社から3名出してください」みたいな形でくるわけです。
そうすると声優事務所のマネージャーさんやデスクさんの判断で、事務所内からオーディションを受ける3人のボイスサンプルを提出しますが
その3人の中に入れなかった声優はオーディションの存在すら知らないままになってしまうのが普通です。
つまりそういった事務所内の選考の中に入っていけない声優はずっと仕事もオーディションも事務所からもらえないまま、ということ。
さらには、事務所によっては自発的に外部のオーディションを受けることを禁止している、もしくは制限している事務所が結構あります。
声優のオーディションは一般公募のものもあり、事務所所属者でも受けられるようなオーディションとかもあるんですね。
しかし事務所がNGを出した場合はそういうオーディションも受けることができません。
これは舞台でも同じことが言えます。
拘束期間の長い舞台は事務所からNGが出てしまう。
もし外部オーディションを受けることができれば、そのオーディションこそ受からなくても立派な営業の場になります。
新しくお知り合いになれる方もいるでしょう。
でも事務所に所属しているせいで受けることができない。
そんなこともある。
こういう場合は事務所に所属している意味がないんじゃないか、と思えてきてしまいますよね。
新しい仕事やオーディションはもらえないし、自分で努力しようにも営業をかけることもできない。
だから事務所を移籍したり、フリーランスになったりする人がとても多いんです。
契約期間がある
ただ、声優事務所を退所するにしても、事務所に入る時に交わした契約書があります。
声優事務所にこれから所属しようとしている人にはここを特に気をつけていただきたいんですが、
声優事務所に所属する時の契約書は結構自分にとって不利に働く項目が多いことがあります。
例えば、契約更新が1年毎とかじゃなくて数年毎だったりすると、事務所を退所したいと思ってもすぐに退所できなかったり、
事務所を退所してから一定期間は他の声優事務所に所属しちゃいけない、という約束があったり。
いろいろです。
中にはやっぱり結構ひどい契約もあります。
だから声優事務所に所属することをゴールにしないでほしいし、
お金のやりとりや契約を新しく結ぶ時には
本当にそれでいいのか、ということを一旦落ち着いて冷静に考えてみてください。
有名な声優事務所だから大丈夫だろう、ということではありません。
自分が本当にそれでいいのか、
自分がやりたいことと逸れていなか、ということをぜひ考えてほしいです。
実際に声優事務所に所属している人でも、事務所との契約内容のことで悩んでいる人はたくさんいます。
なってみないとわからないところもあるのだけれど、
やっぱり声優を目指す人には知っておいてほしいことです。
芸能系の事務所なんかはもっとよくある話なんですけどね。
声優事務所に所属することがゴールじゃない
声優事務所のあれこれについてお話してみました。
自分が「こんなはずじゃなかったのに」と思わないためには
自分の目標がしっかりしていることが大事だし、そこから逆算して今決断をしていくことが大切です。
もちろん、声優事務所によっては、営業もしてくれるけれど、自分で自分をマネジメントすることに対して寛容な事務所もあります。
自分で努力してできる仕事を増やしていきたい、という人はそういう声優事務所を選んでみるといいかもしれません。
自分のことをしっかりバックアップしてくれる、と感じる声優事務所を選ぶことも大切です。
読んでくれてありがとうございました。
では。