講師業をしていると生徒さんから、
声優になるために今からできることを1つだけ言うとしたら何ですか?
という質問をいただくことが多いです。
正直言うと、そんな奥義みたいなもんはありません。地道に基礎練習いっぱいしてください、っていう感じです。(突然の塩対応)
基礎練習はとりあえず毎日やって頂くとして…
この手の質問を頂いた時、私は必ず同じことを答えています。
人生を楽しんでください!
壮大ですね…
そう、壮大なんです。
でも私は一番大切なことだと思っています。
アニメに出たいからってアニメばっかり見てちゃだめだ
このブログでは何度も言っていると思いますが、
アニメに出たいからってアニメばっかり見てたらダメだよ
という言葉は、昔音響監督さんに言われた言葉です。
これってクリエイティブ方面ではどんなジャンルでも当てはまることだと思うのですのが、
やっぱり視野が狭いっていうのが、表現をしていく上で一番怖いことだと思うんですよね。
アニメばっかり見ている人のお芝居は「どっかのアニメで見たような芝居」に収束していってしまうのです。
それではきっと新しいものは生まれていきません。
もちろんアニメに出たいからアニメをたくさん研究する、ということも大切です。
でもアニメ以外にもエンターテイメントはたくさんある。
じゃぁ外画(吹替作品)やゲームのお芝居とアニメの芝居の違いってなんだろう?
声優の芝居と俳優の芝居の違いってなんだろう?
そうやってどんどん枠を広げていくことによって、より自分の求められているものが見えてくるっていうのはあると思います。
だから気になった作品はアニメに関わらずいっぱい見た方がいいし、
「楽しいから見る」だけではなくて「研究として見る」にシフトした方が良い。
つまらないと感じる作品もあるかもしれないけど、「じゃぁなんでつまらないと感じるのか?自分はどうしたら面白いと感じられるのか?」というのもまた一つ研究だと思います。
好きなことを仕事にするということは、好きだけではいられないということでもあります。
この覚悟は必要かな、と思っています。
実は「研究として見る」というのが染みつきすぎて、大好きだったアニメが全然見られなくなった時期が私にはありました…
メンタル的にキツくなってくる時もあります笑
色々な経験が、お芝居を深くする
尊敬する諸先輩がたとお話しをしていると、
え!?そんなご経験を!?!??!?!
とびっくりしちゃうようなご経験をされている方が本当に多いです。
そういうお話を聞くと、
そりゃぁ面白い芝居が出てくるわけだ…
と思うんですよね。
例えば
- キャラクターが剣道をやっていたから剣道を習いに行った
- もうすでに相当なキャリアがあるのに声楽やオペラを改めて勉強し直して新しいスタイルを確立した
- 大人になってから大学に入り直した
- 教師として定年まで働いてから声優デビューした
などなど…
みなさんおいくつになっても新しいことにチャレンジして、パワーが鬼な方ばかり。
人生をかけて見た景色、知ったこと、体験したこと、その全てがその人の表現の肥やしになると思っています。
とか言って、私も昔は
声優なんだから声優の勉強しなきゃ!
と思っていました。
でもすごく視野が狭かったなぁって今では思います。
今は声優ももっと自由な働き方ができるんじゃないかな、と思って国内外たくさん旅をしながら声優業をしていますが、
やっぱり見たことがある景色がたくさんあると、原稿を読んでいて見えてくる景色も増えるんですよね。
教科書で絶対に出てくるベルリンの壁。
ここを越えようとして撃たれて亡くなった方がいっぱい居たんだよなぁ。
ちょうどスペインを旅していた時に「ポケットモンスター スカーレット・バイオレット」が発売されてたんだけど、舞台「パルデア地方」は、スペインがモデルとされているとのこと。
今まで、
異世界って二次元の中にあるものだよな
と思ってたんだけど、今は
異世界って現実にもあるわ
って思っています笑
ナレーション原稿を読んでいて「あ、この地名!行ったことある!」ってなることも増えたし、
「このアニメの雰囲気はあの国に似てるな〜」なんて思うことも増えました。
そうやってどんどん二次元の解像度が上がっている感じがします。
これは私なりの人生の楽しみに方なので、世界中を旅するのが正解と言いたいわけではありません笑
ただ、自分の好奇心を満たしていくこと、人生を楽しんでいくこと、人間として深くなっていくことが、表現の幅を広げてくれるのだと信じています。
→実力はあると言われるのに声優として売れない…というご相談に答えます
新しいことにどんどんチャレンジして欲しい
とにかくまだ知らないものを知る、ということが人生を楽しむということかな、と個人的に思っていて、
年齢を重ねれば重ねるほど億劫になっていくものでもあるように思います。
新しいことって言っても、ちょっとしたことで良くて、例えば
- いつも通ってる道をちょっと別の道に変えてみる
- お昼に知らないお店でランチしてみる
- 新しい曲を覚える
- 新しいコミュニティに入って、友達を増やしてみる
そんなことで全然良いと思います。
そういう小さな「新しいこと」の積み重ねの中に、ヒントが隠されているんじゃないかな、と。
これが私が思う「声優になるために今からできること」です。
これをしたから声優になれるというわけではないんだけど、現場でご活躍されている方はやっぱりこういう方が多いです。
声優になりたい、と思っている方はぜひいつも視野を広げて考えてみるということを大切にしてください。
→声優志望から事務所に所属せず宅録デビュー!?その経緯を聞いてみた!
読んでくれてありがとうございました!
ではっ
やっほい!声優ブロガーの幸田夢波です!