声優が働いている時間がどれくらいか、というのを知っているでしょうか?
実は声優は、かなり働いている時間自体は短いものです。
作品にもよるのですが。
今回は声優の仕事時間についてお話してみたいと思います。
アニメ収録
アニメ収録は基本的に3〜5時間程度で収録が終わります。
厳密にいえば、
その収録が決まったあとに台本やリハVのチェックなどもやるので、
その時間も仕事の時間といえば仕事の時間です。
原作ありきのものだったらその原作を読んで仕事に臨むことがほとんどですから(敢えて原作を読まないということもありますが)
その原作を読んで役作りを考える時間も仕事時間といえば仕事時間でしょう。
ただ30分アニメを作る制作スタッフとして動いてくださっている方に比べると
やはり声優の仕事時間は極端に短いよなぁ、と感じることが多いです。
知人のアニメーターさんなんかは一週間家に帰れずに仕事をしていることもよくある、というお話をされていたので。
吹き替え作品
作品にもよりますが、
洋画の吹き替えの場合は一日かけて収録する、ということがほとんどです。
朝10時頃からスタジオで収録が始まり、夕方、もしくは深夜まで収録が続くこともあります。
とはいえ1日で仕事が終わるのですから
元の洋画を作品として完成させる時間に比べると声優が仕事をする時間はすくないですよね。
ドラマ作品の吹き替えだと、洋画に比べて尺が短いことが多いので一日に2本、3本と収録することもあります。
ナレーション・ゲーム
ナレーションやゲームなどの仕事は一人で収録をすることになるので
自分の原稿・セリフがどれくらいあるか、ということに大きく左右されます。
原稿が少ないものに関してはかなり短い時間で終わります。
テレビCMの場合は15秒か30秒の尺のものが一般的ですから
あまりディレクションが入らない場合は30分以内で終わることもよくあります。
テレビ番組のナレーションなどで、30分や1時間番組だったりすると、その番組の尺分はやっぱりかかるイメージですが
基本的に大勢で収録するものよりも一人で収録する仕事の方が早く終わります。
人と人のセリフがかぶったりしていないか、だとか
それによる別録りをしなくていいか、といった確認作業が少なくなるからです。
仕事の時間がどれだけ短くなるかは自分の出来次第、といった感じ。
なるべく早く仕上げられるとそれだけ「出来がよかった」と思えて嬉しかったりします。
ゲームの仕事は特に顕著で、ワード数が少ないと数分で仕事が終わることもあります。
色々な状況がありますから仕事が短い時間で終わったら短い時間で終わった方がいい、と一概に言えるわけでもありませんが、
自分が滑舌などでつまずいて収録が思うように進まない、とかだとスタッフさんにも申し訳ないので
やっぱり一発でOKがとれるのが嬉しいですね。
仕事と仕事以外の境界が曖昧
先ほどもお話しましたが、「収録」という単位で仕事時間を定義すると
声優の仕事はとても仕事をしている時間が短いと思います。
ただ、「仕事に関わることをやっている時間」という定義で考えると、結構長いこと仕事をしています笑
役作りにものすごく悩んで何時間も台本とにらめっこすることもありますし
私は台本の内容をより理解したくてイラストを描いたりすることもあるのでそういった時間も仕事の時間といえば仕事の時間なのかもしれません。
オーディションも仕事だと思えば、かなり時間を費やしていると思います。
なので、収録、という時間で考えれば新人声優でもかなり時給のいい仕事のように見えるのですが、
収録のための準備もたくさんあるので、結局声優はあまり儲かりません。笑
それでも、仕事に関わることをしている時間は自分にとって楽しい時間です。
役作りや原作の読み込み、原稿のチェックも仕事、なんてとても幸せなことですよね。
収録単位で考えれば声優の仕事は極端に短いですが、
仕事と仕事以外の境界はかなり曖昧です。
外で仕事とは全然関係なく友達と遊んでいたりしていても、ふっと役のことを考え出したり
役作りのために頭を巡らしていることもあるのですから。
読んでくれてありがとうございました。
では。