以前は事務所に所属してい声優業をしていましたが、フリーランスになってからは「お仕事も自分でとってこなきゃ!」ということで、色々ネットを検索していたりしていたんですけど、
例えばクラウドワークス とかココナラ とかで声優のお仕事を受けてる方達って単価200円とか500円とかザラなんですよね。
最近はYouTube広告とかのナレーションとかもありますから、ネット声優、宅録声優にとってはお仕事の数は増えて喜ばしいことだとは思うけど、
やりたい人も多いこの業界、どんどん価格競争になっているなぁという印象です。
本当は私も声優のお仕事たくさんしたいけど、それでも単価を下げてしまうと良いお仕事ができないと思っているし、自分の値付けはしっかりやらなきゃな、と思うんですよね。
というのも、あまりに激安な案件というのは、お仕事の内容も結構ひどいものが多いのです。
私が運営しているオンラインサロン、夢波サロンや質問箱なんかでもよくご相談いただくんですけど、「とにかく経験を積みたくて」みたいな感じで激安単価で仕事を受けている方、お仕事の内容の酷さに疲弊していることが多いです。
実際に相談があった内容も踏まえて、単価激安案件の危なさについてお話してみたいと思います…!
もくじ
納期の鬼:夜中に原稿がきて早朝納品
激安案件のよくある特徴なんですけど、納期が本当に鬼なんですね。
一番やばいと思ったお話は夜中に原稿がきて、それを明け方までに納品しなくちゃいけない、というお仕事でした。
相談された話なので内容量がどれくらいのものなのかは聞いてないですけど、これが毎日来るらしいんですよ…!それで一ヶ月分まとめてお支払い。もちろん一つ一つは100円とか200円とか。
これ相当しんどい話だと思います。
納期って実は完成物を見るだけでは全く視聴者には伝わらないものですよね。
例えば数時間で納品しなくちゃいけないものだとしたら、セリフを読んでからあまり練習することができないまま納品しなくちゃいけないわけです。全然練習できてないからもちろん納得できるレベルに達してない、ってこともあるでしょう。
でもその完成品に「納期が短すぎて全然練習できなかったんだよー!」っていう言い訳は載せることができません。当たり前だけどさ笑
だから下手くそなものが世に出てしまったら「この人下手くそだなぁ」で終わっちゃうんですよね。それが納期が短いものの怖いところです。
(そういった短時間で高クオリティのものを作れるのがプロでもあるとは思いますが…!)
自分がそのスケジュール感でその仕事を引き受けた時に、それなりに納得がいくレベルで納品することができるものなのか、ということは考えた方がいいんじゃないかと思います。
→声優、ナレーターの請求書の書き方とクライアント様に聞いておきたいこと
修正が鬼:全部修正とかあるある
これも激安案件でよく聞く話です。
めちゃくちゃ修正入れてくる!笑
しかも最初に言っていたディレクション内容と正反対のディレクションが途中で飛んできたりする。
そうなるとせっかく仕上げたのに最初から全部録り直し、みたいなこともあるわけです。
一回目で修正入れてきたところとは別のところを二回目で修正入れてくる…みたいなこともあるみたいです。
ちなみに私は宅録納品の時は「修正回数は3回まで無料、4回目以降は追加料金」というルールにしています。
基本的には修正は3回程度の往復でおさまると思っていて、その回数の修正でおさまるようにクライアントさんにも考えていただいて修正を入れて頂かないと、お互いに手間ばかりがかかって仕方がないと思うんですよね。
おかげさまで4回以上修正が入ったことはこれまでないです。
ほとんど修正って1〜2回で完結しますね〜
→声優・ナレーターの宅録の仕事、どんな流れやルールにしてる?
クライアントと意思疎通がとれない(日本語!)
実際に激安案件を受けてしまって困ってる声優さん、ナレーターさんにクライアントさんとのやりとりを見せていただいたことも何度かあるんですけど、
まずクライアントさん側のメールの内容が支離滅裂だったり、「さっき言ってたことと違くない…?」みたいなことも多いです。
これはフリーランスで仕事をするようになって私も日々感じることですが、文章ってやっぱりその人の性格とか気持ちが乗っているもので、
文章が苦手だなと思う人とはあまりお仕事はご一緒しない方がいいと思っています。
お互いにリスペクトを持ってお仕事ご一緒できた方が気持ちがいいし楽しいじゃないですか。
そういうのがない人とお仕事すると、ストレスになるし、声優の仕事楽しいはずなのにそれが楽しくなくなっちゃう。楽しいと思っていたことが仕事になって楽しくなくなるというのはとても悲しいことです。
やっぱり仕事は何をするかも大事だけど、誰とするかっていうのが一番大事だと思う。
→フリーランスで仕事をする時の注意点!仕事前に確認しておくべき事
適正価格でご依頼いただけるクライアント様は大体天使
価格を下げてしまうと自分が楽しくお仕事できないと思うので、自分の中で自分の値付けというのはしておいて、「これくらいの作業量なら最低でもこれくらいの金額はほしい」というのは絶対に崩さないようにしています。
フリーランスなりたててそういう基準がわからない、という方は時給で考えると楽ですよ〜
自分の時給をいくらと設定して、この仕事なら作業時間何時間くらいかかりそうだからこれくらいの金額はほしいな、みたいな計算です。
そういう感じでお問い合わせいただくお仕事にお見積もりを返していると、やっぱり「金額感が合わなくて…」という感じでお仕事逃しちゃうこともあって辛いっちゃ辛いんだけど、
逆に「その金額でお願いします」とお仕事のご依頼をいただけるクライアント様はみんな天使です。
やりとりもすごくスムーズだし、案件内容自体も大きいものが多くて、かなりしっかりと進めていく感じ。
メールでやりとりをしているだけで、楽しいと思うことも多くて、
例えば納品をするたびに一言褒め褒めワードを添えてくださるクライアントさんとか、あらかじめ納品スケジュールを1ヶ月前から確認してくれて「夢波さんのスケジュールは大丈夫ですか?」と確認してくださったり、
自分が関わらない部分の内容もきちんと毎回連絡入れてくれて全体進行がわかるようにしてくださったりとか。
とにかくお仕事をしやすい環境で進めてくれる方ばかりで本当にありがたいなぁと思います。
しっかりとした金額でお任せいただけるクライアントさんだからこそ、クライアントさんもすごいクライアントさんが多い。
こういう仕事の仕方がしたいなぁ、思っていた理想なので、やっぱり自分の価値はきちんと自分で守って、提示していかなきゃいけないなぁと思います。
でもそれだと仕事がなくなっちゃうから…っていう場合は、声優以外にも収入源を持っておいた方がいいですよね。
私にとってはそれがこのブログだったり、オンラインサロンだったりするわけです。
そんなブログもオンラインサロンも、結局自分がやりたいこと、好きなことの延長でやっているものなので苦じゃない。
好きなこと一つで稼ぐのは難しいけど、好きなことをいっぱい持っておいて、それを全部仕事にすれば、それぞれが少しずつお金を稼いでくれて、なんとか生きていけます笑
価格で選ばれた声優は価格で捨てられる
私は「安さ」を提供することはできないので、私にか提供できないものを提供しなくては、といつも思っています。
それはレスポンスの速さだったりクオリティだったり。そこらへん。
クオリティに関しては「大満足」っていうところには一生辿り着かなくて、ずっとずっと磨き続けなくては行けない部分ですが笑
(むしろ自分の成果物に大満足してしまうようになったら終わりだと思ってる)
逆に「安さ」を売りにしてしまうと、競合がさらに安い金額を提示した時にあっさりクライアントに捨てられてしまいます。
とにかく安い人にお願いしたい、というクライアントは安い方安い方、と流れていってしまうんですよね。
だから価格競争に巻き込まれてしまうとどんどん疲弊してしまうと思います。
とにかくネット声優、宅録声優を始めたばかりで経験を積みたい、実績として提示できるものがほしい、という場合はいくつか激安案件を受けてみるのもいいかもしれないけれど、それをずっとやっていくのは難しいんじゃないかなぁと思っています。(精神的にも…!)
ネットでお仕事を受けられる方、宅録声優の方にぜひ、値付けの参考にしていただけたら幸いです…!
→自宅で録音する時の簡易防音環境を100均グッズで作ってみた[動画あり]
読んでくれてありがとうございました!
ではっ