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舞台の出演料じゃ生計を立てられないのが悩ましい

舞台芝居が大好きです。

 

今までにも何本か舞台に出演させていただいてきましたが、

舞台上でお客さんの反応を生に感じながらお芝居をする、

あの一瞬一瞬がその時にしか味わえなくて大切に過ごせることができる、熱量のあるあの場所が本当に大好きです。

 

でも舞台の出演料事情って本当に厳しいものがあって、舞台だけで生計を立てるのはなかなか難しいでしょう。

 

スポンサー(舞台に出資してくれる会社)がついてくれるような大きな商業舞台だったらまた違うのですが、

小さな劇場でやる舞台は基本的に赤字、もしくは支出がトントンくらいなんです。

 

舞台の出演料の仕組み

 

舞台の出演料にはいくつか種類があります。

  • 完全に出演料なし
  • 一本いくら、という出演料
  • チケットバック
  • チケットノルマ制

こんな感じ。

 

舞台は基本的には自分自身にくるオファーで声優事務所のマネージメント対象ではないので、

出演料をいただける場合も事務所を通す必要はなく、頂いた出演料はその額のまま自分で受け取ることができます。

 

事務所と個人の契約内容にもよるので、例外はありますが。

 

舞台の出演料の仕組みについてそれぞれ少し説明してみます。

 

①完全に出演料なし

 

実はこういう完全に出演料がない、という舞台は、結構あります。

 

お芝居が好きな役者さんたちは、舞台に出演したいと思ったら出演料とか関係なくやってらっしゃる方が結構いるんです。

 

その代わりその舞台で出た儲けは打ち上げ資金になったりとか、みんなの飲み代になったりとか。

 

私も本当にやりたいと思う脚本、演出で、好きな人たちとだったら喜んでやります。

 

ただ線引きも難しくて、出演料がまったくないものをずっとやっていてもそれは趣味の範囲を出ないし

自分の生活を苦しくさせるだけです。

 

出演料によっては仕事を取捨選択をしていくことも大事です。

舞台のチケットってどうして高いの?公演費用の内訳は?

 

②一本いくら、という出演料

 

舞台によっては複数回公演する舞台もあるので、その公演数に合わせて出演料を提示していただき、舞台をお受けする、という形もあります。

 

一本5,000円で三日間それぞれ昼夜公演、計6本で3万円、とかですね。

 

全体的に舞台出演料いくら、という場合もあります。

 

舞台によく出演されている方で「どこで稼いでるんだろう?」と思うような方は

こういう出演料が出る舞台を選んで出演されている方が多いです。

 

それでもそれだけで生計を立てるのは難しいので単発でバイトしたりとかしていますね。

 

実際私も、声優業やりながら大学通いながらバイトしながら舞台出演してました笑

シフトやスケジュールの都合がつきやすいバイト

 

③チケットバック制

 

舞台の宣伝は基本的に役者が個人で行います。

 

自分の知り合いにも自分でお知らせするし、ファンの方にもSNSやブログを使ってお知らせし、チケットを買っていただきます。

 

そして(チケットを買っていただいたお客様の人数)×(バック料金)といった形で出演料をいただけるのがチケットバック制です。

 

2,500円のチケット一枚につき、500円バック、みたいな形です。

 

50人のお客様に幸田夢波扱いでチケットを買っていただいたら25,000円がその舞台の出演料、ということです。

 

小劇場ではチケットを100人捌けるようになると重宝がられます。笑

小劇場での舞台チケットを必ず役者指名で買ってほしい理由

 

④チケットノルマ制

 

チケットノルマ制とは役者個人にチケットをさばくノルマが課せられる舞台です。

 

満員にならなさそうな舞台はこういう場合が多いんです。

 

例えばチケットノルマが20枚で、チケットが2,500円だとします。

 

そこでお客様を10人しか呼ぶことができなかったら、

ノルマから差し引いた10枚は役者の自腹、つまり舞台に出演するのに25,000円払わなくてはいけないような形になります。

 

これはもう赤字も赤字。

 

でも、厳しいようですがなかなか知名度がない役者さん同士で舞台をやるとこういうことになってしまうのです。

 

この場合はお金を払って好きなことをさせてもらうような形になってしまいますね…。

 

なので、舞台界隈では芝居が上手いことよりもその人がチケットをさばけるかどうか、

ということが重要視されてしまうような場面もあります。

 

舞台の主催側は、舞台をやるのに先行投資(劇場を借りたりとかチラシを作ったりとか)をかなり払っているので、

キャスティングする上でもいいものを作るより赤字にならないように必死になってしまい目的を見失ってしまうこともしばしば…

 

お客様を呼べないけどいい芝居をする役者より

芝居は好みじゃないけどお客様をたくさん呼ぶことができる役者をキャスティングしたり、なんてことも実際結構あります。

 

一緒に舞台を作っていく役者側としてはかなりしんどい話です。

舞台に役者が出演する際はものすごいリスクを背負っています

 

舞台の稽古期間

 

舞台の稽古期間は2ヶ月前後が一般的ですが、

大きい舞台だったり出演者がそれぞれのお仕事で忙しくスケジュールがあまり合わない面々だったりすると3、4ヶ月前から稽古に入ることもあります。

 

最初は週に2回くらい、1ヶ月前には週3、4回、一週間くらい前からは集中稽古といって毎日お稽古、みたいなのが多いです。

 

稽古は基本的には1日を通してやっています。

 

そして座組にもよりますが、

稽古終わりにはみんなで飲みに行って帰る、というのが多いです。

 

そうやって稽古の反省会をしたり、他の役者さんと仲良くなって芝居のお話をしたりしてもっといい空気感のなか芝居を作っていこうとするので。

 

芝居をやる上で人間関係を作っていくことってとても大事なんです。

声優において「演技力がある」とはどんなことなのだろう?

 

出演料では賄えない稽古期間

 

舞台稽古期間中の出費と出演料を考えてもらうとわかるかと思うんですが、

圧倒的に舞台の出演料では稽古期間中の出費は賄えないんです。

 

一回飲みに行ったら安くても2,000〜3,000円はかかりますよね。

 

稽古しながらではバイトもろくにできません。

声優やりながらだってバイトしてたのに…

 

すると、舞台に出演すること自体はやっぱり赤字になってしまうんです。

舞台をやってる期間だってそれぞれの生活もありますしね。

声優におすすめのアルバイト

 

新規のお客さんを舞台に呼ぶのも大変

 

じゃぁ舞台を定期的にやって、お客さんをどんどん増やしていけばいいじゃん!となるかもしれないんですが、舞台って生じゃないですか。

 

全国放送されるわけでもないし、たとえば動画配信したとしても、生で舞台を見る面白さとは全然違う。

 

役者の表情、声の熱、目線はどうしたってそこにいる人にしか感じることができないエンターテイメント。

 

そしてチケット料金が映画に行くよりも高いことがしばしば。

劇場に舞台を観に行く、という娯楽自体があまり世間的に浸透していません。

 

そうするとどうしても「知り合いが出てるから」くらいでしか新しいお客さんに観てもらうことができないんですね。

 

みんなが映画を見るように舞台を観に来てくれるような世の中になるといいんですが。

 

事業として拡大していかないんです。

つまり集客が難しい。

 

ビジネスとしてものすごく成立しにくいんです。

声優のやる朗読劇の醍醐味。舞台との違いって何?

 

舞台って作るのが難しい

 

舞台が本当に好きだから、それだけやってその出演料で生きていけたらどんなにいいだろうって思います。

 

でも現実的に考えると舞台をやるにはその劇場を借りる資金が必要だし、

舞台のセットにもお金がかかるし、音響さん照明さん舞台監督さんを外部に委託するならそのお金も必要です。

 

日本の制度では小劇場は儲からないようになってるんです。

 

だからもっと舞台が儲かるような仕組みを考えたいなぁと思ったことがありました。

自分が主宰をやったり、劇場を持ったりすることができればそれも可能なのだろうか?とか。

 

そんなこともこれから挑戦していきたいことの一つです。

何かいい案があったら教えてください。

小劇場で舞台を観劇する時に楽しく観られるためのマナーまとめ

 

読んでくれてありがとうございます。

 

では。

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