声優志望の人に「声優になりたい理由はなんですか?」と聞くと、
- 「お芝居をするのが好きだからです」
- 「アニメが好きだからです」
というような抽象的な答えが返ってくることが多いです。
別に声優になるのに大層な理由が必要だ、と言っているわけではないのですが、
こういった理由の場合は、話が広がって行きにくいんですね。
お芝居をするのが好きなら声優じゃなくてもいいじゃない。
舞台俳優でもいいし、映像芝居の方に進んでもいい。
アニメが好きなら、声優じゃなくても、アニメを制作の仕事はたくさんある。
声優になりたいと思っている具体的な、もっと明確な理由が
声優志望の方には必ずあるはずなんです。
それを具体的に話せるようになっておくことによってそれが武器になることがあるんです。
オーディションで聞かれること
一般公募のオーディションを受けた時に、オーディションに応募した理由、というのは必ず聞かれるかと思います。
声優のオーディションであれば、声優になりたいと思った理由も聞かれるでしょう。
そういった時に、なぜ声優になりたいと思ったのか、ということを具体的に言えると
それだけで審査員が興味を持ってくれると思うんです。
逆にそこで答えが抽象的だったり、曖昧だったり、他の人と同じような内容だったりすると
審査員は興味を持ってはくれないでしょう。
例えばそこに、絶対に譲ることができない理由があれば違ってくると思います。
そこに自分のストーリーがあるだけで全然話せる内容って変わってきますよね。
大層な理由があるべきなのではなく、
具体的な理由があった方が、オーディションなんかも勝ちやすい、というお話です。
他人との差別化
声優になった理由を具体的に話すことができると、
それが他人との差別化にもなります。
声優は今かなりなりたい人が多い職業です。
声優になれたとしても、そこから声優の仕事を続けていくこともとても難しいのが現状です。
だからこそ、声優になりたい理由が具体的だと、人の印象には残ると思うんですね。
私が聞いた中では、「自分の性格が悪いから声優になりたかった」という理由が面白いなぁと感じました。
性格は悪くても現実世界で人に悪いことをするわけにはいかない。
さらに、人前に出るのもそんなに好きじゃない。
だとしたら、声優という仕事は人前に出ないでできる仕事だし、
性格が悪いキャラクターも演じることができて、自分と乖離した世界で生きることができる。
だから声優になりたいと思った。
という理由を聞いたことがあるんです。
すでに声優業界で活躍されている方だったので
「声優になれば人前に出る機会はそんなにない」というのは少し今の新人声優界隈の状況とはずれていると思いますが
この理由にものすごく私は引き込まれました。
もっとこの人とお話してみたいな、と思ったんです。
そしてこの話が今でもとても印象に残っています。
声優になりたいと思った理由を深く掘り下げて考え、人に伝えることで
自分を他の声優さんと差別化することができるんじゃないかなと思うんですね。
理由から逆算して考える
声優になりたい理由を具体的に考えるべきなのはもう一つ、
理由から逆算して行動することができる、という理由もあります。
声優になりたい理由がはっきりしていれば、そこから逆算して
今やらなくてはいけないことはなんなのか、自分がなりたい理想像に近くためには何をしたらいいのか、ということを考えることができます。
これはかなり重要なことで、声優を目指しながらも理由が曖昧な人は
声優を目指している過程で、目的がすり替わってしまっていることがよくあるのです。
例えばよくある話だと、
「バイトを変わってもらうことができなかったから稽古をお休みする」というようなことですね。
声優を目指すのだって専門学校や養成所に通うならタダというわけにはいきませんし、
上京してきているなら生活費もかかってくるでしょう。
しょうがないことですが、
それでも自分が一番優先させなくてはいけないことを見失ってはいけません。
それは本末転倒です。
本当に自分が優先させなくてはいけないことはなんなのか、ということを考えるためにも
どうして声優になりたいのか、という理由を明確化しておくと行動しやすくなるでしょう。
読んでくれてありがとうございました。
では。