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声優は自分が出演した作品を見たり聞いたりするのか?

声優という仕事をするとテレビから自分の出演作が流れてきて自分の声が聞こえてきたり、

自分のラジオ番組があったりしてよく不思議な気持ちになります。

 

声優の中でも収録の仕事はライブの仕事ではなく、収録をして、それを編集していただいて、完パケの状態になったものが放送されて、それでやっと世間に届けられるものなので

どうしても初めての収録の時は「デビューした」という実感がなく、放送を見てもやっぱり実感が湧きませんでした。

 

番組の最後の出演者クレジットを見て「おお〜載ってる〜!」ってなったくらい笑

 

ファンの方からのお声やお手紙をいただいた時にやっと実感になったような感じで、それは今でも変わりません。

 

私が一番「声優として活動できてるんだな」と思える瞬間はファンの方から声をいただいた時のような気がします。

 

収録の時はいわゆるキラキラした声優の仕事、という感じよりも職人のような気持ちでいることが多いです。

ものをつくっている、という感覚かな。

 

先日こんなご質問をいただきました。

 

声優は自分が出演した作品を見る?

 

自分が出演した作品や、他の声優さんの出演しているコンテンツをチェックするか、というのは人それぞれだと思いますが、

私の目線でお話してみたいと思います。

 

自分の出演作について

 

自分の出演作については結構若手はちゃんとチェックしている人が多いように感じます。

私も自分の出演作は必ずチェックしています。

 

今すぐ自分でできる声のトレーニングという記事でもお話しましたが、自分の声を聞くことはとても大事です。

 

  • どの行が言いにくいのか
  • どんな癖があるのか
  • あそこの演技プランはもう少しこうした方がよかったな

などなど、出演作を改めて確認してみると気づかされることがたくさんあります。

 

ラジオなんかは最初すごい下手くそでうまくできなかったから何度も何度も聞きました。笑

今ではラジオ大好きだけどね。

 

決まったセリフ、台本のないフリートークは特に普段の癖も出やすいし、

一緒に番組をやってくださる出演者の方との呼吸とかもリスナーとして聞いてみるとちょっとまた違う発見があります。

 

人によっては「自分の出演作を確認するのは恥ずかしい」だとか「自分の出演作見ると下手すぎて辛くなる」という方もいらっしゃいます笑

声優ラジオの台本ってどこまでアドリブ?

 

アニメの出演作チェックで気づくこと

 

これはアニメ独特の気付きだと思うんですが、

今のアニメ収録現場では基本的に収録する時にみるVTRが絵コンテの状態のものが多く、

作画が間に合ってない時はもう棒人間みたいな時もあります。

 

一応台本にはト書きと言って「このキャラクターがこんなことをしています」みたいな説明が書いてあるので、それを参考に練習したり演技したりします。

 

音声収録が済んだ後に画が完成する、ということもよくあるんですね。

 

つまり、棒人間の時にト書きで判断したことで芝居をしてみると

画が完成してから「イメージしていたのと違った!」という時がたまにあります。

 

例えば、食べる演技。

収録時には画がよくわからなかったので「口を開けて食べる」という演技をしたんですが、

いざ出演作チェックをしてみたら「口を閉じて食べる」動作でした。

 

これも音的にはだいぶ芝居が変わってきます。

 

で、「読みきれてなかったなぁ〜」と落ち込むわけです。

 

やっぱりそれは現場で「開き口かどうか」確認すればよかった。

でも私はイメージという独断と偏見で「開き口」で芝居してしまった。

 

だから後でチェックした時に「画と芝居が合ってない!」って言うことになってしまうんです。

 

これは画が先にできている吹き替えの作品などではありえないことなのでアニメ独特のものだと思います。

 

そういうのも含めて勉強になるからやっぱり出演したものは全てチェックしておきたいなぁと思っています。

 

まぁ単純にそのアニメ見たいっていうのもあるんですが。笑

アニメのアフレコの流れってどんな感じ?

 

他の声優さんの出演作品について

 

他の声優さんの出演作品についてもチェックはしている人が多いと思いす。

 

もともと声優を目指したきっかけがアニメが大好きだったり洋画やゲームが大好きで、っていう人も多いので仕事に関わらず趣味として見ている、という方も多いです。

もちろん目線は少し異なると思いますが。

 

やっぱり仕事なので「市場調査」的なものは常にしないといけないんじゃないかなと思います。

 

今何が流行っていて、どういう声優さんが求められているのか、というのは常に考えることですよね。

 

これは声優だけでなく他の仕事でも同じだと思います。

 

例えば靴を売るお店を開くとします。

その時、

  • 今流行っている靴のデザインはどんなものなのか
  • 繁盛しているお店はどんな靴を売っているのか
  • 逆に潰れてしまった靴屋さんは何がいけなかったのか

などといった市場調査は必ずすると思うんです。

 

自分だけがいいと思うものを売っているのではなかなかそれはヒットしません。

 

需要と供給は常に考えなくてはいけないことだと思います。

 

これは声優も同じだと思うんです。

 

自分の高めるための練習をするだけでなく、今のアニメ市場はどうなっているのか

出演の多い声優さんはどうしてオファーがくるのか、ということは多分多くの声優さんが常に考えていることです。

 

声優は事務所に所属しているからといって成長できるわけでも、新しい仕事をコンスタントにもらえるわけでもないので

そういうところはみんな結構シビアに考えていると思いますし、みんないろんな人の出演作品を研究していると思います。

声優の理想と現実のギャップをもっと知ってほしい

 

インプットも大事

 

声優は表現者なので仕事のメインはアウトプットになります。

 

でもアウトプットするには自分の中で何かを産み出さなきゃいけない。

新しいことをしていかなきゃいけない。

 

そう思うと、インプットの方が圧倒的に大事なことなんだろうなぁと思います。

材料がないことには何も作れないですからね。

 

なので自分の出演作、他の声優さんの出演作を見ること、聞くことはとても大切なことだと思っています。

プライベートをそうやって過ごしている声優さんはかなり多いです。

声優になるにはどんな勉強をすればいいのか

 

読んでくれてありがとうございました!

ではっ

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