最近はぼちぼち講師業もさせていただいているのですが、レッスンの中で生徒さんが

私は変な声だから、声優にはやっぱり向いてないと思います。
使ってもらえる場所が無いと思う。
とおっしゃっていました。
私はね、
良くない声
使えない声
っていうのは無いと思ってるんですよ(大声)
作品は色々な声で出来ている
みなさんは多分、「声優っぽい声」というと
- 女の子であれば可愛らしい萌え声
- 男の子であればイケメン声
みたいなものをイメージされると思います。
ですが、アニメも吹き替えもゲームも、どんな作品においても、
萌え声とイケメン声だけで構成されている作品というのはありません。(短編だとメインキャラしか出てこなくて、そういうこともあるかもしれないけど)
例えば、
- 屈強なおじさん
- 場末のスナックのママ
- 二頭身くらいのちっちゃいマスコットキャラ
- めちゃくちゃ太ってる癒しキャラ
みたいなキャラクターっているじゃないですか。そういうキャラクターの声を思い出してください。
萌え声やイケメン声ではないと思います。
馬力のある屈強なおじさん声やガッサガサのスナックのママの声なんかも、作品には必要だったりすることが少なからずあります。
これは物語を作るために必要なことで、
そういう脇を彩るキャラクターが居てくれるからこそ、その作品の世界にリアリティが増したり、キャラクター同士の関係性が深く作り込めたりするわけですね。
結局のところ、作品作りというのは世界を創造する、ということなのです。

大きく出たナ…
私たちが暮らしている日常生活の中にも色々な人がいるように、
作品の中にも色々な人、キャラクターが登場する。
だからこそ、その世界が本当にあるかのように見えてくるわけです。
声優業界でのニッチ産業というものがある
確かに、その生徒さんのお声は「よく聞く耳障りの良い声」ではありませんでした。
でもとても味があるお声質でした。
私はすっっっごく

イイナ!!!!!!
って思っちゃった。
実は私は「自分の声があまり特徴的ではない」というのがずっと悩みだった時期があります。
人はみな、ないものねだりですね〜〜笑
今は色々使いようがあるな、と思えているので良いのですが。。
特徴的なお声というのは確かに、使い所は限られます。
よく、今ノリに乗っている声優さんが

わ!このアニメでもあのアニメでも主役やってる!
え!!??このアニメでも!?!?!
みたいな現象が起こったりしている声優業界ですが、
特徴的なお声の方は、そういうキャスティングの仕方はされないと思います。
確かに使い所は難しい。
でも逆に、
ハマる役はめ〜〜〜〜〜っちゃハマる
最近は生意気にもキャスティングをさせて頂いたりする機会もあったりするのですが、

う、うわぁああ!
この役は絶対あの人にやって欲しい!
みたいなのが頭に浮かんだりすることが結構あります。
特徴的なお声の方は覚えやすいし、キャスティングもあんまり悩まない。
こういう「ハマる役にバシッとハマっていく」っていうニッチ産業で頑張るスタイルでのお仕事もあります。
実際作品を見ていると、

はいはいはい
こういうキャラクターは〇〇さんだよね解釈一致〜〜〜
みたいなことがよくあるじゃないですかぁ。(あるよね?)
そういうのはメイン役に限らず、脇役にもあります。
この感覚は現場に出るようになると、さらに分かりやすくなります。

あ、あの方また ああいうキャラクターやってる!やっぱりピッタリだなァ!
ってな感じで。
こういうタイプの方はメイン役でキャスティングされることが少ないので、世間的な認知度は高くないことも多いけど、
業界では確かな地位を築いていらっしゃる、職人気質な方が多いイメージです。
そして作品作りでは欠かせない方達でもあります。
そういうニッチ産業みたいなのが、声優業界にもあるので、そんなキャリアプランではどうだろうか。
もちろん、有名声優になりたい!主役バンバンやりたい!というタイプだと、やる気を失ってしまうかもしれませんが……
自分の可能性を探し、声を磨くことも大切
まだデビュー前の声優志望さんだと、イメージしている声優像が「有名人」「いろんなアニメにたくさん出る」みたいな像であることも多いかもしれません。
ですが、声の仕事は本当に多種多様で、アニメや吹き替えだけが仕事でもないし、求められる声も萌え声・イケメン声だけではありません。

詳しくは別記事も読んで欲しいですっ
ぜひ
- 自分の声はどんな声なのか、どんな強みがあるのか
- 自分の声はどんなところで使ってもらえそうか
ということを考えるところから始めてみてください。

って言ってる私も、そういうこと考えられるようになったのはここ最近のことで、
デビューしてからしばらくは「なんでもやりたいー!」「全部やりたいー!」って思ってるだけ。自分をプロデュースしていくのが下手くそな声優でした笑
友達や家族に「私の声ってどんな印象?どんなキャラクターが向いてそう?」って聞いてみるのもいいかも。
案外自分のことってよくわからないものですよね〜〜笑
常に自分の声と向き合い続け、録音して自分でもたくさん聞いて、
どう使えそうか考えながら磨いていくことも、声優として大切なことなのではないかな〜と思っております。

もちろん発声や滑舌、アクセントなど、基本的に求められるものは誰しもが当たり前にやらなくてはいけないことだけど、その上でね!
読んでくれてありがとうございました!
ではっ
やっほい!声優ブロガーの幸田夢波です!