いや〜〜この前友達と話していてとんでもない話をまた聞いてしまったので、紹介したいと思います。
そういう話をちらほら聞くこともあるんですが、
「お前、もうこの業界(声優業界)では活動できないと思え。干してやる。」
っていう脅し。
私の友達はとある声優事務所から離れる時にこれを言われたそうなんです。
最近は事務所に所属している方やすでに声優としてお仕事されている方からのご相談も多いので、改めて注意喚起の意味も込めて少し掘り下げていきたいと思います。
声優業界から干す力を持ってる人なんていない
まずアニメなどの声優が関わる作品がどのようにできているかということを考えてみます。
こういったコンテンツ業界というのは独占市場でどこどこの会社が全部作ってる!みたいな場所ではないので、いろいろな会社が参入してコンテンツを制作しています。
アニメの場合は製作委員会方式と言って、「このアニメ作りまーす!」ってなった時に、複数の企業が一緒にお金を出し合ってコンテンツ作りをします。
ここで手を挙げる会社としては、
- テレビ局
- 映画会社
- 制作プロダクション
- 広告代理店
- 出版社
- レコード会社
- 芸能事務所(声優事務所)
- 玩具メーカー
などが挙げられます。
アニメを1作品作るのには数億円単位でお金が必要になるので、一社で全部やるのではなく、複数の企業がお金を出し合って作って、もしヒットしなくても倒産とかしないようにリスクヘッジしているという感じです。
これでわかると思うんですが、本当にたくさんの人が関わってアニメができています。
ここの中でめちゃくちゃ偉いドンみたいな人がいて、「アイツ嫌いだから干すわ」って言ってもみんながみんな「はいわかりましたー!」とはならないわけです。
事務所間でも、例えばAというめちゃくちゃ大きい事務所に所属していたけどそこではあまり名前が売れず、Bという声優事務所に移籍したら超有名になった、みたいな声優さんもいます。
所属声優事務所内ではマネージャーと上手くいっていない、みたいなことがあったとしても、キャスティングしてくれる音響制作会社から気に入られていたら「おたくの事務所の誰々さん、この作品来てね」と現場に呼んでもらえます。
なので業界全体を握ってるすげぇ人なんていません。
最近は特にクラウドファンディングでアニメを作る、みたいなのも増えてますし、事務所に所属していなくてもお仕事できたりもします。現に私もフリーランスですがスタジオ仕事も宅録仕事もありがたいことに続けさせていただいています。
そういう需要を全部監視して、特定の人を干すっていうのはそもそも無理なんです。
逆に「お前を声優業界で干してやる」なんてことを言ってきた人がいたらうさんくせぇのぅと思ってください笑
もちろん一緒に仕事する人に嫌われてはいけない
とは言っても、一緒にお仕事をする人に嫌われるのは良くありません。
特に事務所に所属している場合は、自分を売り込んでくれるデスクさんやマネージャーさん。
マネージャーさんはいつも制作関係の方に売り込みをしてくれているし、デスクさんはデスクで電話をとって「急遽こういう候補の人いませんか?」みたいな話をされた時に思い当たる所属者がいれば「うちにこういう声優がいます!」と言ってくれたりもします。
営業してくれるのはマネージャーさんだけじゃないのです
あとは現場で一緒にお仕事をするスタッフさん。音響監督さんや制作関係のスタッフさんにはぜひ「また別の作品でも起用したいな」と思ってもらう必要があります。
簡単なことだけど、
- 挨拶をしっかりする
- コミュニケーションをとる
ということは大事。
もちろん現場で実力をきちんと発揮できるようにしっかりチェックをしていくことも大事だし、レギュラーでいただいているお仕事なのであれば、そのレギュラーの中で「成長したな」と思ってもらえるくらい、「前回よりも今回」という意識を持ってお仕事に臨むことが大切だと思います。本当に大変だけどね。
誰かが誰かを干す、ということはできないけど、例えば現場のスタッフさんやサポートしてくれる事務所のスタッフさんの多くに嫌われるようなことばかりしていれば、必然的に声優業界でのお仕事は少なくはなっていきます。
新人のうちは事務所が自分を売り出してくれるかどうか、というところが現場仕事に直結すると思うので、事務所のスタッフさんに嫌われてしまうとお仕事するのは難しいかなと思います。
喧嘩はしてはダメだよ
最近事務所をやめてフリーランスになる人や、別の事務所に移籍する人が本当に増えたなと思います。
なので改めて言っておきたいんだけど、喧嘩別れはしないでください。
どんな事務所に所属したとしても、「この事務所は完璧!100点!」っていうことはなかなかないと思います。自分で事務所を作らない限り、やっぱり不満に思うところは誰でもあるものですよね。
昔先輩が「どこに行っても不満はあるもんで、どの不満だったら自分の許容範囲として目をつむれるか、っていうのが事務所との相性だと思うよ」というお話をしてくださったことがあります。
ほんとにその通りだなと思う。
だから事務所を離れる時も多かれ少なかれ不満があって離れることもあるとは思います。
それでも喧嘩別れはしないでください。
「もうこの事務所辞めるから全部不満ぶちまけて辞めよ〜〜〜!!」っていうのはおすすめしません笑
実はそういう相談も多いんですよ。全部ぶちまけて辞めたいです、的なw
でも業界は狭いんでね。
いつまたお仕事で自分が元いた事務所の方とご一緒するかわかりません。
私も高校生の時にイベントでお世話になっていた方にフリーランスになってから別の場所でお会いしてびっくりしたことがあります笑(10年くらいの時を越えた邂逅)
前に出る側である私たちは一方的に向こうが知ってくれている、ということも多いです。
声優業界には「お前を干してやるぞ」っていってほんとに干せる力を持ってる、業界を牛耳れるドンはいません。
一方的に脅されたりとかしてもビビらなくて大丈夫。
ただ、悪い噂がたったり、どこかと喧嘩別れするのは自分のネガティブキャンペーンになるかもしれないので、穏便に済ませられるものは穏便に済ませるようにするのがおすすめです笑
読んでくれてありがとうございました!
ではっ
おとぎばなしだと思ってたけど未だにこういうこと言う人いるんですね…