声優養成所レッスンでの役への取り組み方について
自分が運営しているラジオの方で質問箱を使ってお便りを募集しているのですが
先日このような質問が来ました。
確かに自分の得意な役と、やりたい役というのは違うもので
ある程度練習やレッスンを重ねていくとこのような悩みが出てくるのはすごくよくわかります。
今回は私が養成所のレッスンでどのような役の取り組み方をしていたのかということについてお話ししてみたいと思います。
養成所のレッスンでは好きな役が選べる
ほとんどのレッスンがそうだと思うのですが、やりたい役というのは立候補でやることができると思います。
たまに講師の方から指名で役を振られることもありますけどね。
ただ大半が「この役やってみたい人〜!」というような立候補生だと思います。
実際に声優としてデビューしてこの世の役の決め方をすることというのは絶対にできません。
アピールすることはできても最終的に自分の役を決めるのはクライアントになります。
つまりクライアントが「この子にはこの役が合うだろう」と思って振ってくれる役が自分の役になるわけです。
つまり自分のやりたいと思った役をやれるチャンスというのは養成所のレッスンでしかないんですね。
なので私はレッスンではやりたい役に率先して挑戦するようにしていました。
自分に合う合わないではなくて、むしろ自分だったら絶対に合わないだろう、
人から「こういうイメージを持たれてはいないだろうな」と思うような役に立候補するようにしていたんです。
余談ですが結構飛び道具的な役が多かったですね。
後はセリフが多い役笑
やりたい役を演じた上で人に見てもらうことができる、というのはレッスンの特権なのではないかなと思っています。
養成所だから失敗ができる
自分に合っていない役をわざわざレッスンで選択することによって
講師や同級生の皆に自分が失敗するところを見られるのが恥ずかしいと思っている人が多いですが、それはとてももったいない考え方だと思います。
講師の先生は「この子がどうしてその役を選んだのか」ということまで多分考えてくれている人が多くて、
私は自分に合わない役ばかりを選んで、よく失敗もしていたけど先生はそれを評価してくれる人が多かったです。
「そのチャレンジ精神は認めよう」というような感じ笑
これが仕事になってくると、なかなか「失敗してもいいから思いっきりやろう」と思えないものなのですが
養成所で失敗したところでその後の自分の声優人生に大きく関わってくるわけではありません。
それどころか、自分では「こういう役は絶対に合わないだろう」と思っている役でも、案外やってみると人から評価してもらえたり
自分では思ってもみなかった自分の新しい領域を見つけることができるかもしれません。
唯一失敗を恐れずにできる場所が養成所のレッスンなのではないかなと私は思っています。
だからこそ普段自分には合わないだろうと思っている役に、率先して挑戦してみるのも面白いのではないかなと思うんですね。
せっかくレッスンなのにいつも同じような役をやっていたら自分の引き出しが偏ってしまいます。
自分の新しい引き出しを開拓するんだというような気持ちで、レッスンに臨んでみると良いのではないかなと思います。
最終的に自分の役を決めるのをクライアント
そうやって普段からチャレンジをしていると色々な自分を見てもらうことができるので、
思ってもみなかった役をクライアントから振ってもらうこともできます。
自分の思っている「自分に合う役、自分のできる役」というのはあくまで自分の主観で考えられているものであり
人から見たら自分に合う役というのはまた違ったものだったりすることもよくあるんですね。
芝居は正解がありませんしディレクターによっても芝居の好みが違ったりしますので、
間口を広げるためにも色々な役に挑戦してみるということが大切なのではないかと思います。
自分は自分の可能性を広げることに徹し
自分が役を選ぶのはあくまでクライアントである、という意識があると良いのかもしれません。
私個人の養成所レッスンへの取り組み方の見解ですので、
そのまま鵜呑みにせずにこういう意見もあるのだという風になんとなく頭の隅に留めておいていただければ幸いです。
読んでくれてありがとうございました。
では。