芸能界系の職業に就いているとよく同業者の方に「同業の女性はみんな中身は男だ」と言われます笑
正直言って本当にその通りだと思います。
たくさんいる芸能界志望の人の中からクライアントさん側に選ばれなくてはいけない、そんな土俵にいつも立っていたら
他人をついついライバル視してしまうし、嫌なこともいっぱいあるけれど、
「このくらいでへこたれててどうすんだ!」と思いながら自分を鼓舞させ、仕事をすることが多々あります。
オーディションを受けたら受けた分だけ結果が来ますから、落ちた結果だってたくさん返ってきます。
その度に落ち込んでいたらキリがない世界です。
だから常に強い人になりたいと思ってしまうんですね。
強い人になりたい理由
どんな状況でも演じなきゃいけない
声優、アーティストとして活動しているとパフォーマンス中にハプニングがあることって結構あります。
ただ、私たちは演者であり、素の自分でいてはいけません。
常にパフォーマンス中は何かしらの仮面をかぶっています。
特に舞台で役者をやる時なんかは、素の自分が出てしまった瞬間、お客様が物語の外へ放り出されてしまうと思うんです。
私たちは何があっても役を演じ続けなくてはいけません。
例えば客席の最前列に大先輩がいたとしても、舞台装置が壊れて危険なことがあっても。
中には本番中に骨折をしてしまったけれど役を演じきった、なんて方もよくいらっしゃいます。
その痛みは自分の痛みであって、役として痛みを感じてはいけないのです。
だから役を演じる時は、自分を追い出せることのできる強い人になりたい、という思いがあります。
そのステージの重責
声優として、役者としてある程度活躍をする、ということはそれだけの競争に勝ってその場にいる、ということです。
その座を狙っていたたくさんの人を蹴落としてそこにいる、という重責。
自分がそこにいるのは自分の思いだけではなく、たくさんの人の思い出立たせていただいているステージです。
それを踏みにじらないようなパフォーマンスをしたい、と常に思ってしまうんですね。
だからそういうプレッシャーにも負けないような強い人になりたいという気持ちがあります。
負けたくない
一番の根底の気持ちは「負けたくない」という気持ちかもしれません。
たくさんいる声優さんの中から選ばれたいし、そこから「私にしかできない仕事」をやっていきたい。
そのために自分というものがどんなものなのか、どういう風に売っていけばいいのか、いつも考えています。
多くの人の中から選ばれる存在であるためにどうしたらいいのか、と考えていたら自然と負けず嫌いにもなりますよね。笑
他人と比べてなんぼの世界。
そうすると今日の友は明日の敵なわけです。
そのなんとも言えない境界線を引くのにも、やっぱりそれなりのメンタルが必要で。
強い人になりたい、と思う理由の一つです。
強い人になりたいと思った結果
みんなが結構そんな感じで、いつもニコニコしている人ほど、強い人になりたい、と願いながら毎日ひっそり泣いていることが多いんです。
そんなギリギリのなかで生きていると、やっぱりメンタルが壊れてくる人も結構います。
正直不安定な人の集まりです。笑
精神的な病気になってしまう人だってたくさんいるし、私自身、胃腸系の病気は何回かやってます。
ストレスって顕著に胃腸にきますからね。
結果的に思ったのは「強い人になりたい」と思いながら窮屈な気持ちで追いかける夢はむしろ本末転倒なんじゃないか、ということです。
楽しいことがやりたかったのが夢だったはずなのに
いつのまにか夢を叶えること自体が夢になってしまって、
自分の楽しいのために我慢したり辛い思いをするのが当たり前のように感じてしまっていたんですね。
本当にやりたいことはなんだろう。
常に問いかけ続けないと忘れてしまうことがあるような気がしています。
→声優になりたいけど不安で仕方ない、という時に考えて欲しい事
弱い方が人間らしい
特にこのエンタメ業界には強い人がたくさんいます。
特にパフォーマンスする側は。
正確に言えば、強く見せている人がたくさんいます。
華やかな世界なので、人に夢を与えるために、自分のプライベートな部分を隠している人が多いでしょう。
もちろんそれはそれである種のエンターテイメントだと思います。
でも最近、たくさんいる人の中から選ばれるためにどうしたらいいのか、ということを考えると、
どれだけ人と自分を差別化できるか、ということが大事だと思うんですが、
「強い人になりたい」と思っている人はたくさんいても「弱い人間でいいや」と自分をさらけ出している人は少ないように思います。
だからむしろ、思ったことを思ったままに言える方が、実はその人らしくいられる一番の近道であり、
変な人になれる手っ取り早い方法なのかな、と感じます。
強い人になりたい、と思いすぎることは自分を追い詰めることにつながります。
強い人じゃなくてもいいし、その方が実は人間らしくて魅力的に映るんじゃないかな、と最近思うんです。
読んでくれてありがとうございます。
では。