声優でも、仕事を断るという選択肢を持つ大切さ

声優でも仕事を断る勇気
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声優、という仕事は技術職です。

お芝居という技術をギャランティーをいただいて売っており、それを買い取ってもらって仕事としています。

 

つまり、それは芸術であり、一般的な職業とは少し違って、自分で考えてひねり出した自分の作品を売っているような感覚に近いんです。

 

どちらかというと、デザイナーさんだったり、作家さんだったり、そういったクリエイターの方々と同じ方向にカテゴライズされる職業だと思います。

 

クリエイティブな仕事にカテゴライズされる声優ですが、

声優になりたいという人がかなり多いので、声優になること、また、声優になって食べていくことはかなり難しい事になってきているんですね。

 

そんな中で戦っていると、見失いがちな「お仕事を断る、という選択肢」、について話してみたいと思います。

 

「断ってはいけない」という固定観念

 

事務所に所属していてお仕事をいただいている時は特に感じていたことですが、

「駆け出しの若手声優の自分にお仕事をふっていただける事自体がありがたいんだから、仕事を断るなんてありえない」と常々思っていました。

 

今は下積みの時代。

いただけるすべてのお仕事がこれからのお仕事につながっていく可能性のあるものなんだから、いただいたお仕事はすべて誠実に、すべて全力で取り組もう。

そう、思っていたんです。

 

事務所からいただくお仕事も声優の仕事だけでなくイベント系のお仕事があったり、

他にも演じることが好きだった私は舞台のお誘いもたくさんいただいて、スケジュールが合えば全部お受けしていた時期がありました。

 

そしてある時気づいたんです。

「時間が足りない」ということに。

 

いただくお仕事や舞台のお誘いを全部お受けしていたら、自分のことを全然プロデュースできなくなっている事に気づきました。

 

正直、生意気で失礼な話ですが、お受けしなければよかったと思うお話もありました。

でも当時は、いただくお話すべてをありがたがらなきゃいけないような気持ちになっていたんです。

 

どんなにギャラが安くても、時にはノーギャラでも、自分のこれからの肥やしになるからと信じてやみませんでした。

 

そこには常に「断る選択肢」は存在していたはずなのに「断ったらいけない」という固定観念があって、選択肢はあったのに見えていなかったんです。

 

もちろん今思えばそのことに気づかせてくれた、という意味で、お受けしたお仕事は今の自分に繋がっていますけどね。

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事務所との関係

 

声優事務所に入っていると事務所がある程度仕事を選んでくれます。

 

私も私自身のお仕事の経歴を汲んで

先方のクライアントさんとの値段交渉やアダルト系の作品のNGなんかを事務所のマネージャーさんやスタッフさんがやってくださっていました。

 

売り方、というか、プロデュースですね。そういうことを事務所に所属しているとやっていただけるのです。

 

でもそれももちろん事務所に任せきりではいけない事だと思うし、事務所がいいと思ってやってくれることすべてが正しいわけではありません。

 

それを考えられていない新人声優さんは結構多いです。

 

なぜなら事務所の意向でもらった仕事について「おかしいな」と思うようなギャラの値段、

もしくはノーギャラだった時にも、「事務所に何か言ったら事務所を辞めさせられるかもしれない。」という気持ちが働いているからです。

 

これは結構どこの事務所に所属している方でも思っていることのようです。

 

でも声優は実は事務所に所属していても個人事業主であって、会社に所属している人間ではありません。

確定申告も自分でやります。

 

だから事務所と所属声優の関係はあくまで対等であり、共闘関係でなくてはいけないのです。

 

つまり事務所に対して意見する事も、実は大切な事だと思っています。

 

もしそれで咎められるような事務所なら、それはこれから仕事をしていく中で必ずほころびが生まれてしまう関係だと思います。

 

何を売るか。

「自分自身の技術」です。

 

それをマネージメントしてくれるのが事務所であって、

一番いいのは、事務所と話し合いながら自分自身の技術の売り方を試行錯誤できることなんです。

 

事務所はやっぱりパイプがあったり、業界のことについて圧倒的に詳しいので、そこで助けてもらうことはとてもありがたいし大切な事だと思うんですが、

そこに圧倒的な上下関係が生まれてしまうのはいかがなものかな、と思うんです。

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仕事の利益を考える

 

いただいたお仕事を必死にこなす。

 

きっとこれも大切なことだとは思うんですが、そこから思考する作業に移っていかないとなかなかその先には行く事ができません。

 

いただいたお仕事をこなすだけではそこで仕事が完結してしまうからです。

 

大事なのはいただいた仕事を回していくことができるか。

次に繋げられるのか。

 

さらに言えば、

仕事を作ることができるか。

ということなのかなと思っています。

 

いただいたお話の利益を考える、なんてとても生意気な話かもしれませんが、

仕事をするにだってそれなりのお金と時間がかかります。

 

ギャラだってまるまる入ってくるわけではなく、そこからその日の交通費や食費がかかります。

 

収録の拘束時間だけが仕事の時間なわけでもありません。

声優には台本チェックや映像をチェックする時間、

イベントに出るならボイトレに行くお金もかかるし、自分を綺麗に見せるために女の子はたくさんお金をかけています。

ネイルとか髪とかジムとかエステとかね。

 

別にお仕事の利益はお金だけではないんです。

いかに自分の宣伝になるか、これからの仕事につながっていくのか、という価値もあります。

 

それがあれば結局、その単発のお仕事が安いギャラでもかまわないんですが、

安いギャラの上に他に利益がないものだと、それは仕事ではなく趣味になってしまいます。

 

だからこそ、お仕事を断る、という選択肢があるべきなのです。

 

正直、気持ち的にはお受けしたいお仕事はたくさんあります。最近だってたくさんありました。

 

面白そうなことをやっている方たちの近くにいたいし、自分も携わりたい、と思います。

面白くて本当に一緒にお芝居をやりたいと感じられるメンバーなら、自分に利益がなくても、お受けしてきました。

 

でもやっぱりクリエイティブな仕事の現場でこれから食べていかなくてはいけない事、

そして人生にはタイムリミットがあるということを考えると、自分が楽しめて、さらに宣伝効果やギャランティーなどの利益があるものだけをお受けする、ということが大事なんだと思います。

 

そうでないと仕事として成り立たないのです。

好きな事だけで食べていくために、仕事を断る、という選択肢が必要なんです。

 

お仕事を断ることが心苦しいことはたくさんあります。

きっと楽しいんだろうな、と想像に難くないお仕事や舞台の話はたくさんあります。

 

でもこれからはお仕事を作る側でいたいな、と私は思っています。

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自分の価値を理解する

 

いただいたお話をお受けするか、断るという選択をするか、

自分が自分の技術をなるべく客観的に見た時に、自分にどれくらいの価値があるのか、ということを理解しておくことはとても大切だと思います。

 

簡単に考えるなら、精一杯考えて今自分は時給でいくらくらい稼げるのか、

ということが一つの指標になるかなと私は思っています。

 

ギャランティー以外の面でそのお仕事の価値が自分にないように感じられるなら自分の時給を自分の中で決めておくのはいい判断材料になるかと思います。

 

1時間与えられたら、

  • その時間最大限で何ができるか
  • どれだけ稼げるか
  • どれくらい有意義な時間を過ごす事ができるか

ということをあらかじめ自分の中である程度形にしておくことをおすすめします。

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最後に

 

見返りのない仕事だってきっと何かしらの自分の役には立つでしょう。

 

特に自分がクリエイティブな仕事をしている場合は自分へのインプットがとても大切だと思います。

 

でも、きちんと好きなお仕事だけで食べていけるのか考える、というのはとても大切なことです。

 

その場限りで終わってしまう仕事をずっとしていると、いつか仕事がなくなった時に自分で仕事を生み出す能力がないまま路頭に迷ってしまうから。

 

とても損得勘定なお話ですが、是非一度クリエイティブなお仕事をされている方には「お仕事を断る選択肢」について考えてみていただきたいと思いました。

 

最近よく耳にするようになったクラウドファンディング。

実はこんなお金の集め方もあります。

 

事例が多くわかりやすい本なのでぜひ。

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読んでくれてありがとうございます。

では。

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声優、アーティスト、デザイナー、当ブログの運営者。 2009年に声優デビュー、2016年声優事務所を退所し、現在フリーランスで活動中。自由に生きられる選択肢を増やし、それを発信するために毎日ブログを更新中。