声優なるきっかけって人それぞれですが、
そういう話を聞くのが好きなのでよく声優になったきっかけみたいなのを聞くことが多いんですね。
声優として今現役でバリバリ活動されている方って実は学生時代や幼少期に辛い経験をしている人がとても多いです。
特にいじめを経験している人がとても多い。
先日こんな質問をいただきました。
実は「自分のことが嫌いだから声優になったんです」という方もいるくらい
自分に自信が持てなかったり、何かしら辛い経験をしている人が本当に声優の中には多いんですね。
声優になった理由
私自身も声優になったのは辛い経験がきっかけです。
私の場合は学生時代どうしても周りに馴染めなくて、引きこもりがちになり、
そんな時に唯一楽しいと思えることがアニメを見たり漫画を読んだりすることでした。
それがきっかけで、もともと歌手になりたかったのに、声優のオーディションを受けてみたのが声優業界に入るきっかけだったんです。
周りにいじめが横行していて、人とコミュニケーションするのにものすごい苦手意識を感じてしまって
毎日学校に行きたくなかったし不登校になっていた時期もありました。
でもだからこそ、その時に自分の世界を広げてくれたアニメや漫画がとても大切なものになったし、
とんでもない熱量でアニメを好きだったんですね。
だから声優になるための練習も努力も、辛いなんて思ったことがなくて、全て楽しいと思って取り組むことができました。
それが今にとてもつながっているように思います。
辛い時や苦しい時、きっとその生活の中でも自分を楽しい気持ちにさせてくれる何かがあると思います。
私にアニメがあったように。
それってとても自分の人生に影響を与えるもので、他の人に絶対に負けない思いで大切にすることができることだと思うんですね。
確かに辛いことや苦しいことなんてできれば経験したくないけれど、
そういう経験があるからこそ大切なものに出会えるんじゃないかな、と私は思っていて、
だから辛い経験って実は必要なものなんじゃないかなとも思っています。
声優がいじめ経験者が多い理由
現場でお話しをしてたりすると本当に声優さんにはいじめを経験している方が多いです。
いじめに限らず家庭環境がとても辛いものだったり、壮絶な経験をされている方ばかり。
聞いているだけで苦しかったり、もし自分だったら立ち直れないだろうな、と思ってしまうくらい大変な経験をされている方が多いんですね。
でもそういう方のお芝居って本当に勝てないな、と思えるものがあるし、
一緒にいてもとても人の心に敏感で優しい方が多いです。
きっとそれがその方の強さになったんだろうな、と感じます。
いじめや辛い経験って、二度と味わいたくないと思うものなのは間違いないけれど
その分人の心を推し量れる素敵な人間になれると思うんですよ。
そして特にそういう方はクリエイターとして活動するのにも向いていると思います。
他の誰もが経験できるような経験ではないはずだからこそ作れるものってあるんですよ。
声優ももちろん、芸術関係の方はいじめなどの辛い経験をされている方が多く、さらにそういう方々の作品って胸を打つものがあります。
変わらなくていい
質問してくださった方は「変わりたい」という風におっしゃっていましたが、
私は無理に変わる必要はないと思っています。
私もいじめがたくさんあった学生時代は本当に世界が灰色に見えて、毎日毎日辛くて、学校の通学路で毎日のようにお腹が痛くなっていて
変わりたい変わらなきゃと思っていました。
でも今思えば、それを変える必要なんてどこにもなかったんです。
そのいじめや辛い経験があったからこそ、それが今の声優の仕事に役に立っています。
その頃は辛くて、部活はイラストマンガ部に入っていたんですが、唯一そこだけが学校の中で少し楽しいと思える場所でした。
そこでマンガを描いたりしていたから、今デザインの仕事ができるんだと思います。
全てきっと自分の糧にできるはずだし、
その経験をしたことできっと同じように苦しい思いをしている人の気持ちをわかってあげられる人になっているはずだから
その経験も大切な自分、と思えた方がきっと楽です。
私もいじめだらけのあの日々には二度と戻りたいと思わないし、辛い記憶だからなのかうまく思い出せないこともたくさんあります。
でもやっぱりあの経験があったからこその今だと思うと、通るべき道だったと思うし大切な人生の経験でした。
いじめなどの経験があるからこそできること、というのが必ずあるはずです。
無理に変わろうとせず、今の自分をぜひ大切にしてあげてください。
読んでくれてありがとうございました。
では。