声優志望の方とお話することが多いのですが、
「声優に自分は向いてるのでしょうか?声優の適正がある人ってどんな人ですか?」
というような質問を受けることがあります。
でも私は声優になるのに適正なんてないと思うんです。
向いてるなぁと思う人もいる
確かに一緒にお仕事をしていて、「この人は声優になるべくしてなったんだな」と感じる人はいます。
何と言うか、良い意味で企業に就職して仕事をしているイメージができないような人と言うか笑
とても個性的だったり、表現するものが素晴らしかったり、という人はやっぱり声優の適正があったんだろうなとは思います。
しかし、声優の現場では色々なキャラクターの人が求められます。
全く同じ人がもう一人必要なことはありません。
色々な人がいて色々なキャラクターがいるからその作品が成り立つわけであって、
キャラクターだって元気で個性的なキャラクターだけではなく、暗くて大人しいキャラクターだっているし、無個性であることが個性になるキャラクターもいます。
もちろん中の人とキャラクターが同じ性格であるわけではありませんが、それでもキャラクターと自分が重なる部分がないとお芝居ってしていけないと思うんですね。
だから声優とはこういうものだ、というものがあるのではなく
本当に色々な個性が求められている現場なのだと思います。
結局芝居に正解はない
同じ台本を読んでもそれを演じる人によって解釈って変わるし
どのお芝居が正しいなんていうものもありません。
とはいえ努力できる部分はあるとは思います。
滑舌とか発声とかそういった基本的なところはやったらやっただけだと思う。
でも、表現というものには正解はないのだから声優としての適性があるかなんて考えること自体が間違ってるんじゃないかなと思うんです。
→声優の芝居にも色々な種類がある?作風や現場によって変わる演技
最初はみんなモノマネ
最初はみんなモノマネしてうまくなっていくんだと思います。
素敵な先輩と共演して先輩の技術を盗んで自分のものにしていくというところから始まるんじゃないでしょうか。
でも完璧なコピーを目指しても意味がありません。
すでにオリジナルがいるわけですからコピーしたって意味がないんです。
同じ人は必要ありません。
だからこそ先輩から技術を盗むことも大切だけれど、自分らしさを磨いていくということもまた大切なことです。
唯一無二の自分になること。
そのためには自分がどういう人間なのか、自分探しをする方が大切なんじゃないかなと思っています。
例えば簡単なところで言えば
- 自分にとって出しやすい音のキーはどこなのか。
- 地声でしっかりと出すことができる音の高さはどこからどこまでの範囲なのか。
- 自分にとって得意だと思えるキャラクターはどんなキャラクターなのか。
そんなことを研究して行くと自分の個性というものがどんどんをわかってきて自分をよりアピールしやすくなるんじゃないかなと思うんです。
自分に声優の適正があるかどうかということを考えるのではなく、
自分の良さはどこにあるのかということを考える方が生産的だと思います。
読んでくれてありがとうございました。
では。