きっと芸能関係で仕事をしていきたいと思っている人の多くが「個性が大事」と言われ続けてきていると思います。もうそれはそれは何度も。
でも自分の個性って結構改めて考えてみると難しいですよね。
特に日本社会では「空気を読むこと」「周りの人に合わせること」が重要とされる事なかれ主義な風潮がありますから、
ますます自分の個性ってなんだかよくわからなくなりがちだと思います。
確かに声優として生き残っていくためには個性はとても大切だと思います。
でも個性ってどうやって見つけるんでしょう?
自分と向き合って考えてもあまり良い答えが見つからないこともありますよね。
最近の若手声優は個性的じゃない?
最近の若手声優は個性的じゃない、という話が上がることがあります。
確かに現在ベテランの世代の声優さんって声を聞いただけで「この声はあの人だ!」とわかるような特徴的な声だったりしますよね。
それに比べると今若手として活躍されている方はキャラクターによって声が器用に変わったりしてわからなかったりするところもあるかと思います。
でもこれって今の声優業界ではしょうがないところが結構あると思うんですね。
まず、声優の数が圧倒的に多い。
見る側からすると作品数も多いですから、どれが誰かって本当に覚えきれません。
声優さんとして活躍されている方の人数も多分年々増えてきていると思います。
アニメだけでなく、ゲームや吹き替え、他にも商店街や街頭で流れるナレーションボイスなど、声優が活躍できる現場もたくさんありますから、そういった部分を全て含めると本当にとんでもない人数になるでしょう。
それから、昔に比べると人間の骨格が結構退化、というか小作りになってきているのも一つの原因だそうです。
顔が大きかったり口が大きかったりするのがどんどん小さくなってきて均一化してきている。
だからちょっとずつ声質も似てきてしまっているようなところがある、という話もあったりなんかします。
結局声というのは体の作りに左右されるものですから、確かにそういう側面もあるのかもしれません。
じゃぁ一体どこで個性をつけていけばいいんでしょう?
個性って他人との差別化
個性というのはつまり他人との差別化だと私は思っています。
他人と自分はどこが違うのか、ということを常に考え続けること、
さらには「みんながイエスという中で、本当は自分はノーなんじゃないか?」と自問自答し続けることが大切なのではないかと。
声質なんかは持って生まれてきたものですし、そもそも骨格や筋肉のつき方が全く同じ人なんて存在しませんから
そこで無理に差別化しようとして声を作ったりするのはまた違うと思うんです。
そういった差別化はすぐにガタがくるものでもあるでしょう。
それは「個性を求めて着飾ること」だから、本当の個性にはならないと思うのです。
他人と違う考えを持つ、というだけで本当に声優として必要になってくる個性が身につくのか?と思うかもしれませんが、
例えばオーディションである一役をかけて競い合うとします。
要求される役が「小さくて天然の可愛い少女」という役だったとしますね。
多くの人が「小さくて天然で可愛いんだったら高い声だろう!」という想像をするとします。
しかしそれと逆行して他人と違う意見を持ち、
「小さくて天然で可愛い少女でも低い声の人もいるかもしれない」という演技プランを一人だけ持っていったとします。
そしたらきっと審査する側からしたら低い声の方が目立つでしょう。
もちろんキャスティングはそんな安易に決まるものでもないですし、監督の演出意向や作者先生の考え、予算とか別の声優さんとのバランスとかいろいろありますが
その低い声の演技プランが「いい!」と思ってもらえればそこでオーディションに受かるかもしれない。
割とそういうところで差別化していけるんじゃないかと思うんです。
だから「なるべく周りの意見に合わせる」っていう日本人の癖のようなものは、ちょっと個性を作っていくのには邪魔なんじゃないかなと思っています。
個性はみんなあるもの
私も「自分には個性がない」と悩んだことがあるので「個性がない」と悩む人の気持ちは痛いほどわかります。
でも本当は、個性って必ずみんな持っているものなんです。
周りの意見に左右されすぎず「本当に自分が考えていることはこれかな?」というのを考えることで個性が見えてくることもあります。
常に考えながら行動をしてみてください。
それだけできっと自分の個性を発掘することができると思います。
読んでくれてありがとうございました。
では。