声優がアニメ作品に出演すると、だいたいアニメ作品の打ち上げに招待していただけます。
アニメ作品には本当に多くの人が関わっていて
多分打ち上げ、と聞いてみなさんが思い浮かべるような打ち上げとは規模感が全然違う打ち上げになってます笑
今回はアニメ作品の打ち上げの裏側についてお話ししてみたいと思います。
番組打ち上げの規模
みなさん何かの打ち上げで参加したことがあるので最大規模のものってどれくらいでしょう?
私が声優の仕事を始めるまでに参加したことがあった何かしらの打ち上げって大きくても100人規模くらいだったと思います。
まぁ体育祭の打ち上げとかですけど笑
アニメの打ち上げの規模は200人〜300人です。
結婚式場だとか、ホテルの大広間だとか、そういったものすごく広いところでアニメ作品の打ち上げをやっています。
だいたい立食パーティーの形式です。
端から端にいくのにかなり時間がかかるくらい広いし、人がいっぱいいます。
打ち上げに参加されている方全員にご挨拶するのはまず無理、という感じです。
打ち上げの内容
打ち上げの内容は
- キャストや主要スタッフの挨拶
- OP、EDアーティストの挨拶
- ビンゴ大会
- 美味しいものを食べながら歓談
というものが多いです。
Twitterなんかでキャストさんが「打ち上げのビンゴ大会で当たった!」なんてことを書かれているのを見たことがある人も多いのではないでしょうか。
ビンゴ大会では結構いいものが当たります。笑
アニメ作品を一つ作るにもたくさんの会社が関わっているので、その会社ごとにビンゴ大会の景品を用意してくださって
打ち上げ会場に入る時にビンゴの数字をもらって、ご飯を食べながらビンゴ大会が進行していくことが多いです。
そのアニメ作品の関連グッズが当たることもあるし、ゲーム機や金券、家電製品が当たることもある大人が楽しいビンゴ大会です笑
会場が会場なのでお料理も美味しいところばかりですし、
作品に合わせたメニューやケーキを作ってくださっていたりしてそれもまたとても楽しいです。
打ち上げでの人間模様
打ち上げは立食パーティー形式なのでいくつかテーブルがあってそこに飲み物をおきつつおしゃべりしつつ食べる、みたいな感じなのですが
やっぱり普段一緒に仕事をしているチームで固まりがちです。
キャストはキャスト同士でキャストテーブル、みたいな。
私もコミュニケーション能力が高いわけじゃないのでなかなか他のテーブルに突入していく勇気がないのですが
普段おしゃべりできないような方々がたくさんいらっしゃるので実はもっと初めましての方々とおしゃべりできたらなぁと常々思っています。
会場にいる人数が多くなるとどうしてもこういう異業種コミュニケーションがとりにくくなってしまうのは悩みどころですね。
打ち上げで感じること
普段アニメのアフレコ収録現場にはキャストと、限られたスタッフさんしかいらっしゃいません。
アニメを描いてくださっている方や美術、撮影をしてくださっている方々、
その他にもたくさんの関わってくださっている方がいるのに、仕事現場ではお会いできないことがほとんどなのです。
私自身デザインを少しやっているので、お話をしてみたいという思いもありますし
やっぱり仕事内容が違えば作品を見る角度も全然違うのではないかなと思うんです。
運良く打ち上げでお話することができるスタッフさんもいらっしゃって、SNSなんかでやりとりできるようになると本当に楽しいです。
出会いが多いのも声優の仕事の楽しいところだと思っています。
また、そういったお話しができると
仕事内容は全くちがっても、一つの作品を一緒に作ることができているのだな、という誇りというか嬉しさというか
そういうじんわりとした喜びを感じることができます。
人と一緒に何かを作るということは本当に楽しいことです。
アニメ作品は多くの人の努力の結晶
一つのアニメ作品を作るには億単位のお金が動いており
そこに関わってくださっている人の人数は数百単位です。
それが量産されている今の日本は本当にすごい。
すごいと同時にやっぱりアニメ業界はまだまだ問題点が多く、このままではずっと続いていかない産業だと言われています。
求められるクオリティばかり高くなっていき、
本当に作業をしている人たちにお金が回っていかない仕組みになっているんですね。
それをどうやって変えていけばいいんだろう、というのも日々の課題です。
たくさんの人で一つの作品を作るのもとても達成感のある素晴らしいことですが、
声優もやっぱりそれだけで食べて行ける人はほんのわずかで、これからの仕事のあり方を考えながら生きていかなきゃいけないなと思います。
打ち上げでアニメに関わってくださっている人の多さを目の当たりにするたびに考えることでした。
読んでくれてありがとうございました。
では。