最近は声優さんがアーティストデビューすることも多くなり、
アニメの仕事が多い声優さんはすぐにキャラクターソングの話がきたり、アーティストデビューされていない方でも歌のお仕事がくることが多いと思います。
そこでこんな質問をいただきました。
そもそも私はもともと歌手になりたくて声優業界に入ったので、歌を歌いたいアピールをずっとしてきていました笑
事務所に所属するためのオーディションでも「私は声優もやりたいですがアニソン歌手になりたいです」と豪語したくらいです。
その時に審査員の中にいたマネージャーが「声優になって歌も歌おう」と言ってくれたのが原点で
結果的にデビュー作でキャラクターソングを歌うことができました。
特にアニメやゲームの業界では歌が歌えるかどうか、というのがかなり重視される傾向があります。
オーディションで歌うこともある
アニメのオーディションでは歌ありきのオーディション、みたいなこともあります。
先に歌資料を渡されて曲を覚え、レコーディングのような形でオーディションが進行していきます。
レコーディングほど時間はかけませんが、2〜3回課題曲を歌ってその歌が審査対象になります。
もちろんセリフの審査もあります。
こういった歌ありきのオーディションの場合は歌が歌えるかどうか、ということよりも
キャラクターソングが歌えるかどうか、というところが見られているんだと思います。
歌が歌える、というのとキャラクターソングが歌える、というのは少し違って、
キャラクターソングってあくまでその役として歌わなくてはいけないので、アーティストとして歌を歌うのとはまた違った意味合いになってくるんですね。
なので歌ありきのオーディションは歌が歌えるかどうか、よりもキャラソンが歌えるかどうか、とういところを重視されていると思います。
セリフ回しは良いけれど、キャラソンを歌うとそのキャラからブレてしまう、なんていうこともあるので。
でも逆に言えば、キャラソンは必ずしも「歌が上手い」ということが求められるのではないんじゃないかな、と思っています。
人間歌が上手い人がいれば歌が下手な人もいるように
キャラクターだってみんながみんな歌が上手いわけじゃないと思う。
だから歌が下手なキャラクターがいてもいいと思うんです。
キャラソンにおいてやはり一番大切なのはキャラクターが歌った時に「あのキャラクターが歌ってる!」と思えるような歌になっているかどうか、なんじゃないかと。
そう思うと歌が歌えることが必ずしも求められるか、というとそうじゃない気もしますね。
アニメは歌の仕事が多い
現状ではアニメ業界では特に歌の仕事が多いです。
歌が上手い声優さんもたくさんいらっしゃいます。
声優仲間でカラオケ行くとみんなうまくてお耳が幸せなことが多いです。
歌が得意、ということで呼ばれる仕事もあるでしょうし、それが武器になることも確かにあるでしょう。
最近では作品に人気があれば多くの場合がキャラソンも出す、という流れが確立されつつあるように思います。
もちろん歌の審査がなくキャスティングされてからキャラソンの仕事が後から決まる、ということもあります。
なので歌が歌えないから全くキャスティングされない、ということはありません。
でも歌ありきの作品もあるので、歌に苦手意識がある場合はそういう作品にキャスティングされる、というのは難しいかもしれません。
歌の練習は声優の仕事に役立つ
質問に「歌の練習を日々されていますか?」とありましたが、
私の場合は歌うことが趣味で歌えないと禁断症状が出るので歌は日々練習、というか日々楽しんで歌っています。
ボイストレーニングにも通っています。
他の声優さんは、というと、アーティスト活動をされていない声優さんでもやはりボイストレーニングに通われている声優さんは多いです。
声を出すこと、その音を理解すること、というのは演技にもとても役に立ちます。
そしてボイストレーニングでは歌を練習するだけでなく、発声の基本から、教室によっては音が出る仕組み、筋肉の解説までしてくれる教室もあります。
表には見えない器官を使って私たちは無意識に声を出していますが、
ちゃんと仕組みがあって、それを理解することによってもっとイメージしやすく、声を出すことが気持ちよく感じられます。
なので、歌の練習をしたり、ボイストレーニングに通ったりすることは声優として成長するためにもとても役立つことだと思います。
音痴じゃ声優になれないのか
もし「声優」という職業に就きたいのであれば、音痴でも特に問題はありません。
声優にはアニメやゲームの仕事以外にもいろんな種類の仕事があるからです。
歌に自信がなくても声優になることはできますし、現に「歌は歌いません」と断言している声優さんもいらっしゃいます笑
ただ、自分がなりたい声優の方向性にもし歌が関わってきそうなら、歌を練習しておく必要はあるでしょう。
どんな声優になりたいのか、ということを具体的に考えていくことが大切だと思います。
声優事務所を選ぶにしたって、事務所にも得意分野不得意分野がありますから、自分のやりたい仕事がある事務所を選ぶべきですからね。
読んでくれてありがとうございました。
では。