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大学で心理学を学んだら声優業に役立った話をしてみる。

私が声優としてデビューしたのは高校生の時でした。

 

声優業で頑張っていこうと思ってたから、本当は進学したくなかったのですが

親との約束で大学進学は好きなことを続けるための条件でした。

 

せっかく大学に行くなら、何か自分がやりたいことのためになったら良いな、と思って

受験し、私が卒業したのは立教大学 現代心理学部 映像身体学科、というところです。

 

名前が映像身体学科、と言って、

映画が好きだったりダンスやお芝居が好きだったりする子が多い学科です。

 

でも学部は心理学部なんですよね笑

 

私も最初は「なぜ心理学部?」と思ったものです。

どちらかというと心理学部は文系なのに統計とかやるから数学できないとだめだし、めちゃくちゃデータとって論文書く、みたいなイメージがあったんですね。

 

立教大学の現代心理学部には私の出身の映像身体学科とは別に心理学科も存在しています。

 

そして映像身体学科に属していても心理学科の授業も受けることができます。

ゼミとかは入れないんですが、結構心理学の授業を受けられるようになっています。

 

心理学と映像を学ぶ中で、結構声優業の方に役立ったことがありました。

これから大学に進学しようかどうしようか迷っている人や、声優になるためにどんな勉強をしたらいいのか、と悩んでいる人に

ちょっとでも参考になったらいいな、と思って(参考になるかわからないけど笑)

私が大学の心理学部で学んで声優業に役立ったことを話してみたいと思います。

 

映像演出の目線

 

映像身体学科の実技系の授業では映画を取り扱ったものが多く、

出演する側よりもどちらかというと制作をしたい人が集まっている感じでした。

 

座学は眠くなっちゃうので苦手で、実技系の授業ばかり取っていたのですが、

  • シナリオを書く授業
  • 映像を実際に作ってみる授業(撮影、編集、出演も全部学生がやる)
  • 映画を見ながら演出効果の解説

みたいな面白い授業が結構ありました。

 

そういう授業を通して、「出演する側」じゃなく「作る側」の目線を学びました。

 

例えば声優のアニメの仕事でも、台本に映像の専門用語が書かれていることがあります。

O.L.とかWIPEとか。

それぞれ

  • O.L.…オーバーラップ。二つの映像を切り替える時、一方をフェードアウトすると同時にもう一方をにフェードインすることで自然に重ねながらつなげること。
  • WIPE…画面の片隅から丸や三角、四角で元の画面と次の画面を拭き取るように画面切替をする映像技術

という意味です。

 

アニメを作る時も結局カメラワークがあって、そこに映像制作用語が出てくるものなんですよね。

 

台本には〈O.L.〉などと略して書いてあって、こういうことって専門学校や養成所ではあまり詳しく教えてくれません。

現場ではもっと教えてくれません笑

 

自分で映像を作る時に、カメラを持って撮ってみたり、編集をしてみてやっとわかったことです。

まぁわからない用語があれば今はネットで調べれば出てきたりしますけど笑

 

そうやって作る側の目線を持つことができると、制作の意図もなんとなく想像できるようになるから

役者として出演していくのにも役立った気がします。

 

演出側の目線って結構大事。

声優は現場のディレクションで求められるものを汲み取り、演技をしていかなくてはいけないので。

制作側の意図も知った上で台本を読む、って結構大事だと思います。

声優は台本に何を書き込んでいるのか

 

行動心理学と表現

 

映像系の授業以外に心理学系の授業も結構受けていました。

最初は「なんで映像学科が心理学部に入ってるんだろう?」と思ってたけど、心理学の授業を受けてみると謎が解けます。

 

私たち映像身体学科の学生が受けられる心理学科の授業というのは統計をごりごりとるような心理学の授業ではなく

心理学の入門的なところなので結構楽しく授業を聞くことができます。

データに悩まされる辛い思いをあまりしません笑

 

心理学科の授業では行動心理学というのが印象的で

例えば、どういうことを考えてるかで目がどの方向を向くかがわかるとか

人間のちょっとした動作には全部心理的な意味がある、みたいな講義があります。

 

声優の仕事は役者としての仕事で、

声で表現する仕事ではありますが、ルーツはやっぱり体で表現するお芝居です。

 

そして演技ってしようと思うとどんどん不自然になっていくもので

普段自然にしていることがどうも思い出せなくてぎこちない表現になってしまうんですよね。

 

だから普段の行動の研究が一番お芝居の勉強になります。

自分は今どうしてこの言葉を言ったのか。どうして腕を組んだのか。どうして相手から目を逸らしたのか。

そんな感じ。

 

人間の行動を心理学的に学ぶことで

演技を組み立てていく練習になるんです。

 

実際に演技する時はそんなごちゃごちゃしたこと全然考えられなくなっちゃったりするんですけどね笑

でも知ってるのと知らないとでは大きな違いがあります。

演技に感情がこもらない原因は何?

 

自分の興味がある勉強ができる大学がおすすめ

 

大学に行こうか悩んでいるなら、自分が興味を持てる分野をさらに追求できる学部へ進学したほうが良いと思います。

 

そういう目的がないと大学生活って結構つまらないかもしれません。

その人が学びたいと思うことがあれば楽しいけど、それがないと全然たのしくないのが大学っていうものなんじゃないかなと思うんですね。

 

大学は高校までの学生生活みたいに特定の友達とわいわい、というわけでもないし。

私みたいな人間関係の構築が下手くそな人にとっては大学はすごい有難い空間でした笑

 

あと大学の勉強の内容的なところじゃなく、

声優として活動している自分にとって大学生活はなんだか青春って感じで、全く利害関係のないところで友達と映像作ったりできるのが楽しかったので

それで心のバランスがとれていて

そういう意味で大学に行ってよかったと思っています。

 

未だにお仕事を一緒にさせてもらったり仲良くしてくれる友達も大学でできたし。

 

いろいろなコミュニティに属することで自分の息抜きになる場所を見つけることができると思うんですが

それが私にとっては大学でした。

 

大学なんて行きたくないと思ってたけど

行ってみたら案外楽しかったし声優業のためにもなっちゃったよ、という話でした。

 

何かの参考になったら嬉しいなー。笑

声優になって、大学進学したくなかったけど、してよかった。

 

読んでくれてありがとうございました。

では。

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