最近はテレビ番組に声優さんが出演していることもよくありますよね。
声優業界を題材として扱うテレビ番組も増えてきたように思います。
しかし、声優業界側からすると、
声優がテレビ出演する、というのは結構いろいろな難しさを抱えているものなのです。
実際に声優として活躍されている方で
「テレビ出演のオファーは断ることが多い」とお話しされている方もいらっしゃるんですね。
もちろんテレビ出演の方でさらに活躍の場を広げている声優さんもいるわけなのですが。
では声優がテレビ出演することが
どんな難しさをはらんでいるのか、ということについて今回はお話ししてみたいと思います。
イメージが付きすぎてしまう
声優、という仕事はそもそも、
キャラクターに声を当てたり、洋画、海外ドラマの吹き替えをするのがメインのお仕事です。
作品という制作物の観点から見れば、声優というのは「中の人」と呼ばれるように
決して表舞台で活躍する仕事ではありません。
それが近年、声優になりたい人が増え、人気の職業になり、
クールジャパンと言われるほどアニメ・ゲーム産業が栄えた結果、
顔出しのお仕事がとても増えてきました。
しかし、制作物として見た時は声優の実際の顔というものは作品には出てこないものです。
それがテレビ出演が多くなることによって、その人の見た目のイメージが先行してしまうと
制作物を楽しむ時に、純粋に楽しんでもらえなくなってしまう、という懸念が出てきます。
例えば有名な芸能人が吹き替えの仕事をしたり、
タレントさんがアニメのゲストキャラクターとして声優に挑戦することがありますが、
これも賛否両論ありますよね。
その人のイメージが強すぎて、作品を見る時に視聴者が「あの人の声」という見方を必ずしてしまうのです。
もちろんこれが良い方向に働くこともありますが、
イメージが付きすぎるとどの役をやっても実際の自分のリアルなルックスイメージが先行してしまうかもしれない、というリスクもありますよね。
そういった理由で顔出しの仕事をNGにされている声優さんもいるんです。
そもそもテレビ慣れしてない
声優はエンターテイナーなので、
声優として演技のお仕事をする以外にも、ラジオの仕事をしたり、
舞台に出演したり、
最近は仕事の幅もかなり広がってきていると思います。
歌やダンスを活かしたお仕事をされている方も多いですよね。
しかしテレビのお仕事はそれはそれでまた違ったツールだと思います。
実際に放送されるところが自分が思ったようなものではなく
良くも悪くも編集で切りはりできるものだと思っています。
私もテレビのお仕事は数回しかしたことがないので、あまり細かく知っているわけではありませんが、
普段声のみのお仕事をしていると、映像のお仕事というのはかなり違うものだとすごく感じるんですね。
簡単なところでいえば
声優の仕事はめちゃくちゃラフな格好をしていって、すっぴんで行っても仕事をぱっとこなして終えることもできるんですが
テレビはそうもいかないですよね。
他にも台本にアドリブが多かったり、声だけでなく視覚的にも伝えられる、というのは
やはり普段の声の仕事とはかなり違っているところです。
業界批判になることも
テレビは新しさや面白さを伝えていくエンタメですから
声優業界の裏側の部分にスポットが当てられる構成になっている番組もよくあります。
もちろん声優業界を目指している人が多い今、
あまり知られていない声優業界の裏側や声優の仕事のリアルなところを伝えていくのは良いことだと思っています。
ただ、それが声優業界の批判になってしまっているようなこともよくあることだと思うんですね。
私は声優業界が好きですし
声優やクリエイター、作品を作る人がもっと楽しく、効率的に仕事ができるようになっていくといいなと思っています。
そういった声優業界、アニメ業界の問題点をフィーチャーして
問題提起をするような番組もあって、業界が変わるきっかけになるといいなと思うこともあります。
ただ、番組によっては、業界を批判したり、
アニメを楽しく見ている人の夢を壊すようなことになってしまっている番組も見受けられます。
テレビ番組としては面白いかもしれないけれど
声優としてその現場に立つということが苦しいと感じることもあるかもしれません。
だからこそ、声優が声優としてテレビ番組出演するのは結構難しいところがあると思うんです。
まとめ
今回は最近増えてきている声優のテレビ番組出演についてお話ししてみました。
もちろん良い面もあるのですが、
結構難しいところがたくさんあるんです。
とはいえテレビもエンターテイメントですし、声優が活躍できる場所が増えるのは楽しいことですね。
読んでくれてありがとうございました。
では。