声優として活躍している人も、声優志望の方もどんどん若年化してるな〜と思う昨今ですが、
もちろん、声優になりたいと思って頑張っている人がみんな学生とは限りません。
今、社会人として毎日働いている方の中にも声優になりたい、と密かに思って闘志を燃やしている人もたくさんいると思います。
でも声優は毎月固定でお給料をもらえる職業ではありません。
今の仕事を辞めて、明日から声優に転職!ってなっても
明日から平日毎日働けて月に20万円以上稼げるか、といったら「絶対にそんなことはありえない」世界が声優業界です。
つまり、社会人から声優になろうと思ったら、どうしても働きながら声優をやる期間というものが生まれるはずなんですよね。
働きながら声優はできるし、やってる人は多い
声優の現場に行くと、「実はいつもは普通に働いています」という人は結構います。
というのも、声優のギャラは毎月固定ではないですし、売れないうちはギャラはお小遣い程度にしかならないんですよね。
バイトや仕事など、働きながらでないと全然食っていけないのが新人声優というものです。
いや、新人声優も何年までを新人声優というのかも怪しいくらい;;
何年やったって売れなければ新人声優扱いですし、働きながら声優をやらないとずっと食べていくことはできません。
声優の仕事だけで生計が立てられるようになる人は本当に一握りなんです。
スケジュール的には、月に数本あるかないかの声優の仕事なら働きながら声優をやることはできますし、
むしろ働きながら声優をやらないと声優だけでは食べていけないので、声優として売れないうちは他の仕事で働くしかないんですね。
実家で暮らしていない人なら特に、働きながらじゃないと声優だけではやっていけないと思う。
いい職場探しは必須
働きながら声優はできる、と言っても、声優はスケジュール管理がとても難しい仕事です。
「明日急に仕事が入ってしまったので現場に行ってください」という連絡が事務所からくることもしばしば。
特にオーディションシーズンなんかは「今日中に音源録って送らなきゃいけない!」みたいなことも多く、
これから夕方、オーディション用のテープ録りします、ということもあります。
しかもオーディションシーズンは3ヶ月に1回やってきます。
アニメの1クールが3ヶ月だからなんですね。
つまり、働きながら声優をやりたいと思ったら
「今日急用が入ってしまって、どうしても行かなきゃいけないので帰らせてください」というわがままを聞き入れてくれる仕事場でなくてはいけない、ということなのです。
これはバイトでも同じ。
私の場合はバイトはコールセンターやウェブ系のバイトをやっていて、「休むなら必ず代わりを見つけなきゃいけない」みたいなバイトではなかったので大丈夫でした。
カフェのバイトしてたこともあるけど、仕事が入る可能性が低い早朝のシフトばかりやってた〜
でも飲食店だとか、固定曜日でシフトには入らなくてはいけないようなバイトだと、こんなわがままはなかなか聞いてもらえないですよね。
一般的な企業に働くとしてもなかなか難しいと思います。
働きながらでないと声優として食べていけるまでの生活がやっていけないのに、働ける場所は限られてくる。
声優としてやっていくのは本当に大変です。
○コールセンター
→突然休んでも店が回らないとかがない。電話をかける人が1人減るだけであんまりバイト先や同僚に迷惑がかからない。
○早朝or深夜バイト
→収録が入らない時間帯で働けば被ることはない。ただ深夜バイトやってる人は体調崩しがち。遅刻も多くなりがちなので要注意。
声優の仕事は絶対優先
働きながら声優はできる、と言っても、ゆくゆくは声優の仕事をメインに頑張りたいと考えているなら、
声優の仕事は急に入ったものでも最優先させなくてはいけません。
もうすでにスケジュールが入っているから、声優の仕事の方を日程ずらす、なんてことはできません。
また、先の予定を立てることもなかなかできません。
というのも、新人声優のうちはスケジュールのNGを出すなんてあり得ないことだからです。
声優を頑張ってやっていきたいと思っている人はびっくりするほどたくさんいます。
その中で戦っていかなくてはいけない、誰よりも抜きん出ていかなくてはいけないのに、
自己都合でスケジュールを組んでいたりなんかしたらすぐに他の人に負けてしまうでしょう。
事務所だってオーディションや仕事のチャンスを掴むためにたくさんのデスクさん、マネージャーさんが営業をしてくれています。
そのチャンスに全力で応えられない人なら「育てよう」って思えないですよね。
この業界で戦う相手は「死に物狂いで頑張っている人」と思った方がいいと思います。
それくらい、狭き門を多くの人で競っている世界なのです。
そこが頑張れるかどうかが声優になれるかなれないかの差にも影響してくると思います。
だから、働きながら声優はできる、というのはもちろん間違いないですが、
一般的な「働きながら」というものとは少し違ってくるというのを理解しておいた方がいいです。
一般的に働く場所というのは勤務時間が決まっていて、
「急にこれから用事が入ったから帰らせてください」というのが月に数回あるような人は働かせてはもらえないですからね。
逆にお仕事の予定だったのにスケジュールが急にバラシになる、というのもよくあることなので大変です。
声優としての働き方に正解はない
声優としての働き方に正解ってありません。
もちろん「声優の仕事一本で生計成り立ってます」っていうくらいまでいけたらすごいけど、
かなりの大ベテランな先輩に話を聞いても、「次の3ヶ月のレギュラーが少なくて不安になっちゃってさ〜」みたいなことを言われていることもあります。
来年再来年もずっとレギュラーが決まってて…なんて人はほとんどいないです。
やっぱり普通のお仕事とは違って、毎月安定した収入を得られる仕事ではないので、
何よりも続けていくということが難しい仕事だと思っています。
私はそれがすごくしんどくて、
焦りとか不安とかを感じながら続けていたら、大好きな声優の仕事が嫌いになってしまいそう、と思った時期がありました。
だって「このオーディション受からないと次のクールの生活費やばい」とか思いたくないもん笑
なので今は、声優以外の収入源を確保して、声優の仕事があってもなくても生きていける、という状態を作っておいて、
その上で声優の仕事をしています。
これが正解かもわからないけど、私は声優以外の仕事も自分の好きな仕事が出来ている(ブログとかオンラインサロンとか)ので、私にとってはこれが正解で、幸せな働き方です。
この業界は本当に途中で辞めてしまう人が多い業界です。目指す人も多いんけどね。
一番大切なのは「続けられるかどうか」だと思うんです。
これを読んでくださっている方が今もし「いつか売れるため!」と無理した生活をしているのであれば、きつくなって無理やり諦めなくてはいけない時が思ってるよりも早くきてしまうかもしれない。
できるだけ、自分が長く仕事を続けられるように、自分の声優としての働き方についてもしっかり向き合って考えてみてください。
読んでくれてありがとうございました!
ではっ
私は前日の深夜に電話がきたこともあるよ〜