今回は、実績ゼロからフリーランス声優として活動されている有野優樹(ありのひろき)さんに、どうやってお仕事をとっているのかをインタビューしてみました!
実は有野さんは私の運営している夢波サロンのメンバーさんなのです!
有野さんの声優としての活動の仕方が素敵すぎて、
「ブログ記事にさせてくださいっ!!!!」ってお願いしちゃいました笑
みんなめちゃめちゃ気になるよね!?
有野さん、本日はよろしくお願いします!!!
よろしくお願いします!
有野優樹さんプロフィール
【ありそうでなかった、中低音の声質】
フリーランス声優・ナレーター有野優樹(ありのひろき)
実績ゼロからフリーランスでナレーションを中心に活躍中。
【主な担当ナレーション】
Panasonic /ABCハウジング/三菱UFJニコス/三井住友DC /U-22プログラミングコンテスト/TVCM 十津川警部の事件簿
他多数
もくじ
フリーランス声優になるまで
ほとんど実績ゼロでフリーランスとして活動されているっていうのは、やっぱり珍しいと思います。
多くの方が声優といえば、「声優養成所に入って、事務所に所属して、声優としてお仕事をする!」という道をイメージすると思うんですよね
一旦事務所には所属した
ざっくりこれまでどんな道を歩んできたんですか?
- 高一終わりから高三までは声優養成所に通っていました
- その後は演劇の専門学校に2年
- 専門学校の最後のオーディションで手を挙げて下さった声優事務所に一度所属をしました!
あ、あの最後にめちゃくちゃいっぱい事務所さんが来るやつ!?
そうですそうです!
会場パンパンに各事務所のスタッフさんがいらっしゃって、大きなオーディションをするんですよね。
160社くらいいらっしゃって生徒が審査されますが、優秀な方だと40社くらいから一斉に手が挙がったりします。
僕はそこでお声がけいただいた声優事務所に所属することになりました!
ひぇ〜〜聞いているだけで緊張しちゃう!笑
でも事務所に所属されてたこともあったんですね〜!
はい!
ただ、声優事務所には一応1年籍はあったのですが、
その時期に舞台の演出助手のお仕事もしていたのもあって、事務所にはなかなか顔を出せず、お仕事もない、オーディションもほとんどない、という感じで
半年くらいで辞める旨をお伝えしました。
籍は1年あったんですけどね〜
せっかく事務所入ってもお仕事やオーディションがほとんどない、っていうのは結構あるあるなんですよね。。
預かり所属のまま身動きとれなくなってる、みたいな方も結構いらっしゃいます。
営業という手段を教えてくれた恩師の存在
この時、事務所をやめて、何もなくなってしまったので焦っていたのですが、
専門学生時代にお世話になっていた先生とTwitterで繋がることができたので、思い切ってDMで相談してみたんですよ!
そしたら「じゃぁ飲みに行こうか〜」と言ってくださって、初めて学校外に飲みに行きました。
うわぁ優しい先生だね〜〜〜
すごい緊張して行ったら、先生と会った時、
「有野くん太った?」
って言われたんですよ笑
バッサリwwwwwww
でも実際、その時専門の時に比べると12キロくらい太ってたんですよねw
わ〜〜〜〜すごい共感!私も独立してお仕事全然なくなった時、11キロ太った!!!!!笑笑
そういう時って太りますよね〜!
それで、大衆居酒屋で5〜6時間進路相談させて頂いたんです笑
その時に先生に教えて頂いたのが「営業」という手段でした。
営業!!!やっぱり実績がないうちってそれが一番だよね!
営業何件何十件って送ってる方、結構知ってる!
実はそれまでは声優事務所にボイスサンプルを送ったりして営業していました。
でも先生に「事務所に送っても、事務所は所属している人しか見ていないから意味ないよ〜!企業に送らないと!」って言ってもらったんですよね。
その選択肢が今までなかったんです。
先生は「営業はなるべく電話のほうがいいよ」っておっしゃってたんですけど、
まぁ先生の時代はメールでボイスサンプルとかの音声ファイルを送るにも、
夜に送って次の日の朝にやっと届く、みたいな時代だったらしいので笑
電話はすごいwwww
勇気wwwww
僕は電話の勇気はなかったのでメールやお問い合わせフォームからひたすらボイスサンプルを送りました笑
私もやったことあるけど、思ったより時間かかるし、地味だし、ほとんど返信ないし、で結構メンタルくるよね笑
いやほんと、ほとんどお返事ないですよね笑
絶対に営業しないと決めていた仕事
声優オーディションで検索して一般公募のものに応募していたこともあります
私も事務所辞めた時に調べたことあるけど、一般公募って結構怪しいの多くないですか?受かったらお金とられるとか
まさにそれありました!
ドラマCDのオーディションで、受かったら最低何枚は出演者に売ってもらいます、それ以上売れたらバックがあるので…みたいな話をされて、
「え、それって出演者の仕事じゃなくて、製作側のお仕事ですよね?」
って言いました
バトってたwwwww
でも本当その通り。
出演者として受かってるのにお金がかかるっていうのは変な話です。
そういうこともあったりして、絶対に営業しないぞ!と決めていた2つのタイプの企業がありました。
その2つが、
- 低コストを売りにしているところ
- 配信系
のところです。
なるほど
低コストを売りにしている企業さんは、結局制作の予算が安いということだから、
ナレーターとして入る自分のギャラもまた影響を受けて安くなってしまう、と考えて営業していません
賢い!その通りだと思う!
あと配信系は本当に毎日配信される方が多いので、自分がこれからやっても勝ち目がない、と思いました笑
その時間を営業に使った方がいいかな、って
配信やってる方って本当に毎日毎日すっごく頑張ってやってますよね!私もあれは出来ない…って思っちゃいます笑
辛かったこと、あります?ありますよね?
フリーランスって結構孤独だし、辛いこともありますよね?
そうですね〜
この頃毎日最低10件は営業していたんですけどほぼ返って来ないですし、
専門学校も行ってこんなに勉強してきたのに、何をやってるんだろう、って思っていました。
突然の虚無、わかりすぎる…
同期の活躍が辛かった
毎日営業しながらも返信は相変わらず来ず…
でもそんな中で同期の活躍はどんどん耳に入ってくるんです。
同じ教室で同じ先生に習ったのに、どうしてこんなに差が開いたんだろう…って考えてしまっていました。
わかる。知ってる人の活躍辛い。
一番辛かったのは、秋葉原を歩いていた時に、街頭ビジョンに同期が映った時でした…
2.5次元ミュージカルに出演!っていうので映っていたんですよね…
ヒョ
「うわ…僕辞めようかな…何してんだろう」
って思いました…
ァァアアアアア!!!!(狂)
お酒を浴びるように
この頃から毎日お酒を飲むようになりました。
仕事してないから疲れることもない。酔い潰れて寝るような感じです。
私もストレスやばかった時にお酒浴びてた時期がありました…
これを3ヶ月続けて体調崩したんですよね…
そしてその時、親が
もし辞めるのであれば、その瞬間に養成所費用と専門学校の費用返してもらうよ
って言ってきたんです。
それを聞いて、やめたかったけどやめられなかったですね〜
きちぃ!きちぃけどやさしい!でもやっぱりきちぃ!
お仕事はどうやって獲得していったの?
でも今は立派にお仕事されていますよね!
そんな中で、どうやってお仕事を掴んでいったんですか?
3つきっかけがあって、
- 先ほどお話ししていたような営業
- 怪談が好きで、怪談イベントを見にいってた
- 交流会・イベントに参加
というものでした。
とある俳優さんの忘年会開催のお知らせを見て、誰も知らないけど会いたい人もいたりしてそこに行ってみたことがあるんですよ。
誰も知り合いがいない忘年会行けるとかメンタル強すぎる…やばい…
逆にお仕事なさすぎて、もう失うものもなかったんですw
それでも私は行ける気がしないですwww
怖い話が好きで、趣味で怪談イベントによく行っていたんですけど、
その忘年会に怪談イベントに出演されてた方がいらっしゃったので、「この前のイベント行きました〜」って思い切って声をかけてみたんですよね。
そしたら話が弾んで笑
いや、もう勇気とフットワークの軽さがヤヴァイよ
いつか怪談を話す側もやってみたいと思っていたら、その方に「怪談イベント出てみない?」と誘って頂いて、イベントでお話しする機会までいただいたんです笑
すっげーな
逆にお仕事なさすぎて、もう失うものもなかったんですw
あと関係ないジャンルのところに顔を出す、ということもやっていました。
例えば、コピーライターの養成講座に半年間通ってたんですよね。
なるほど
自分の言葉になんでこんなに説得力がないのか、を考えた時に
「書き手の意図を理解したい」って思ったんです。
実際にコピーライティングをするんですけど、自分も書いてみた上で他の人の発表を聞くと
「僕って本当に普通だな…」と打ちのめされました。
あと放送作家見習いとしてバラエティ番組の企画会議に参加したりもあしてました。
ここに居たみなさんは本当に何もかもスピードが速くて全然ついていけなくて、「もっと頭の回転速度を早めなくてはいけない」と思いましたね〜
でもそういうところで鍛えられた経験が今、ナレーションを読むときのディレクションへの対応力に繋がっているのかな、なんて思ったりしています。
色々動いていて本当にすごい!
でも私も作る側の意図を理解したい、と思って大学は映像制作系の学科に進んだんですよね〜!
なんとなく行き着く先は同じというか、思考が似ている気がします笑
どうしても声優はお仕事を依頼される側なので、お仕事を依頼する側の思考が理解できれば、アプローチしやすくなるのでは!?と私も思った時がありました笑
お仕事させて頂けるようになってからも、手応えを感じられないな、と感じて辛いことはありました。
お仕事してるのに?
イベントの司会のお仕事をさせて頂いたんですけど、
その時女性の方と二人で司会だったんですよね。
そういう司会業の経験があまりなかったのもあって、結構ワタワタしてしまったんです。
そしたらイベントが終わった後にご挨拶で席を回っていた時に、
とある参加者の女性の方から「(司会の相方の方に向かって)司会よかったよ〜〜〜!……男の方はいらなかったね」
と言われてしまったんですよ。
ぎぇええええええええ
辛辣スギィイイイイイ
そんなこと言われたら吐いちゃう!無理!
その後の記憶はあまりありません…
ぴえん
有野さんのnoteでこの怖いお話の詳細が書かれています…(私はこの記事が公開された時に拝読して縮み上がりました)
有野さんは毎日noteを書かれているので、ぜひフォローしてその発信を覗いて見てください〜!
実績ゼロでこれから声優をやりたい!という方にアドバイスするとしたら?
有野さん、今日は本当にタメになるお話をありがとうございました!!
最近は事務所に所属しないで、実績ゼロから始めたいという方も増えているし、それができる時代になってきていると思います。
そういう方達にアドバイスするとしたら、どんなアドバイスを送りますか?
まず具体的にやりたいお仕事をイメージした方がいいと思います。
ナレーションがやりたかったら、ナレーションのお仕事を獲得するためには…を考える。
(私もよく言うことだw)
ざっくり「芝居の仕事がしたい」よりは
広い海の中でやみくもに魚を捕ろうとするのではなく、時間がかかっても狙いを定めてモリで1匹魚を捕る、というイメージでしょうか。
自分がやりたいと思っているジャンルを狙って、アタックした方が、
ちゃんとしたギャラを頂けるお仕事に繋がりやすいと思います。
めためた分かる。
私もよく「なんでもやりたいです」って言っちゃダメよ、という話をします。
「なんでもやりたい」って言われると、色のない人に見えちゃうんですよね。
これは制作側のスタッフさんともよく話す話です。
実際どんなことしてました?
地道で時間かかるけど、テレビ局を一つ選んで、番組を担当されているナレーターさんの経歴を全部洗うということをしていました笑
マージで地道www
すごいなぁ
制作会社さんから事務所へ、という依頼の流れだとフリーランスの僕が入る余地がないので、事務所に入られているナレーターさんがやられているお仕事は僕には出来ない。
でもフリーランスのナレーターさんがやられているお仕事は、もしかしたら僕にも出来るかもしれない…
みたいな感じですね!
えらいな〜めちゃくちゃ時間かかりますよね笑
僕には時間だけがある
って思ってました
っょぃ
とにかくそんな感じで、色々なことをやってみる、というのが大事だと思います。
振り返ってみると、あれもお仕事に繋がってたのかもしれないなと思うことはありますので!
いや〜〜〜本当に脳みそが筋肉!(褒めてる)
行動力が素晴らしいですね…
私も頑張ろうってなんだか元気をもらえました。
今日は長々とありがとうございました〜〜〜!!!!
僕も色々思い出せて整理ができて良かったです!
ありがとうございました!
声優業界って才能があるとかないとか言いますけど、
何よりもとにかくやりたいという気持ちでどこまで動けるかっていうのはすごく大事だと思っています。
そして続けるということ。
有野さんの話を聞いていると、そこまでやっている人って本当になかなか居ないなって思うんですよね。
本当にやりたくてやっている人ってそこまでやれちゃうんだよなぁ。
めちゃくちゃ大変だし時間もかかるし地味なこともいっぱいあるけど、
でもそういうやり方もある。
私にとってもすごく参考になるお話でした!
改めて有野優樹さん、本日はありがとうございました〜〜〜〜!
他のサロンメンバーのインタビュー記事
やっほい!声優ブロガーの幸田夢波です!