声優業界は今、飽和状態だと言われています。
アニメ作品は昔に比べるとものすごく作品数が増えました。
吹き替え作品にしても、
最近はアマゾンプライムやネットフリックスなどの動画配信サービスで限定配信されている作品もありますから
声優として活躍することができる場所は以前に比べると増えているとは思います。
しかしそれ以上に声優を目指す人も多いですし、
なんと言っても、声優という職業自体が作品よりも一人歩きしているようなところがありますよね。
今回はそんな飽和状態になってしまっている声優業界の話を少ししてみたいと思います。
声優を目指す人が多い
今国内で声優を目指している人の人数は30万人以上と言われています。
色々なところが声優養成所や声優専門学校を経営していて、
- 「声優を目指す」
- 「声優になるためのレッスンを受ける」
ということは誰でもできるようになっています。
声優という仕事に資格は必要ないですから、誰もが声優になれる可能性を持っているわけです。
ですが、声優として実際に活躍し、
声優という仕事だけで生計が成り立っている人は声優業界にたった300人しかいないと言われています。
とんでもなく少ない席をみんなで争って獲得しようとしているわけです。
これはクライアント側からすると、「声優はたくさんいるから代わりもいくらでもいる」状態になってしまうんですね。
現場に出るとわかることですが、「いつでも仕事を取り上げられる状態」みたいな雰囲気があります。
もちろんだからこそ、唯一無二の存在になれるようにみんな頑張るわけですが。
制作が新人声優を起用する理由
最近はアニメ、ゲームなどの作品の制作費がものすごく削られています。
そもそも無料で見られるテレビで放送していたり、無料でできるゲームで
そこからDVDの売り上げや課金で儲け、次の作品を作る、というのが業界の仕組みです。
しかし最近はこのDVDの売り上げをあげるのも難しくなってきている。
作品数が増えることによって、一つの作品に一人の人が使うお金も減ってきている。
でも作品数を増やせば増やすほど、作品が当たる可能性も高くなってくる。
という状況の中で、一つの作品にかける制作費は削れるのなら削っていきたい、
という感じで制作が進んでいることが多いです。
すると、ギャラの高いベテラン声優さんよりも、
ギャラの安い新人声優をたくさん起用した方が良い、という方向になっていくわけです。
常に新人を起用する方向へ向かって行ってしまうので、なかなか長く活動できる声優さんが出てこない。
これもまた声優業界が飽和状態になってしまっている理由の一つです。
ランクがつくと仕事がなくなる声優
声優業界にはランク制度というものがありまして、
ある程度仕事をしていくとギャランティーが高くなって、1本1本の仕事の値段が保障されるようになります。
これはもともとは役者を守るために生まれた制度なのですが、
声優になりたい人が増えてきている今、この制度によって苦しめられている声優がたくさんいます。
値段が高い中堅の声優を使うなら、値段の安い新人声優を使った方がいい、
という風潮があるからです。
新人の時に比べてランクがつくとギャラが突然2〜3倍くらいになるので
ランクがついた途端に仕事がなくなる、という現象が起きるんですね。
だからこそ新人の時にいっぱい仕事をして人脈を作っておけ、というのが今までの教えだったわけですが、
人脈を作っても声優の新人の数が増えればそちらに流れてしまうのは必然で
今は新人のうちにたくさん仕事をしている人でも、ランクがついた途端に仕事がなくなってしまう、という声優もたくさんいます。
これも声優業界が飽和状態になってしまっている原因。
このランク制度については別記事で詳しく書いています。
供給過多を生き抜くには
ということで声優業界は圧倒的にレッドオーシャンです。笑
その中を生き抜いていくには、
声優というスキルだけでなく、他の技術でも戦っていく必要があるんじゃなかなぁと思っています。
例えば同じようなラーメン屋さんがいっぱい並んでいる場合、
それぞれは違ったとしても、お客さんには入ってみないことには違いがよくわからないですよね。
そこでラーメン屋さんは、
- 大盛り無料
- 看板をでかでかと設置
- チャーハンをセットでつける
- SNSでお店の情報を発信
- ブログを始める
などといった差別化を図ると思うんです。
それはラーメン屋としての勝負ではなく、他のところでの勝負もあるでしょう。
ラーメン屋さんだけどインスタ運営がうまければ話題になってお客さんが入ってくることもあります。
ネットがある今、それも可能な時代。
だからこそ、個人がもっと差別化されるように
声優としてのスキル以外の部分でも自分の得意を伸ばせるといいと思います。
「これは他の声優にはできない、自分だけのスキルだろう」というポイントをなるべく増やしていけると、
選んでもらえる可能性が高くなるでしょう。
読んでくれてありがとうございました!
ではっ