声優になるために必要なこととはなんでしょうか?
もちろんテクニカル的なものも必要だし、事務所の力も必要だし、運も必要でしょう。
でもそれ以外にも結構必要なものってあると思います。
テクニカル的なことはきっと専門学校や養成所で実際に体験しながら教えてくれるでしょう。
今回は専門学校や養成所ではあまり教えてもらえない、声優になるために必要なものについて
私の個人的な考えですがお話してみたいと思います。
童心
子供と遊んでいると本当に「その発想力はなんだ?!」と驚かされることが多々あります。
子供って本当に目の前にあるどんなものでもおもちゃに変えてしまうパワーがあると思うんですね。
例えば紙一枚だって、大人はそこにおいて合ったらペンを持ってきて何かを書く、というのが当たり前の行動のように感じますが、
子供の場合はその紙を折ったり破ったり、本当に発想が豊かです。
これって実は、ベテラン声優さんも共通するところがあります。
普通ではいけない。
常識にとらわれてはいけない。
いかに変人でいられるか、いかに人が思いつかないアイデアを表現としてぶつけることができるか、
ということがその人のアイデンティティになり、その人をキャスティングする理由になります。
「この声優さんならきっとこのキャラを思わぬ感じに変えてくれるだろう」
そんな期待を持ってキャスティングされることってやっぱりあるんですね。
だからこそ、何もないところから何かを作ることができる子供の発想が必要なんだと思います。
ベテラン声優さんは子供の中に入っていっても同じ目線ではしゃげる方が多いし、
一緒にいても「少年少女のようだなぁ」と感じることが多々あります。
もちろんチームで仕事をしていくわけですから、そういうスイッチのオンオフみたいなのは必要だと思いますけどね。
人に嫌われてしまうような突飛さでは意味がありませんから。
強めのメンタル
人前に出る仕事なので結構メンタルは強くないとしんどいと思います。
人前に出る分、応援してくれる人もたくさんいるけれど、批判されることもたくさんあります。
特に今はネットでなんでも書けちゃいますからエゴサなんてしたら傷つくようなことが書かれていることもあるでしょう。
さらに、声優はオーディションをものすごくたくさん受けるのですが、
その中から取ることができる仕事なんて本当に多くありません。
たくさんオーディションを受けてたくさん落ちてます。
そんな中で落ちまくって何度も「あなたは必要ない」と言われている気分になりながら、それでもオーディションを受け続け、「いつかは!」と思って挑戦し続けるメンタル。
結構強さが必要ですよね。
さらに収入も安定しません。
常に「将来どうなるんだろう」という不安を抱えているし、家族や周りの人間からも心配されるでしょうから
やっぱりそれがストレスになることもあります。
給料制じゃないですからね。
いろんな悩みの種が尽きないから、やっぱり強いメンタル、必要ですね。
営業力
声優事務所に所属していればある程度事務所が仕事をくれたりすることもありますが、
事務所に所属しているからといって必ずコンスタントに仕事がもらえるわけではありません。
せっかく声優事務所に所属したのに1年に数えるほどしか仕事がもらえなかった、というのはよくあることです。
つまり、事務所の中でも事務所に推してもらえるようなポジションにいなくてはいけません。
そのための営業力って必要だと思います。
営業、というと聞こえがあまりよくないかもしれませんが、
事務所のスタッフの方との円滑な人間関係だったり、ちょっとした時に話や相談ができるような関係性でいることってとても必要だと思うんですね。
もちろん仕事に行った先でスタッフさんと人間関係を築くのも大切です。
仕事先で良い仕事ができれば、今度はクライアントさん側から指名で仕事をいただけることもよくあるので。
そして事務所の自由度にもよりますが、
セルフプロデュース能力というのはなるべく伸ばしていくべきで、
自分にできる新しいことはないか、と常に挑戦し続けることで仕事が新しく広がっていくようなところもあると思います。
事務所によってはそういうのだめ、っていうところもあるので本当に事務所次第なんですが。
セルフプロデュース能力は、フリーランスになると特に必要になります。
自分が得意なことが何で、どうやってそれを収益化していくか、ということはとても大切な考えです。
事務所に所属していれば収益化の部分は考えなくてもいいかもしれませんが、やっぱり自分を分析してどう売り込んでいくかということは常に考えるべきことですね。
成長する力
どんな仕事にも言えることだと思うんですが、
成長する力は声優になるのにとても必要な力だと思います。
基本的に収録ではテストと本番があって、同じ台本を2回やります。
デビュー作の収録での話。
テストの時に若い声で演じられてた声優さんに「もう少し老けた感じで」というディレクションが入ってそのまま本番、という時がありました。
本番でびっくりしました。
本当にその一瞬でめちゃくちゃお芝居が変わって、老けた声になってたんです。
大先輩なのですが…。
そういうスピーディーな変化が常に求められるのが声優の仕事です。
だからオーディションも受ければいいっていうわけではなくて
落ちたら落ちたで「何がいけなかったのか、なぜ落ちたのか」という研究材料にすることができるんですね。
そういう成長する力、変わることができる力、というのがとても必要だと思います。
好きな気持ち
なんだかんだ声優になるために必要なことを書いてきましたが
結局一番大切なのは好きだ、という気持ちだと思います。
好きだという気持ちがあればなんでも楽しんで努力することができると思うし
それが苦しいとあまり感じなくて済むと思うんです。
私もそうでした。
ぜひ、自分の好きだ、という気持ちを大切にしてあげてください。
読んでくれてありがとうございました!
ではっ