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声優はランクでギャラが変わるその仕組みと問題点

声優にランク、というものが存在するのはあまり知られていない事かと思います。

 

声優業界にはランクというものが存在して、これは本当は声優が食べていけるようになるための大事な制度なのだけど

この制度のせいで苦しむことも実はあるんです。

 

今日は声優のランク制度についてお話ししてみたいと思います。

 

声優のランク制度とは

 

基本的に声優はデビューすると「日本俳優連合」というところに登録をすることになります。

 

日本俳優連合は日俳連(にっぱいれん)とも呼ばれていて、

俳優さんや声優が正当な条件で作品に出演できるように出演のための最低条件を整えてくれている組織です。

 

どうしても俳優さんや声優はクライアントから使われる側の人間なので

こういった最低条件が整っていないと不当な条件で起用されてしまうことがあるんですね。

 

俳優や声優の仕事は技術職であって、物を売買するような仕事ではありません。

目に見えないものに値段を付けて仕事としています。

 

そこには著作権関連のことも関わってきますし

目に見えないもので原価のかからない仕事であるからこそ値段も付けにくいですし

何もないところから何かを生み出す仕事なのでやろうと思えばタダでできてしまうのが声優の仕事です。

 

だから、俳優さんや声優が集まって、日本俳優連合という組合を作って、不当な条件で仕事を受けてしまった時にその団体で戦かってもらえる、みたいな感じですかね。

 

日本俳優連合に声優が登録してから3年間は新人声優として活動するのですが、そこからはランカーとしてランクがつくようになります。

 

つまり新人声優ではなく、声優としてお給料が上がる仕組みがあるんですね。

 

新人声優の時はアニメ・吹き替え作品において1本15,000円というギャラが相場なのですが

ランクがつくと1本のギャラが2〜3倍になります。

声優のギャラの相場はいくらなのか

 

ランク制度によって守られるもの

 

ランク制度があることによって、日俳連に加入している声優は最低限のギャラが守られることになります。

 

アニメや吹き替え作品には再放送があったり、カットして違う場所で使われたり、

ということがあるのでそういうのは二次使用料としてお金をとることができるものなんですね。

 

ここらへんが著作権の領域になってきます。

 

でもこれは勝手に使われてしまったら俳優や声優はなかなかそれに対抗することができません。

 

でも日俳連に入っていることによって、そういうものにもちゃんと料金が発生するように制度が整えられていて、

それが破られた時は日俳連が一緒に戦ってくれる、ということなんです。

 

最近では出演料の相場が守られていない不当な出演も増えてきています。

もちろんそれはそういった仕事を最初から快諾してしまう出演者側にも落ち度があるとも言えるのですが。

 

そもそも1本の仕事を考えた時に時給換算をするととても割の良い仕事のように感じるのが声優の仕事です。

 

アニメの場合は収録が3〜5時間くらいで終わるのでギャラが新人声優で15,000円だと、時給は3,000円〜5,000円。

割が良いように思えますよね?

 

でも仕事をコンスタントにとっていくのはとても難しいのがこの業界です。

 

声優は新人の頃はだいたいがみんなアルバイトをして過ごしています。

バイトをするにしても俳優さんや声優はスケジュール的に制限が多いので、とても大変なんです。

 

だから、このランク制度があることによって、3年経てば1本の仕事で30,000円〜45,000円くらいになる。

つまりランクがつけば仕事が週に1回しかなくてもなんとか生きていくことができるようになるというわけです。

 

このランク制度があることによって俳優さんや声優さんの最低限度の生活が保証されるようになった、ということですね。

 

とはいえレギュラーの仕事があってもバラシもよくあるので

仕事が安定する、ってなかなかないのがこの業界なのですが。

新人声優のスケジュールバラシってよくあること。

 

ランク制度のデメリット

 

さて、ここまでの話だとランク制度ってとっても良い制度じゃん!と思う人ばかりだと思います。

 

でも実はこのランク制度によって苦しめられるところもあるのが今の声優の現状です。

 

実は声優は声優としてデビューしてから3年が勝負だ、と言われています。

私も声優としてデビューする時にこの話はマネージャーさんから強く言われたことでした。

 

3年、つまりランクがつくまでが勝負だ、ということです。

 

ランクがつくと途端にギャラが高くなってしまうのでクライアント側に起用してもらえなくなってしまうんです。

 

ランクがついている声優さんを起用する、ということはそれだけ技術的に信頼できる声優を起用することができる、ということなんですが

作品の制作費がどんどん削られている今、「ランクのついてる声優を起用するなら、ギャラが安くて済む新人を使ってみよう」という方向に制作側がシフトしてしまっているんですね。

 

つまりランクがつくまでの3年間の間にきちんと人脈を作って、「値段が高くなっても使ってもらえる声優」になっておかないといけないわけです。

 

2〜3年という早いスパンで声優が入れ替わってしまう仕組みにもなってきてしまっています。

新人声優が抱えがちな悩み

 

声優のギャラの仕組みは難しい

 

声優のギャラの仕組みは本当に難しいです。

 

そもそも芸術だからお金で基準を作れるものではないんだろうと私は思っています。

でもお金が出ないと生きていけないですからね笑

 

ランク制度は本当に素敵な制度なのだけど

声優が供給過多になってしまった今、この制度も少し変わるべきなのか、という風潮もあってなかなかに難しいのが今の声優業界の現状のようです。

 

今のランク制度のままではやっぱり声優として一生続けていくのが難しいので、この制度の中で声優をやっていくのなら

声優は副業をした方がいいだろうな、というのが私が今強く感じていることです。

 

事務所によっては最初から日俳連に加入しない、という事務所も増えてきていますので

事務所と契約する時はそういったところをきちんと聞くようにした方がいいでしょう。

声優事務所と契約する時に絶対に気をつけた方がいいこと

 

読んでくれてありがとうございました。

では。

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